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Christoph Seitz1, Walter Eberle1, Hans-Robert Kalbitzer2, and Michael Knoll1*
1Roche Applied Science, Penzberg, Germany
2Department of Biophysics, University of Regensburg, Regensburg, Germany
*Corresponding author: michael.knoll@roche.com
"Protein-only"の仮定では、10年以上に渡ってプリオン蛋白が様々な種の感染性海綿状脳症(TSE)の感染性因子と考えられてきました [1]。TSEは、ヒト(Creutzfeld-Jakob病, CDJ)やウシ(bovine spongiform encephalopathy)、ヒツジ(scrapie)などの神経変性病として報告されています。 "Protein-only"の仮定とは対照的に、一部の研究者は、レトロウイルス様のRNA転写[2]やウイルス構造[3]、ウイルス粒子[4]が CDJの感染/進行に関与していることを示すデータを発表しました。 そして、"Protein-only"の仮定やプリオン蛋白の感染力に関する決定的な証拠はありません。 最近の研究では、"Protein-only"の仮定が再び疑問視され、プリオン蛋白質脳病理学の最終ステージのTSE病原ウイルス粒子として細胞内の 25nmのウイルス様粒子が提言されています[5]。
この研究の目的は、BSE感染/進行に関与するウイルス様粒子の検証です。 実験的にBSEに感染させたウシの全血サンプル、自然にBSEに感染したウシの全血サンプル、正常なウシの全血サンプルを、様々なウイルス群共通の核酸配 列に特異的なプライマーを用いたPCRにより分析しました。 BSEの核酸マーカーはLightCycler® Systemを用いたリアルタイムPCRで定量的に分析しました。
3つのグループのウシ全血サンプルからDNAを調製しました。 (1)ウエスタンブロッティングによりBSE陽性と診断された10頭のウシの死後の血液、(2)実験的に感染(BSE汚染脳組織ホモジネートの経口投与) させた7頭の動物、(3)BSEネガティブコントロールとしての6頭のウシ
2倍量のRNA/DNA Stabilization Reagent for Blood/Bone Marrowを加えて血液細胞を溶解しました(50mlの全血+100mlのStabilization Reagents)。 サンプルをよく振とうした後、すぐに液体窒素で凍結し-80℃で保存しました。
溶解したウシ全血サンプルを室温で融解させながら、150mgのdithiothreitolとMagNA Pure LC Total Nucleic Acid Isolation Kitの100mlのLysis/Binding Bufferを加えました。 mRNAやトータル核酸はMagNA Pure LC Systemで推奨される試薬とプロトコルを用いて精製しました。
リアルタイムPCR実験はカローセルタイプのLightCycler®で行いました。 RT(Reverse Transcriptase)-PCRには、LightCycler® RNA Master SYBR Green Iを用いました。 DNAのPCRにはLightCycler® FastStart DNA Master PLUS SYBR Green Iを用いました。 様々なウイルス群に対するプライマーは、BSEの感染/進行に関与する可能性がある幅広いウイルス群(moloney murine leukemia virusやウシヘルペスウイルス、ウシパルボウイルス、ビスナレンチウイルスなど)で検証するために設計しました。
特異的PCR産物の定量分析は、カローセルタイプのLightCycler®によるリアルタイムPCR/RT-PCRのデータに 基づいて行いました。 PCR産物のサイズはゲル電気泳動で確認しました。 配列のバイオインフォマティックス分析は、"NUC wgs_cow - whole genome shotgun, Bos Taurus, Bovine Sequencing Consortium"とNational Center for Biotechnology Information(NCBI)のデータベースを用いてRoche Bioinfomatics Basel Homepageで行いました。
Long Terminal Repeat(LTR)領域に特異的なプライマーで、BSE感染ウシと正常ウシを定量的に識別しました。 各PCR産物のサイズはゲル電気泳動で確認しました。 図1では、BSE陽性の死後のウシサンプル(サンプル FC)と実験的にBSEに感染させたウシサンプル(EI)、BSEの症状がみられるウシサンプル(VF)で255bpの断片が見られました。 コントロールサンプルではネガティブでしたが2頭の正常ウシ由来の2サンプルのみ約250bp付近に弱いシグナルが見られました。
