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Renate Kolb, Waltraud Ankenbauer, and Brigitte Hloch*
Roche Applied Science, Penzberg, Germany
*Corresponding author: brigitte.hloch@roche.com
一般にcDNA合成に用いられるレトロウイルス由来の逆転写酵素は、他のDNAポリメラーゼと比較して高いエラー率を示します。このような正確性の欠如 は、次のPCRでさらに拡大する多数の塩基置換やフレームシフトの原因となります。今回、ロシュ・ダイアグノスティックスはcDNA合成の正確性を向上さ せる新製品を発売します。新製品Transcriptor High Fidelity cDNA Synthesis KitはRT-PCRのエラー率を低減するだけでなく、高収量で完全長のcDNAの逆転写反応を可能にします。このキットでは、次のメリットが得られます。
Transcriptor High Fidelity cDNA Synthesis Kitには、組み換え型逆転写酵素とプルーフリーディング酵素をブレンドした、2ステップRT-PCR用の酵素が含まれます。この逆転写酵素は次のアプリケーションに使用できます。
変異率の高さはレトロウイルスの複製機構の特徴です。これは、レトロウイルスのゲノムRNAを二本鎖DNAに転写するウイルスにエンコードされたゲノム 複製のメカニズムに由来します。この逆転写プロセス中に、頻繁に複製エラーを起こします。この不正確な複製は、3'-5'エキソヌクレアーゼ活性の欠失が 原因です。逆転写反応におけるこの元来の高いエラー率は、未だ多くのアプリケーションで最適化されていませんでした。
Transcriptor High Fidelity逆転写酵素は酵素ブレンドであり、一般的な逆転写酵素と比較して約7倍の正確性を示します(図3)。ここではGenome Sequencer 20 Systemを用いた数百万塩基を実際にシーケンスしたデータによって、正確性を示しています。
低発現なRNAから高発現なRNAまで同時に逆転写できます。発現レベルによりプロトコールを変更する必要はありません(図2)。LightCycler®で使用するようにバッファーが最適化されており、高い蛍光強度と理想的な増幅曲線、そして、予想通りのCT値が得られます。
Transcriptor High Fidelity逆転写酵素ブレンドは14 kbまでのcDNA合成が可能です。他社製品と比較して、Transcriptor High Fidelity逆転写酵素ブレンドは、あらゆる鎖長で高収量なcDNA合成を可能にします。両酵素の高い熱安定性と専用バッファーシステムにより、 55℃での逆転写反応が可能です。そのため、正確性を低下させる可能性のある添加剤などを加えることなくGCリッチなテンプレートを逆転写できます。ま た、Transcriptor High Fidelity逆転写酵素ブレンドはスピーディな逆転写反応を可能にします。Transcriptor High Fidelity逆転写酵素ブレンドはわずか10分で完了します。
このキットはcDNA合成に必要なすべての試薬を同梱しています。50回反応用キットでは10回分のコントロール(コントロールRNAとコントロールプ ライマー)も含んでいます。また、3種類のプライマーシステムが使用可能で、キットにはランダムヘキサマープライマーとアンカーオリゴ(dT)18プライマーの2種類のプライマーが含まれています。アンカーオリゴ(dT)18プ ライマーは、ポリAテールの最初の部分に結合し、完全長のcDNAを合成します。mRNAの5'末端は短くなり易いので、このプライミング方法は多くのア プリケーションで好まれます。ランダムヘキサマープライマーはRNAのあらゆる箇所にプライミングし、ポリAテールを持たないRNAも逆転写できます。高 い反応温度条件下でもRNAを保護できる、高い熱安定性を持つProtector RNase Inhibitorもこのキットに含まれています。
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図1:様々なサイズの断片における逆転写酵素の比較。
トータルRNA(ヒト筋肉組織由来のトータルRNAの2.3 kb断片、HeLa細胞由来のトータルRNAの5.3 kbと9.4 kb、脳組織由来のトータルRNAの12.4 kb断片)を様々な逆転写酵素を用いて逆転写しました。cDNA合成した20μl反応液のうちの5μlを用いてExpand Long Range dNTPackでPCRを行いました。
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図2:幅広いテンプレート濃度における高い効率。
10 pgから1μgのK562細胞由来のトータルRNAをアンカーオリゴ(dT)18プライマーを用いて逆転写し、LightCycler®2.0を使用し、Universal ProbeLibraryプローブでβ-actinを検出しました。
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図3:Transcriptor High Fidelity逆転写酵素と一般的なMMLV逆転写酵素の正確性の比較。
エラー率はGenome Sequencer 20 Systemで決定しました。Transcriptor High Fidelity逆転写酵素と一般的なMMLV逆転写酵素で逆転写しました。cDNAを精製してプルーフリーディングDNAポリメラーゼで増幅した後、同 じ配列をもつプラスミドDNAのコントロールPCRのエラー率を差し引いて逆転写酵素のエラー率を算出しました。Transcriptor High Fidelity逆転写酵素のエラー率は、3.1×106 bases以上をシークエンスした4回の実験の平均値です。MMLVについては、4.5×106 basesをシークエンスしました。正確性はエラー率の逆数として表しています。
| 製品名 | 製品番号 | 包装単位 | 希望価格 |
|---|---|---|---|
| Transcriptor High Fidelity cDNA Synthesis Kit | 5 081 955 | 50回反応 | ←製品番号をクリック |
| 5 091 284 | 100回反応 | ←製品番号をクリック | |
| 5 081 963 | 200回反応 | ←製品番号をクリック | |
| Expand Long Range, dNTPack | 4 829 034 | 175 U | ←製品番号をクリック |
| 4 829 042 | 700 U | ←製品番号をクリック | |
| 4 829 069 | 5×700 U | ←製品番号をクリック |
BIOCHEMICA2008 NUMBER2 (No111)
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