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Alexei Gratchev and Dinara Nurgazieva
Department of Dermatology, Medical Faculty Mannheim, Rupercht-Karls University of Heidelberg, and Center of Excellence in Dermatology, Mannheim, Germany
ヒストン脱アセチル化 酵素の阻害剤であるトリコスタチンA(TSA)での真核細胞の処理は、遺伝子発現のエピジェネティックな調節の研究に繁用されます。プロモーター活性に対 するTSAの効果をレポータージーンアッセイで評価するためには、高いトランスフェクション効率と低毒性のトランスフェクション試薬が必要です。この研究 では、肝臓がん細胞株であるHepG2を使用した実験で、FuGENE® HDの高いトランスフェクション効率と低毒性を試験しました。
また、高い細胞生存率と充分な効果を保証するTSA処理のプロトコールを確立しました。
この研究のために、ヒト肝臓が ん細胞HepG2をDSMZより取得し、10% FCS添加のRPMI培地で培養しました。トランスフェクションの24時間前に、24ウェルプレートのウェル当り1mlの培地中に、30%のコンフルエン シーで細胞を播種しました。トランスフェクションの当日に、100 μlの血清不含RPMIとプラスミド、FuGENE® HDを96ウェルプレート中で混合することで、FuGENE® HD/プラスミドコンプレックスを調製しました。プレートをシェイカー上に15秒置いた後、室温で15分間インキュベートしました。このコンプレックスを細胞に添加しました。
HepG2のトリコスタチンA処理は0.1 μM、0.25 μM、0.5 μM、0.75 μM、1.0 μM、1.5 μMの濃度で行いました。
GFP遺伝子を含むプラスミドpmaxGFPを、トランスフェクションされた細胞の可視化に使用しました。ルシフェラーゼアッセイの ためには、ウミシイタケのルシフェラーゼ遺伝子を含むレポーターベクター、phRL-TK(Promega)を使用しました。プラスミドは標準的な方法で 分離しました。プラスミドの濃度は分光光度計で測定し、1 μg/μlに調整しました。
HepG2細胞のトランスフェ クションプロトコールの最初の至適化は、pmaxGFPプラスミドを使用して標準的な手順で実行しました。トランスフェクションは24ウェルプレートの 1ml中で行いました。トランスフェクションコンプレックスの調製では、1 μgあるいは2 μgのプラスミドを3 μl、4 μl、5 μl、6 μl、7 μl、8 μl、9 μl、10 μlのFuGENE® HDトランスフェクション試薬と混合しました。トランスフェクション効率はGFP陽性細胞の数で測定しました。最も高いトランスフェクション効率(約70%)は、1 μgのプラスミドと3 μlのFuGENE® HDを含むコンプレックスで得られました。それぞれのウェル内で、細胞の生存活性の顕著な差異は観察されませんでした。
次に、TSAがHepG2に毒性を示す濃度を測定しました。HepG2細胞を、上述の濃度のTSA存在下で72時間培養しました。1.5 μMの濃度だけが細胞に毒性を示したことが見いだされました。それゆえ、トランスフェクション/TSA処理の組み合わせ実験には、0.5 μMのTSAを使用しました。TSAをトランスフェクションの24時間前に培地に添加しました。トランスフェクションはTSA存在下で行いました。連続的 なTSA処理とFuGENE® HDの組み合わせは、トランスフェクションの24時間後という初期に、100%の細胞死を導くことが観察されました。トランスフェクションされた細胞内の ヒストンデアセチラーゼの阻害を可能とする条件を同定するために、HepG2細胞の生存活性におけるTSA処理のタイミングの影響を分析しました(図 1a)。その処理がトランスフェクション後の分析前に、24時間実行された場合にのみ、0.5 μMの濃度で使用されたTSAは細胞に無毒であることが見出されました(図1a、レーン2)。TSA処理をトランスフェクションの前に24時間のみ実行し た場合、いくらかの生存及びトランスフェクション細胞もまた観察されましたが(図1a、レーン1)、ルーチンの実験に用いることができるほどの細胞数では ありませんでした。
樹立されたプロトコールを用いて、phRL-TKプラスミドをトランスフェクションした細胞における、ウミシイタケルシフェラーゼの発現に対するSTA処理の効果を分析しました(図1b)。トランスフェクションは1 μgのプラスミドと3 μlのFuGENE® HDを使用して行い、ルシフェラーゼ活性を測定しました。ヒストンデアシラーゼの阻害が、ウミシイタケルシフェラーゼの発現を大きく増加させることが見いだされました。
樹立されたプロトコールにより、HepG2細胞の遺伝子発現調節におけるヒストン脱アセチル化酵素の分析に、FuGENE® HDが使用できます。ここで使用した至適化のスキームは、トランスフェクションの困難な他の細胞でのトランスフェクション/TSA処理にも適用できるでしょう。
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図1:(a)HepG2細胞のトランスフェクションとトリコスタチンA処理のタイミングの至適化。赤色のバーは培地中に0.5 μMのトリコスタチンを添加している期間を表します。
(b)HepG2細胞はphRL-TKプラスミドでトランスフェクションしました。TSA処理はパネルAのレーン2に示されたとおりに実行しました。
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