黄色ブドウ球菌の宿主侵襲研究におけるミュータントホスファチジルイノシチド-3-キナーゼのトランスフェクションの至適化

Cell Analysis Corner

Kesley Haaning and Susan A. McDowell
Ball State University, Muncie, IN, USA

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製品名 製品番号 包装単位 希望価格
FuGENE® HDトランスフェクション試薬 4 709 691 0.4 ml ←製品番号をクリック 
4 709 705 1 ml ←製品番号をクリック 
4 709 713 5×1 ml ←製品番号をクリック 

イントロダクション

最も一般的な病原菌である黄色ブドウ球菌の宿主侵襲におけるホスファチジルイノシチド-3-キナーゼの役割を評価し始めたとき、モデルシステムの一つは ヒト胎児性腎臓(HEK)293A細胞でした。これらの細胞は組織的な侵襲における臨床的経験において適切で、アデノウイルス感染やトランスフェクション 試薬を用いた、ミュータントコンストラクトの一過性発現に有用です。我々はFuGENE® HDトランスフェクション試薬とその他の市販のトランスフェクション試薬(試薬L)を用いた、ミュータントコンストラクトの発現法を至適化しました。 HEK293A細胞は試薬Lの存在下でより接着性を失い、黄色ブドウ球菌の侵襲アッセイにおいてより大きな変動を示しました。

材料と方法

黄色ブドウ球菌の侵襲における宿主HEK293A細胞の欠失 ミュータントPI3Kの発現の効果を評価するために、FuGENE® HDトランスフェクション試薬と試薬Lを比較しました。ミュータントコンストラクトの発現は黄色ブドウ球菌の侵襲を減少させるものと期待されます。試薬Lにおいては、HEK293A細胞を3×105個 の密度で10%ウシ胎児血清と10 mM L-グルタミンを含むDMEM中、35-mmプレートに播種しました。翌日に、35-mmプレート当り4.0μgのDNAと10μlの試薬Lを別個に 0.25 mlのOpti-MEM中に希釈しました。DNAとトランスフェクション試薬を混合し室温で20分間インキュベートしました。それぞれのプレートに対し て、新しい試薬L/DNA希釈物を別個のチューブで作成しました。次に、コンプレックスをHEK293A細胞に加えました。細胞のコントロール群はトラン スフェクション細胞に使用した濃度のトランスフェクション試薬のみで処理しました。

FuGENE® HDトランスフェクション試薬においては、HEK293A細胞を3×105個の密度で35-mmプレートに播種しました。翌日に、6μlのFuGENE® HDと2μgのDNAを100μlのOpti-MEM中で同時に希釈し、コンプレックスを室温で10分間インキュベートしました。10% FBSと10 mM L-グルタミンを含むDMEM中の細胞に加えました。コントロール細胞はトランスフェクション試薬のみで曝露しました。両方のトランスフェクション試薬と も、6時間後に細胞から試薬/DNAコンプレックスを除去し、新しい培地に置き換えました。

HEK293細胞でのミュータントの一過性の発現はウェスタンブロット分析で確認しました。ミュータントのコンプレックスは4-12% Bis-TrisゲルのSDS-PAGEで分離し、PVDFメンブレンに転写しました。ブロットはanti-p85一次抗体と800-nmの蛍光色素を標 識したanti-マウス二次抗体で検出しました。蛍光はLI-COR Odysseyイメージャーで検出しました。

トランスフェクションの翌日に、宿主細胞を黄色ブドウ球菌とインキュベートしました(1時間)。侵襲を終了させるために、宿主細胞を10% FBS/PBS中の抗菌剤であるlysostaphin(20μg/ml)とゲンタマイシン(50μg/ml)で37℃、5% CO2で45分間処理しました。宿主細胞に侵襲している菌を、PBS中の1%サポニンを用いて、37℃と5% CO2で20分間処理して、培地中に放出しました。培地の希釈系列をトリプティックソイ寒天培地に撒きこみ、37℃で16時間インキュベートしました。菌のコロニー数を計測し、t検定で解析しました。

