リアルタイムPCR » リアルタイムPCR 一般

Q: リアルタイムPCRがうまくいきません。


A:

まずは、ゲル電気泳動で目的の産物が存在しているのかどうかを確かめます。


【増幅産物(アンプリコン)が無い場合】
シグナル検出の前に産物を増幅させることが必要です。

→発現が微量な遺伝子であることが予想されますか?
・cDNAのアプライ量を増やす (RT産物の場合、反応液の10%まで。増やしすぎますと阻害がかかることがあります)
・PCR前のRTのかわりに、Pre Amplificationを行う。→LightCycler Pre-Amprification Kitの使用

→極度にGCリッチなアンプリコンでしょうか?
・5% ホルムアミド(formamide)を反応ミックスに添加

→反応条件は検討してみましたか?
・Mg2+濃度を上げる。またはアニーリング温度を下げる
 Mg2+はfinal 0.5mM から 7mMの間で最適化し、PCR効率を上げます。 上げすぎると非特異プライミングが増える可能性があるので注意します。
 アニーリング温度も同様で、特にSYBR Green法の場合は非特異反応に注意します。

→デザインについて確認されましたか?
・まれではありますが、デザインの元となった遺伝子配列情報に変更や加えられていたり、実際の検体に遺伝子変異があった場合、
 プライマーが正しくワークしないことがあります。
・マスターミックス組成を変更しにくい場合や2step温度のシャトルPCRなど、反応条件を変更できない場合には、
 プライマーデザインを変更すると上手くいくようになることがあります。
 

【増幅産物(アンプリコン)が見られる場合】
十分な増幅がある場合、シグナルが取れない原因を解消することが必要です。

→装置の設定は正しいですか?
・装置の蛍光検出チャンネル(励起/検出波長)が検出色素(SYBR/Probe)に対応していることを確認します。
・プログラムの際に、蛍光検出のタイミングが正しく設定されていることを確認します。
 (SYBRやTaqManプローブでは増幅の最後、HybProbeはアニーリングの最後になります)

→サンプルや希釈によって増幅に差がありますか?
・サンプル精製度 A260/A280測定の目安が、DNA≧1.8, RNA≧2.0 です。 また、できるだけ塩やフェノール残留等を避けてください
・サンプルの保存について、凍結融解を繰り返すとRNA,DNA,オリゴ等は分解・劣化し、ばらつきや上手くいかない原因となります。
・サンプルの段階希釈で濃度と増幅の相関を確認します。
 倍率の高いもの(薄いもの)が立ち上がるような場合、サンプルが濃すぎる可能性があります。
 過剰な核酸やRT反応液の持ち込み量が多い場合、pHやイオン強度の影響によりPCR反応が阻害されることがあります。
 アプライ量の上限は、ゲノムDNAでは最大50ng程度、cDNA(RT産物)の場合,最大でPCR反応液の10%までといわれています。
 (サンプルの希釈には、PCRグレード水を使用します。 TE等キレート剤の混入は避けてください。 )
?増幅効率の改善は上記【増幅産物(アンプリコン)が無い場合】もご参考ください。