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James O'Connell*, Yama Abassi, Biao Xi, Xiaobo Wang, and Xiao Xu
ACEA Biosciences, San Diego, CA, USA
ロシュとACEA Biosciences社により共同開発されたxCELLigenceシステムを使用して、特定の微生物の毒素(例:Clostridium botulinumの毒素タイプAやそれに密接に関連したC. difficile毒素)のIn vitro試験を行いました。さらに、In vitroに おける候補薬剤の心臓に対する毒性試験も実施しました。現在、ボツリヌス毒素タイプAなどの医薬品開発や、新しい医薬品の心臓に対する毒性を予測するため に実験動物が必要とされており、そのような試験ではとても多くの実験動物が消費されています。我々はxCELLigenceシステムが基本的にこれらのタ イプの試験に使用される実験動物の代わりに使用できると確信しています。更に、xCELLigenceシステムはRoche 454システムやRoche NimbleGenアレイのような他のシステムにリンクしていますので、我々は一般論として医薬品の開発における動物実験の頻度は著しく減少していくであ ろうと期待しています。
現在、総ての製薬会社は、動物実験やその他の方法を通して製品安全性やその効果を保証することにより、患者や消費者を保護することをアメリカのFDA(食品医薬品局)をはじめ他の世界的な健康監督機関から求められています。ボツリヌス毒素タイプA(BOTOX®)は、これが生物製剤であり、自然由来-この場合はバクテリアC. botulinum由来-のものであるが故に、薬物療法においてはユニークな存在です。生物製剤を製造する際、各製品バッチの一貫した安全性や効能を確実なものとするための試験は極めて重要です。ボツリヌス毒素タイプAの安全性とその効果はLD50(Lethal Dose 50%)試験により評価されています。
ボツリヌス毒素タイプAの場合、マウスに活性を持った成分が投与され-ボツリヌス食中毒が引き起こされ-結果的にさまざまなレベルの筋肉麻痺が生じま す。そして高投与量、もしくは強力な効果により呼吸にかかわる筋肉が麻痺した後、それらのマウスは窒息死に至ります[1]。
ここで、ボツリヌス毒素タイプAの製造会社、アラガン社は過去10年以上にわたり、製品製造時の動物実験に取って代わる別のアッセイの開発に4,000万ドル以上も投資してきたことを付け加えておきます。
xCELLigenceシステムは生細胞のラベルフリーなダイナミックモニタリングを可能としています。システムの核となるテクノロジーは統合された微 小電極センサーであり、それはE-Plate 96のそれぞれのウェルに配置されています。低電圧の交流電流を流すことで、微小電極センサーがウェル内のイオン環境の微細な変化を検出します。これらは 細胞数の変化や細胞の形態変化、細胞のウェル底面への接着強度や性質に関係しています[2]。
システムは下記のような細胞ベースアプリケーションに最適です。
細胞の品質コントロール
細胞増殖
細胞毒性
細胞接着と伸展
受容体介在型シグナリング
バリア機能
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図1:xCELLigenceシステムにおけるC.difficile毒素Aと毒素Bに対する細胞ベースアッセイ
(a)毒素Aと毒素Bの細胞毒性効果。xCELLigenceシステムにおけるセルベースアッセイにて毒素A、毒素Bの両方の効果がテストされた。両方の毒素で細胞毒性が観察され、それぞれのカイネティックパターンは異なっている。
(b)糞便サンプルを使用した毒素検出における感度と特異性。システムは高い感度(1 pg/ml)と特異性を持ち、糞便サンプルの毒素を検出可能であった。
xCELLigenceシステムによる細胞ベースアッセイは他のテクノロジーでは得られないカイネティックな情報を提供します。
Clostridium difficile は多くの抗生物質に耐性を持ち、その毒素AとBは大腸炎を引き起こします。xCELLigenceシステムを使用した生細胞のリアルタイムモニタリングに より時間毎の毒素Aと毒素Bの細胞毒性効果が示され、それぞれの毒素にユニークな細胞死のパターンが観察されました(図1a)。これはin vitro細胞ベースアッセイにとって大きな期待値を提供します。
