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ジーン エクスプレッション コーナー |
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-FuGENE 6トランスフェクション試薬- 遺伝子発現プロファイリングと細胞障害性アッセイでの解析による試薬依存的副次効果の最小限化 |
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| 特長 ■時間と労力の短縮─希釈後、DNAを混合し、細胞に加えるだけ ■血清存在下でトランスフェクション可能─トランスフェクション前後の培地交換が不要なため、ハイスループットアプリケーションに最適 ■低毒性─高レベルのタンパク質発現が見られる はじめに リポソームあるいは多成分のトランスフェクション試薬を使用した核酸の細胞内への導入は、哺乳細胞株へのトランスフェクションで十分に確立された方法です。このアプローチは、発現プラスミドによるタンパク質の過剰発現や、siRNAでの特定遺伝子のノックダウン実験に、広く使用されています。しかしながら、多くのトランスフェクション試薬は本質的に細胞毒性の副次効果を持つことが知られています。細胞の生理に対するこれらの影響は、しばしば低く評価され、あるいは無視されますが、結果を誤って評価することにつながります。それゆえ、適切なトランスフェクション試薬の評価と選択は、副次効果を最小限にし、最良の結果を得るために重要です。 マイクロアレイ解析は数千の遺伝子発現を同時にモニタリングできます。このアプリケーションは、さまざまな組織や分化のステージ、いろいろな疾患での転写パターンの機能的遺伝解析を可能にします。マイクロアレイ技術を使用して、毒物や薬剤で処理された細胞の発現プロファイルの変化を説明することができます。その上に、非特異的な副次効果がマイクロアレイで観察できます。これらには、一連のsiRNAトランスフェクション実験における、特異的な遺伝子ノックダウンに関わらない、トランスフェクション操作やインターフェロンシステムの活性化などにより誘導されるオフターゲット効果が含まれます。一般的な広範囲のトランスフェクション操作においてどの操作が、あるいはある種のトランスフェクション試薬が、発現プロファイルの変化をもたらすのか、という疑問は残っています。 細胞の遺伝子プロファイルへのさまざまなトランスフェクション試薬の影響を分析するために、FuGENE 6トランスフェクション試薬と、広く使用されている他のトランスフェクション試薬を比較しました。この試薬は多くのケースでより高い細胞障害性を見せます。われわれは3種類のプラスミドでHEK 293細胞をトランスフェクションしました: →トランスフェクション試薬/操作法のインパクトを測定するために、挿入断片を含まないプラスミドをトランスフェクションしました。 →分泌タンパク質の過剰発現の影響を測定するため、分泌型ヒト臍帯アルカリホスファターゼ(SEAP)をコードしたプラスミドをトランスフェクションしました。 →細胞質タンパク質の例として、アポトーシスを誘導すると知られているエンハンスドグリーンフルオレセインタンパク質(EGFP)をコードしたプラスミドをトランスフェクションしました。 材料と方法 トランスフェクション HEK 293細胞は、10%のFCS 、1%の非必須アミノ酸、2 mMのL-グルタミンを含むMEMイーグル培地(Gibco, Invitrogen Corporation) で培養しました。 ターゲットの調製とマイクロアレイハイブリダイゼーションのために、細胞を1×106/dishの濃度で15 mlの培地を含む10-cm細胞培養皿に播種しました。生存活性を測定するために、細胞を4×104/ウェルの濃度で500μlの培地を含む24ウェルに播種しました。オーバーナイト培養の後、細胞は約80%コンフルエントでした。 トランスフェクションは2種類の試薬(FuGENE 6と試薬L)で使用説明書どおりに、至適化されたDNA:トランスフェクション試薬比で行いました。FuGENE 6では1μgのプラスミドと4μlの試薬量を使用しました。直径10 cmへのプレーティングには9μgのプラスミドを使用しました。試薬Lでは1μgのプラスミドと2μlの試薬量を使用しました。直径10 cmへのプレーティングには30μgのプラスミドを使用しました。トランスフェクションの後、細胞は培地を交換せず48時間培養され、さらなる分析を行いました。 挿入断片を含まないベクター(pMT-MT)として発現ベクターpM1、分泌型アルカリホスファターゼを発現するベクターとしてpM1-SEAPを、EGFPを発現するためにはEGFPをクローニングしたpM1を使用しました。 細胞生存活性の測定 細胞の生存活性は細胞増殖試薬WST-1(ロシュ・ダイアグノスティックス)を使用して分析しました。 トランスフェクション効率の定量 トランスフェクトされた細胞上澄中のSEAPの定量は、SEAPレポータージーンアッセイ、化学発光(ロシュ・ダイアグノスティックス)を使用して行いました。EGFPはスペクトロフォトメーターを使用して、細胞溶解液中で測定されました。総タンパク質量はBCAプロテインアッセイ試薬キット(Pierce, Perbio)を使用して定量しました。 ターゲットの調製とマイクロアレイハイブリダイゼーション トータルRNAは標準法で単離しました。ビオチン-UTP標識cDNAはEberwine法に基づくロシュ・ダイアグノスティックスの直鎖増幅ワークフローに従い調製しました。10μgのトータルRNAから開始して、二重鎖(ds)cDNAをマイクロアレイcDNA合成キットで合成しました。dscDNAはマイクロアレイターゲット精製キットで精製しました。in vitro トランスクリプションの間に、cRNAはマイクロアレイRNAターゲット合成キット(T7)で標識され、マイクロアレイターゲット精製キットで精製されました。 10μgのcRNAフラグメントを、47,000の転写産物と38,500個の既知のヒト遺伝子が含まれるバリアントを持つGeneChip HG U133プラス2.0(Affimetrix)とハイブリダイズしました。