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Alice Gardner1*, Mark Bohlke2
1Department of Pharmaceutical Sciences, Massachusetts College of Pharmacy & Health Sciences;
School Of Pharmacy-Worcester/Manchester, USA; 2Department of Pharmacology, Massachusetts College
of Pharmacy & Health Sciences, Boston, USA
*Corresponding author: alice.gardner@mcphs.edu
神経成長因子 (NGF)で分化誘導されたPC12細胞は、交感神経伝達の機能的なモデルです。表現型として、PC12細胞は交感神経に似ており、プリンやNPY、カテ コールアミンであるドーパミンを放出する、有芯顆粒と小さなコアを持つ小胞の両方を含んでいます。これらは神経伝達物質の放出に関与するG蛋白質共役型レ セプターやG蛋白質、電位依存性カルシウムチャンネル、多数のセカンドメッセンジャーとエフェクターシステムを発現しているため、研究者は交感神経伝達に 関与する細胞内機構を研究するために、この充分に確立されたモデルを利用しています。
NGF-分化誘導PC12細胞は色々な利点を持っていますが、従来のトランスフェクション法を使用したり、安定な細胞株を樹立しよう としたときに、そのトランスフェクション効率は高くありません。リン酸カルシウム法やカチオン系脂質、ポリリジンコートプレートへの細胞の播種、DNAへ の曝露の時間の至適化、細胞の自己接着塊の分散などの様々な戦略を使用して、細胞へのトランスフェクション効率の至適化が行われてきました。しかしなが ら、その効率は全細胞の20%が最大でした。エレクトロポレーションは、トランスフェクションの困難な細胞への遺伝子導入に幅広く使用される物理的な方法 です。しかしながら、この方法も"エレクトロポレーション抵抗細胞タイプ"や細胞のダメージ、生存率の減少、細胞内のイオンバランスの乱れによる物質の非 特異的なトランスポート、バッチ間のトランスフェクション効率の変動などがあり、それに加え、機器が高価という問題を含んでいます。
低継代数のPC12細胞(ATCC® CRL-1721™; 継代数20 - 24)を直接、5%ウシ胎児血清と10%熱非動化ウマ血清、ペニシリン-ストレプトマイシン(10 U/ml - 0.1 mg/ml)を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEME)を含む96ウェルプレート中で増殖させ、5% CO2、 37℃の環境でインキュベートしました。PC12細胞の分化には、増殖培地にNGF(50 ng/ml)を加えました。2 - 3日毎に培地を換え、その度にNGFを添加しました。75 - 80%のコンフルエンシーに達するまで、細胞をこの条件で5日間増殖させました。トランスフェクション実験の前に、培地の3分の2を新しい培地に交換しま した。
細胞のトランスフェク ションのために、メーカーのアプリケーションノートNo. 3に従い、7個のウェルの各ウェルで、100μlの無血清OptiMEMに希釈された2μgのプラスミドDNAを使用し、トランスフェクションコンプレッ クスプレートを調製しました。試薬とDNAの比率を変えたトランスフェクションコンプレックスを調製するために、それぞれの量のFuGENE® HDを各ウェルに加えました。トランスフェクションコンプレックスを直ちに細胞プレートのA2-H4のウェルに滴下しました。このグループの細胞の培地 は、血清と抗生物質を添加されたDMEMを含むことに留意してください。これに対して、ウェルA5 - H10の培地は添加剤を含まない100μlのOptiMEMに置き換わっており、37℃で平衡化され、トランスフェクションコンプレックスの調製から24 分後(A5 - H7)と40分後(A8 - H10)にトランスフェクションしています。トランスフェクションコンプレックスを含む培地は17-18時間後に血清添加DMEMに置き換え、遺伝子発現 は36時間後に行いました。
トランスフェ クション効率をモニターし、定量化するために、β-ガラクトシダーゼ遺伝子を含むプラスミドpCMV/SPORT β-galを用いました。NGF分化誘導PC12細胞で発現しているβ-ガラクトシダーゼ活性は、X-galを用いた組織化学染色で可視化しました。組織 化学染色のプロトコールは、最初にウェルを室温でPBSにより2回洗浄し、洗浄培地を吸引した後、2%フォルムアルデヒドと0.2%グルタルアルデヒドを 含む100μlのPBSにより室温5分で固定化しました。固定液を除去し、PBSで室温2回洗浄しました。細胞を100μlのX-gal溶液(PBS中5 mM フェリシアン化ナトリウム、5 mM フェロシアン化ナトリウム、2 mM MgCl2、1.0 mg/ml X-gal)で染色し、発色するまで37℃でインキュベートしました(6時間)。ただし、発色強度が最高になるまで細胞を染色溶液中に静置しました。トランスフェクション効率は検鏡により目視で計算しました。