結果

試薬Lによる処理で、トランスフェクションの翌日に接着細胞はプレートから浮き上がりました。一過性のトランスフェクションに続くウェスタンブロット は、ミュータントがHEK293A細胞において一過性に発現したことを示しています(図1)。しかしながら細胞は丸くなり培地中に浮き上がりました。これ により、黄色ブドウ球菌の侵襲アッセイにおけるコロニー数の高いばらつきが見られ、侵襲における統計学的な減少は観察されませんでした。

それに対し、FuGENE® HDによるトランスフェクションでは、トランスフェクションの翌日に接着細胞の減少は僅か、あるいはまったく見られませんでした。ライセートのウェスタン ブロットはミュータントコンストラクトの発現を示しています(図1)。黄色ブドウ球菌の侵襲は、ミュータントPI3Kを発現しているHEK293A細胞で は26%±4.32の減少でした(図2)。黄色ブドウ球菌の侵襲における差異は統計的に明瞭でした(t検定においてp<0.05)。

討論

2種類のトランスフェクション試薬をこの研究で比較しました。試薬Lを使用したトランスフェクションに対する応答として、接着性のHEK293A細胞は 丸くなりプレートから浮き上がりました。宿主細胞に対するこの試薬の効果は、黄色ブドウ球菌侵襲アッセイへの影響として現れ、コロニー数が大きくばらつき ました。ミュータントコンストラクトのトランスフェクションに試薬Lを使用したとき、黄色ブドウ球菌侵襲アッセイの結果は統計的に明瞭ではありませんでし た。

FuGENE® HDによるトランスフェクションでは、黄色ブドウ球菌の侵襲アッセイにおいて、満足すべき結果が観察されました。このトランスフェクション試薬での処理で は、HEK293A細胞の接着性に有害な効果は見られないか、僅かなものでした。黄色ブドウ球菌の侵襲アッセイにおいて、ミュータントコンストラクトの発 現は菌の侵襲を26%±4.32、減少させました。この減少はt検定により評価され、コントロールよりも明瞭に減少していました。

結論

このアッセイにおいて、FuGENE® HDトランスフェクション試薬はいくつかの理由でより優れた試薬でした。試薬は少量しか必要とせず、DNA量も少なくてすみました。FuGENE® HDのインキュベーション時間は試薬Lの半分でした。トランスフェクション試薬の宿主細胞への効果は、このアッセイに大きく影響しました。試薬Lによる処理はHEK293A細胞の接着性を喪失させましたが、FuGENE® HDでは影響はないか、小さなものでした。それゆえ、FuGENE® HDは黄色ブドウ球菌の侵襲アッセイにおける第一の選択肢です。

リファレンス

  1. Horn MP et al. (2008) J Pharmacol Exp Ther 326:135-143

FuGENEはFugent, L.C.C., USAの登録商標です。

図1:FuGENE® HDトランスフェクション試薬および試薬Lを使用したミュータントPI3Kの一過性のトランスフェクション。
一過性にトランスフェクションされたHEK293AからのライセートをPAGEで分離し、anti-PI3Kで検出しました。画像はLI-COR Odysseyスキャナーで取り込みました。

図2:ミュータントPI3Kの一過性発現は黄色ブドウ球菌の侵襲を減少させる。
ミュータントコンストラクトをFuGENE® HDを使用してHEK293A細胞にトランスフェクションしました。24時間後に、HEK293A細胞を黄色ブドウ球菌とインキュベート(1時間)し、細 胞外の菌を除去し、宿主細胞内の菌を培地中に放出させました。培地の希釈系列を撒きこみ、コロニーを数えました。コントロール細胞はFuGENE® HDでのみ処理されました(コントロールに比べ明瞭に少ない、log10変換データのt検定はp<0.05)。(SEM = 平均値の標準偏差)

BIOCHEMICA2008 NUMBER4 (No113)

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