チップはGeneChip Scanner 3000(Affimetrix)でスキャンしました。 マイクロアレイ解析 マイクロアレイデータのセットはRACE-Aソフトウェア(Roche Affimetrix Chip Experiment Analysis)で解析しました。各プラスミドに対して、3回のトランスフェクションと3回のマイクロアレイハイブリダイゼーションを行いました。これらの3回の実験データをグループ化し、トランスフェクションしていないコントロールからのマイクロアレイパターンと比較しました。評価のために、95%の信頼性(p-値≦0.05)で少なくとも2倍の発現の変化(chgf≦-1あるいは≧1)が見られた遺伝子のみを採用しました。 結果と考察 トランスフェクション試薬が副次効果を引き起こすかどうかを評価するために、FuGENE 6トランスフェクション試薬と、広く使用されている他のトランスフェクション試薬でのHEK 293細胞のトランスフェクション後の遺伝子の発現を比較しました(GeneChip HG U133プラス2.0を使用)。われわれは、挿入断片を含まないプラスミド(pM1-MT)と、分泌型タンパク質SEAPをコードしたプラスミド(pM1-SEAP)でトランスフェクションされた細胞の発現プロファイルを解析しました。細胞間タンパク質であるEGFPをコードしたプラスミドでトランスフェクションされた細胞の発現プロファイルは、FuGENE 6トランスフェクション試薬のみを使用して解析されました。 発現パターン われわれの結果はトランスフェクションが、使用された試薬とプラスミドに依存して、HEK 293細胞の発現パターンに影響を及ぼすことを示しました。発現レベルの少なくとも2倍の変化において、FuGENE 6を使用したトランスフェクションは30種類の遺伝子に効果を与え、試薬Lは2,061個の遺伝子に影響しました。挿入断片を含まないプラスミドのトランスフェクションにより、12個の遺伝子の発現レベルが、両方のトランスフェクション試薬で影響され、プラスミドによるトランスフェクション操作の特異的パターンを表しました(図1a)。 SEAPをコードしたプラスミドのトランスフェクションの後、FuGENE 6では72個、試薬Lでは2,743個の遺伝子が影響されました。50個の遺伝子は両方の試薬で発現の変化が見られました。これらの遺伝子は、SEAPの発現に特異的なようです(図1b)。 FuGENE 6を使用した3種類のプラスミドの発現では、非常に少ない遺伝子しか影響を受けず、FuGENE 6は試薬に依存した変化を最小限にすることを示唆しています。これに対して、試薬Lは2種類のプラスミドでトータル1,617個の遺伝子の量的変化を引き起こしました(図1d)。 |
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| 細胞の生存活性 その上、発現プロファイルの変化は、生存活性アッセイの結果とも相関します。われわれは、発現パターンにおける最小の影響を見せるトランスフェクション実験は、細胞の高い生存活性を示すことを見出しました(FuGENE 6/挿入断片を含まないプラスミド)。これに対して、試薬LとSEAP発現プラスミドを使用したトランスフェクションは、最も高い発現レベルの変化と低い生存活性を見せました(データ不掲載)。 細胞の生理に関連した遺伝子発現における影響 変化した発現レベルをもつ遺伝子の関連性を測定するために、細胞生理学的に重要な役割を持つタンパク質をコードしている遺伝子を解析しました。FuGENE 6と挿入断片を含まないプラスミドでトランスフェクションされた細胞は、細胞シグナルとサイクルに関与する少数の遺伝子のみが変動し、アポトーシス、ストレス応答、免疫応答に関与する遺伝子の調節には変化がありませんでした。FuGENE 6とpM1-SEAPでのトランスフェクションでは、これらの機能を持つ遺伝子が若干多くの影響を受けていました。期待通り、EGFPをコードしたプラスミドのトランスフェクションでは重要な細胞機能、特にアポトーシスに特有の多くの遺伝子が影響されていました。 |
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細胞の生理に関連した遺伝子の変動は、試薬Lを使用したトランスフェクションの後に顕著に増加していました。 トランスフェクション効率 トランスフェクションされた細胞の生存活性と遺伝子発現プロファイリングの変化に関する深刻な差異にもかかわらず、両方のトランスフェクション試薬は同等の効率でした(図2)。 |
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| 結論 この研究で評価されたトランスフェクション試薬は、HEK 293細胞の遺伝子発現パターンに非常に異なるインパクトを持っていました。試薬Lは劇的な発現プロファイルの変化をもたらしました。それに対して、FuGENE 6トランスフェクション試薬は最小限の変化しかもたらしませんでした。その上、細胞の生理に重要な役割を持つ遺伝子では、少数のものしか影響を受けていませんでした。発現レベルの大きな変化を別にしても、FuGENE 6は非常にわずかな細胞毒性しか示しませんでした。 これらの特質により、FuGENE 6トランスフェクション試薬は、一般的な遺伝子発現実験における優れたツールといえます。特に、副次効果を最小限に抑えた結果が得られるため、機能解析に最適です。 |
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BIOCHEMICA2004NUMBER4(No97) |
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上の記事は、BIOCHEMICA日本語版 (ロシュ・アプライドサイエンスの季刊誌)のバックナンバーです。 情報が古い場合がございますので、あらかじめご了承ください。
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