神経細胞はトランスフェクションが困難なことが知られています。この低効率は従来の化学および物理学的方法の2つの大きな問題に関連しています。様々なファクターが関与しますが、それには培地条件の感受性や細胞へのダメージ、試薬それ自身の細胞毒性などが含まれます。
FuGENE® HDによるNGF分化誘導PC12細胞の直接トランスフェクションは、最小限の細胞毒性しか示しませんでした。トランスフェクション効率は、トランスフェ クションコンプレックスが血清と抗生物質の存在下で加えられ、インキュベーションされないときに低値でした(表1:B2からG4)。文献は、血清や抗生物 質の存在下では、ある種のトランスフェクション試薬の遺伝子導入が低下することを示唆し、データはその観察を支持しています。しかしながら、血清と抗生物 質を含まず、トランスフェクションコンプレックス形成のインキュベーション時間(24ないし40分)を取ったとき、効率は顕著に増加しました(表1:B5 からG10)。NGF分化誘導PC12細胞への遺伝子導入の至適条件は、試薬とDNA比が7:2で、インキュベーション時間が24分のときに観察されまし た(図1)。
FuGENE® HDトランスフェクション試薬は、NGF分化誘導PC12細胞の生存活性に僅かしか影響せずに高いトランスフェクション効率を示しました。それ以上に、こ の試薬は他のトランスフェクション試薬に比べ経済的でした。この試薬はNGF分化誘導PC12細胞のトランジェントなトランスフェクションやステーブルな 細胞株の樹立に効果的に使用できるでしょう。従って、このトランスフェクション法は、交感神経伝達の細胞内機構の研究モデルとして、この細胞株を利用する ことに利点をもたらすでしょう。
FuGENEはFugent, L.C.C., USAの登録商標です。
表1:FuGENE® HDトランスフェクション試薬でのNGF分化誘導PC12細胞のトランスフェクション効率。ウェルB2からG4には抗生物質と血清を添加したDMEM培地 にトランスフェクションコンプレックスを添加しました。B5からG10には無添加の無血清OptiMEM中にトランスフェクションコンプレックスを添加し ました。トランスフェクションコンプレックスのインキュベーション時間は24分間(B5からG7)と40分間(B8からG10)でした。
| 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | ||
| 容量 | 8μl | 6μl | 4μl | 8μl | 6μl | 4μl | 8μl | 6μl | 4μl | |
| B | 8:2 | -- | 1 | -- | 2 | 10 | 15 | 15 | 10 | 10 |
| C | 7:2 | -- | 1 | 1 | 30 | 30 | 40 | 35 | 25 | 25 |
| D | 6:2 | 5 | 5 | 5 | 20 | 15 | 25 | 20 | 20 | 20 |
| E | 5:2 | 1 | -- | -- | 20 | 15 | 20 | 20 | 25 | 20 |
| F | 4:2 | 1 | 1 | 1 | 20 | 20 | -- | 20 | 20 | 10 |
| G | 3:2 | -- | -- | -- | 15 | 10 | 15 | 20 | 15 | 15 |
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図1:NGF分化誘導PC12細胞で発現しているβ-ガラクトシダーゼ活性を測定するために、X-galを用いて組織化学染色しました。
FuGENE® HDトランスフェクション試薬をβ-ガラクトシダーゼ遺伝子の導入に使用しました。NGF分化誘導PC12細胞をトランスフェクションコンプレックスと17-18時間インキュベートした後、血清を含むDMEMと置き換えました。遺伝子発現は36時間行いました。
Order INFO
| 製品名 | 製品番号 | 包装単位 | 希望価格 |
| FuGENE® HDトランスフェクション試薬 | 4 709 691 | 0.4 ml | ←製品番号をクリック |
| 4 709 705 | 1 ml | ←製品番号をクリック | |
| 4 709 713 | 5×1 ml | ←製品番号をクリック |
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