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Jun Watanabe1,2, Yasumasa Mitani1,3, Alexander Lezhava1, and Yoshihide Hayashizaki1,2
1RIKEN, Yokohama, Japan, 2Yokohama City University, Yokohama, Japan, 3K.K. DNAFORM, Yokohama, Japan
Corresponding author: yosihide@gsc.riken.go.jp
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| watanabe | mitani | alexander | hayashizaki |
SmartAmp-2 としても知られている、Smart Amplification process, version2(以下、SMAP-2)は、folding primer(以下、FP)とturn-back primer(以下、TP)を含む、ユニークな非対称性プライマーデザインに基づいた、迅速な遺伝子多型検出システムです[1]。等温増幅過程においてThermus aquaticus MutS(Taq MutS)タンパク質を組み合わせることにより、本技術はバックグランド増幅を最小限にし、非常に相同性の高い塩基配列(例;野生型の配列とSNP多型変 異の配列)からの誤った増幅を抑えることを可能にしています。Taq MutSタンパク質は誤ってプライミングし伸長した2本鎖DNAのミスマッチなヌクレオチドに結合し、このミスマッチ2本鎖DNAの解離をブロックするこ とで、置換活性を持っているDNAポリメラーゼよるこのDNA鎖の増幅を阻害します。例えばALDH2やEGFR遺伝子[1,2]など、 SmartAmp-2アッセイは様々なSNPsや変異体の検出に用いられています。ここに示した本研究において、我々は本アッセイ原理を、2-4ヌクレオ チドのリピート数の異なるマイクロサテライト多型の検出に用いることができるか否かを、UGT1A1*28多型を例として調査しました。UGT1A1プロ モータにおけるTATAボックスは一般的に(TA)6TAAの野生型の配列を保持しています。しかしながら、UGT1A1*28アレルは(TA)の2塩基 対の挿入変異であり、(TA)7TAAの塩基配列を保持しています[3]。
今までの研究において、アレル特異的PCRやマイクロアレイや他のテクノロジーのアッセイはcompetitive probe(以下、CP)を用いることによって、その特異性を強化していました [4-6]。CPを添加することで、ハイブリダイゼーションのミスマッチを阻害することによって結果が劇的に改善したことを報告しました。我々はここに SmartAmp-2アッセイにおいてCPを用いることを報告すると共に、UGT1A1*28マイクロサテライト多型の迅速かつ正確なジェノタイピングを 可能とし、完全にバックグランド増幅を抑制できたことを示します。
SmartAmpの基本原理は、ターゲットに特異的な配列のみを正確に増幅できるような、ターゲットDNA上の配列を認識するように 特別にデザインしたプライマーセットを用いることにより、「DNA増幅すなわち検出」となっています。さらにSmartAmp-2アッセイにおけるバック グランド増幅の抑制を強化するために、我々はcompetitive probe(CP)を用いた別のアプローチを開発しました。図1に野生型配列の検出をするためのSmartAmp-2アッセイにCPを用いたことが説明さ れています。この識別プライマーであるFPは、その3’末端に野生型アレルに完全に相同性があるようにデザインされているため、SmartAmpによる遺 伝子増幅に用いることができます。CPは変異型の配列に相同性があるようにデザインされ、野生型のアッセイ反応液に含まれます。さらに、この3’末端側は アミノ化によってブロックされていますので、プライマーの伸張反応に関与いたしません。いくつかの近傍配列を含む「TA」ジヌクレオチドのリピート配列に 完全に相同性のあるCPを用いることによって、識別プライマーのミスマッチなハイブリダイゼーションに比べ(本ケースではFP)、より高い融解温度(Tm 値)を持っているためにミスマッチアレルへハイブリダイゼーションし易くなっています。識別プライマーがミスマッチなハイブリダイゼーションをすると、 誤った増幅や高いバックグランドを招いてしまいます。
ミスマッチによる増幅がSmartAmp-2アッセイの開発における長年の問題になっており、CPの添加はアッセイの特異性を高める効果的なアプローチとなるかもしれません。
研究用検体は53人の健康な日本人のボランティアと63人の癌性疾患患者らから得られました。全ての方々から末梢血を研究目的に使用するためのインフォームド・コンセントを書面にて事前にいただきました。
SmartAmp-2アッセイに用いるプライマーはUGT1A1*28アレルのマイクロサテライト配列を増幅および検出するように、前回報告されている記述のようにデザインしました[7]。前回の記述にあるアッセイは、等温条件を保ち、その反応中のSYBR® Green I蛍光色素の蛍光強度の変化をモニタリングすることによって、LightCycler® 480システムに問題なく転用することができました。我々は閾値と比較した非増幅に対する増幅の原理に従って、SmartAmp-2のアプリケーションの評価を行いました。