更に、我々はxCELLigenceシステムを使用し、細胞培養及び特異性の高い毒素A抗体と毒素B抗体による毒素中和法により、糞便サンプルから直接C. difficileの毒素Aと毒素B[3]を識別しました。糞便検体はC. difficile感 染被験者(陽性検体)から、もしくは精製された毒素Aをスパイクした糞便検体-これはコントロールとして細胞に添加された-を使用しました。感度は段階希 釈した毒素を糞便検体にスパイクしたものから決定しました。特異性については特異抗体による毒性の中和により決定しました。
xCELLigenceシステムで実施されたテストは極めて高感度で-pg/mlレンジ内-非常に高い特異性を示しました(図1b)。さらに、我々は、 ボツリヌス毒素(年間10億米ドル超医薬品に該当する活性化合物の一つ)の細胞毒性を検出するためにこのシステムを使用することができました。
現在、FDA(や他の国際規制機関)により承認されているボツリヌス毒素タイプAの販売のためのin vitroのアッセイはありませ ん。しかし、xCELLigenceシステムを使用し、我々は2種類のCNSセルライン(A172グリア芽腫セルラインとSH-SY5Y神経芽腫セルライ ン)において毒素特異的な細胞毒性を検出することができました。細胞は6.67μg/mlの濃度のボツリヌス毒素により処理され、毒性効果を xCELLigenceシステムによりリアルタイムかつ連続的にモニタリングしました(図2)。
我々がこのin vitroの細胞ベースボツリヌス毒素試験から得た最初の結果はxCELLigenceシステムのリアルタイム・ラベルフリー・細胞ベースアッセイが動物実験に取って代わる可能性を示していました。我々は現在この重要なアッセイで使用されるべきその他のセルラインを選別しています。
xCELLigenceシステムは現在、同様に多数の実験動物を必要としている候補薬剤の心臓に対する毒性評価に対して大きなインパクトを与える可能性があります。これらの動物実験によるテストをin vitroテストで置き換えるべく多大な努力が進行中です。しかし、現在のin vitroの心臓毒性評価試験の本質的な欠点は「適切な予測ができない」ということにあります[4]。
この予測はxCELLigenceシステムのリアルタイム、ラベルフリー、心筋細胞ベースアッセイを使用することで大きく改善できる可能性があります。 マウス幹細胞由来の心筋細胞を使用した我々の予備的研究によると、試験化合物への暴露に応答する心筋細胞のリアルタイム連続モニタリングは、同じ生細胞集 団中で初期に見られる一過性のイオンチャネルの検出や、受容体介在型の効果と長期間にわたる心筋細胞毒性の検出を可能としています(図 3)。
我々の実験では、マウス幹細胞を96ウェルE-Plateに播種し、異なる分化用培養液中で心筋細胞(CorAT 細胞、Axiogenesis社)に分化させ、その分化の状況をリアルタイムにモニターしました。幹細胞が特定の心筋細胞に分化した後、化合物エメチンを 異なる濃度で添加し、心臓毒性効果をさらに24時間リアルタイムかつ連続的にモニターしました(図3)。自動データ取得とハイスループットアッセイフォー マットというユニークな特長を持ったxCELLigenceシステムは、二次スクリーニングに使用でき、創薬の初期段階での心臓に対する毒性予測や候補化 合物の優先順位付けを可能とします。
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図2:xCELLigenceシステムを使用したCNSセルラインにおけるボツリヌス毒性効果のダイナミックモニタリング。
ボツリヌス毒素Aの濃度はA172グリア芽腫セルライン(ATCC)とSH-SY5Y神経芽腫セルライン(ATCC)に対して6.67μg/mlで試験された。
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図3:xCELLigenceシステムを使用したマウス幹細胞由来の心筋細胞(CorAT細胞)におけるエメチンを介した心臓毒性のモニタリング。
(a)エメチンの容量依存細胞毒性カイネティックパターン
(b)エメチン処理24時間後における容量依存の心臓に対する毒性効果
(c)エメチン処理後の時間毎のIC50。IC50は特定の物質が生物学的プロセスやその構成物を阻害するために必要な容量を表す定量的な測定値。
我々は、xCELLigenceシステムと他の高情報量システムの組合わせが新しいレベルの精度と情報をin vitro試験にもたらし、医薬品開発で必要な動物実験の数を著しく減らすことができる可能性があることを確信しています。
BIOCHEMICA2008 NUMBER4 (No113)
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