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図1:BSE感染ウシおよびBSE症状が見られる動物(赤色)特異的な255bp断片を識別するためのRT-PCR分析。
正常動物サンプルは青色で示します。(コントロール:テンプレート無し、MWM:分子量マーカー)
表1:BSE感染と正常ウシを判定する255bp断片に対する特異的プライマー (a)10頭の感染ウシ(死後BSEと確認された)のCP値(b)8頭の正常ウシ(死後BSEネガティブと確認された)のCP値
| a)サンプル No. | ステータス | CP値 |
|---|---|---|
| 1 | BSE感染 | 32.49 |
| 2 | BSE感染 | 32.93 |
| 3 | BSE感染 | 33.94 |
| 4 | BSE感染 | 33.53 |
| 5 | BSE感染 | 33.94 |
| 6 | BSE感染 | 33.76 |
| 7 | BSE感染 | 31.91 |
| 8 | BSE感染 | 33.04 |
| 9 | BSE感染 | 33.12 |
| 10 | BSE感染 | 33.78 |
| BSE感染ウシ, 平均CP値 | 33.2 | |
| b)サンプル No. | ステータス | CP値 |
| 1 | 正常 | 35.46 |
| 2 | 正常 | 35.52 |
| 3 | 正常 | 34.07 |
| 4 | 正常 | 34.06 |
| 5 | 正常 | 36.50 |
| 6 | 正常 | 34.04 |
| 7 | 正常 | 35.50 |
| 8 | 正常 | 34.19 |
| 正常ウシ, 平均CP値 | 34.9 |
255bpのPCR断片を識別するために、公開されているウシDNA/RNA配列のデータベースに対してBlast検索したところ、マッチする配列は見 つかりませんでした。この結果は、ウシの新規の配列として公開されています。他の配列データベースでのホモロジー検索を行ったところ、Cysteine Proteaseの酵素中心領域の18アミノ酸のモチーフコドンが同定されました。Cysteine Proteaseは既に別の神経変性病の過程の重要な役割を担っていることが報告されています[6, 7]。
これらの実験の結果は、ウイルス様核酸あるいはプロテアーゼがBSEの感染/進行に関与している可能性を示します。この分野における更なる研究は、 BSE感染/進行を解明する手助けとなり、TSEの"Protein-only"の仮定にさらなる疑問を投げかけるかもしれません。
| 製品名 | 製品番号 | 包装単位 | 希望価格小売(税抜) |
|---|---|---|---|
| MagNA Pure LC 2.0 System | 5197686 | 1 instrument | ←ご照会ください |
| MagNA Pure LC mRNA Isolation Kit I (Blood, Blood Cells) | 3004015 | 192 isolations | ←製品番号をクリック |
| MagNA Pure LC Total Nucleic Acid Isolation Kit | 3038505 | 192 isolations | ←製品番号をクリック |
| MagNA Pure LC Total Nucleic Acid Isolation Kit - Large Volume | 3264793 | 192 isolations | ←製品番号をクリック |
| LightCycler® DX400 System | 3531414 | 1 instrument | ←ご照会ください |
| LightCycler® FastStart DNA MasterPLUS SYBR Green I | 3515869 | 96 reactions | ←製品番号をクリック |
| 3515885 | 480 reactions | ←製品番号をクリック | |
| 3752186 | 1920 reactions | ←製品番号をクリック | |
| LightCycler® RNA Master SYBR Green I | 3064760 | 96 reactions | ←製品番号をクリック |
| RNA/DNA Stabilization Reagent for Blood/Bone Marrow | 1934317 | 500 ml | ←製品番号をクリック |
BIOCHEMICA2008 NUMBER3 (No112)
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