UGT1A1*28アレル検出のた め、野生型に相同性のある6回の「TA」リピートを持ったcompetitive probe(CP)を用いて、変異体特異的SmartAmp-2アッセイを行いました。全ての検体の野生型および変異型アレルの検出は60度にてインキュ ベーションした後、約40分以内で行うことができました(図2)。いずれのアッセイにおいても、ミスマッチによる増幅が完全に抑えられていたため、バック グランドシグナルは見られませんでした。野生型UGT1A1と変異型UGT1A1*28アレルのCPを用いたSmartAmp-2アッセイにより検出を実 施した116個の検体は、90検体がホモの野生型であり、25検体がヘテロ体、1検体がホモの変異型でした。これらの結果を確認するために、我々は全ての 検体のPCR産物のシークエンスも行いました。SmartAmp-2の結果とPCR産物のシークエンス結果は完全に一致しました(データ未掲載)
ヒト血液検体を用いた、UGT1A1 アレル検出のための、CPを用いたSmartAmp-2アッセイの典型的な増幅プロファイルは、図2のようになります。各グラフは1つの検体について行っ た、野生型UGT1A1アッセイと変異型UGT1A1*28アッセイの2つのアッセイを組み合わせています。ジェノタイプから考えられる3タイプの代表的 なデータを示しています。
我々はCPとして作用する認識プライマーを増幅反応に添加することによって、アッセイの特異性を有意に上げることができました。サン プル調製とCPを用いたSmartAmp-2アッセイの時間を含めて、我々はUGT1A1*28多型の検出を60分以内と迅速に行えました。
SmartAmp法はUGT1A1*28の検出において、PCR産物のシークエンシングやパイロシークエンスのような他のジェノタイ ピングテクノロジーに比べ、いくつかの利点があります。SmartAmp-2テクノロジーはシンプルで、DNAの精製過程を必要とせず、単一チューブ行え るためコンタミネーションのリスクも軽減できます。一般的な他の方法では慎重なDNA精製が必要とされています。SmartAmp-2アッセイは鎖置換活 性を持ったDNAポリメラーゼを利用します。簡単な加熱変性を行うだけで、直接血液サンプルから遺伝子多型の増幅および検出が可能です。我々はサンプル調 製時間を含めて60分以内にUGT1A1*28多型を検出できました。他の方法と比べ、SmartAmp-2アッセイは遺伝子多型や変異のジェノタイピン グを比較的安価に行える方法です。サンプル調製にかかる時間や手間も省けることで、さらに試薬代や人件費を削減することも可能です。
| 製品名 | 製品番号 | 包装単位 | 希望価格 |
|---|---|---|---|
| LightCycler®480インスツルメントII | 5 015 278 | 1台(96ウェル) | ご照会 |
| LightCycler®480マルチウェルプレート96ホワイト | 4 729 692 | 50枚 | ←製品番号をクリック |
| SYBR GreenI核酸ゲル染色 | 1 988 131 | 0.5 ml | ←製品番号をクリック |
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図1:UGT1A1アレルにおけるcompetitive probe(CP)によるミスマッチの抑制原理。
野生型UGT1A1アレルの増幅のため、識別プライマー(この場合はFP)はジヌクレオチドの繰り返し領域にハイブリダイズするようにデザインされました。(a)6回の「TA」リピートは野生型アレルに存在し、これにより完全マッチの増幅が促進されます。(b) 「AT」ジヌクレオチドがはみ出すように、野生型のFPがUGT1A1*28変異アレル(「TA」の7回リピート)にハイブリダイズしたとき、ミスマッチ増幅が起こります。(c)CPはUGT1A1*28に完全な相同性(7回の「TA」リピート)を持ち、UGT1A1*28変異アレルにハイブリダイゼーションすることにより、野生型のFPのミスハイブリダイゼーションをブロックすることができます。
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図2:CPを用いたSmartAmp-2アッセイによるUGT1A1およびUGT1A1*28アレルの検出。
UGT1A1アレルにおけるUGT1A1*28マイクロサテライト多型の検出において、3個のジェノタイプを示しています。このグラフは、(a)ホモの野生型,(b)ヘテロ体、そして、(c)ホ モの変異型の血液検体からのリアルタイムPCRによる増幅および検出の結果を示しています。各グラフは2つの別々のSmartAmp-2アッセイから得ら れたデータを重ね合わせたものです。赤色線:野生型FP+変異型competitive probe(CP);青色線:変異型FP+野生型competitive probe(CP)。
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