FuGENE® HDトランスフェクション試薬を使用したT47D乳腺腫瘍細胞のトランスフェクション

Protein Expression Corner

Nic Bougen
Liggins Institute, University of Auckland, New Zealand

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製品名 製品番号 包装単位 希望価格
FuGENE® HDトランスフェクション試薬 4 709 691
4 709 705
4 709 713
0.4 ml
1 ml
5×1 ml
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トランスフェクション試薬やその方法の優位性にもかかわらず、T47D乳腺腫瘍細胞などの、まだまだトランスフェクションの困難な細胞株が多数あります。β-ガラクトシダーゼレポータープラスミドを使用し、FuGENE® HDでのT47D細胞のトランスフェクションが至適化されました。様々な比率の試薬:DNA比を用いて、RT-PCRとβ-ガラクトシダーゼ活性アッセイにより、FuGENE® HDトランスフェクション試薬が高い効率でこの細胞株をトランスフェクションできることを示しました。

イントロダクション

培養細胞株における遺伝子発現操作は分子生物学の中核です。上皮由来のほとんどの細胞株は様々な方法(リポフェクションやリン酸カルシウム法)で、比較 的容易にトランスフェクションできます。しかし、T47D乳腺腫瘍細胞株などの、従来法ではまだまだトランスフェクションの困難な細胞株が数多くありま す。我々は、トランスフェクションの困難な細胞株と呼ばれる細胞株のトランスフェクションのために特別にデザインされた、FuGENE® HDトランスフェクション試薬を用いて、これらの細胞株のトランスフェクションを至適化しました。T47DとMDA-MB-231(ATCC® HTB-26)乳腺腫瘍細胞株の両方に対する、FuGENE® HDトランスフェクション試薬のトランスフェクション効率を試験するために、β-ガラクトシダーゼレポータープラスミドを使用しました。

材料と方法

トランスフェクション

トランスフェクションとその後のRNA抽出のために、500,000個の細胞を6ウェルディッシュに播種し、接着するまで24時間放置しました。トラン スフェクションとその後のβ-ガラクトシダーゼ活性アッセイのためには、100,000個の細胞を24ウェルディッシュに播種し、接着するまで24時間放 置しました。両方の播種密度は24時間後に約80%コンフルエンシーに達しました。細胞をFuGENE® HDトランスフェクション試薬を使用して、β-ガラクトシダーゼプラスミドを、3:2、4:2、5:2、6:2の試薬:DNA比によりトランスフェクショ ンしました。それに加え、トランスフェクション試薬不含とDNA不含のサンプルをコントロールとしました。DNAは6ウェルプレートの場合はウェル当り 100μl、24ウェルプレートでは25μlに、無血清のRPMI-1640で希釈し、完全血清培地に加えました。

β-ガラクトシダーゼ遺伝子発現の分析

トランスフェクションの24時間後、TRIZOL(Invitrogen)を使用して細胞からRNAを抽出しました。RNAはナノドロップを使用して定 量しました。RT-PCRには、500 ngのRNAを1サンプルあたりに使用しました。RT-PCRは市販のキットを使用して行いました。β-ガラクトースのRT-PCRの前に、サンプルの ローディングはβ-アクチン発現のRT-PCRにより評価しました。

RT-PCRプライマーとプログラム

1. β-アクチン
フォワード:ATGATATCGCCGCGCTCG
リバース:CGCTCGGTGAGGATCTTCA
2. β-ガラクトシダーゼ
フォワード:TGACGGCAGTTATCTGGAAG
リバース:AAACCGACATCGCAGGCTTC
サンプル中のβ-アクチンとβ-ガラクトシダーゼの増幅用のRT-PCRプログラムは、アニーリング温度が52℃で28サイクル行いました。サンプルを1.5%アガロースゲル上でランし、エチジゥムブロマイド染色で可視化しました。

β-ガラクトース活性の分析

トランスフェクションの24時間後と48時間後に、サンプル中のβ-ガラクトシダーゼ活性を評価しました。各細胞をPBS(pH 7.4)で2回洗浄した後、細胞ライセートを採取しました。その後、Promegaの1×ライシスレポーターバッファーを50μl、各ウェルに加え、室温 で15分間インキュベートしました。次に細胞をウェルから掻き取り、ボルテックスをした後、遠心(14,000 rpmで2分間)しました。次に上澄のβ-ガラクトシダーゼ活性を測定するために、ONPGを含む20μlのアッセイバッファーに20μlのライセートを 加えました。サンプルは37℃で30分、あるいはかすかな黄色が現れるまでインキュベートしました。吸光度は420 nmで測定しました。

結果と討論

FuGENE® HDトランスフェクション試薬を使用した、MDA-MB-231細胞とT47D乳腺腫瘍細胞株へのβ-ガラクトシダーゼのトランスフェクションは、その試薬:DNA比とトランスフェクション後の遺伝子発現アッセイを行うまで時間の長さで、注目すべき差異を示しました。

MDA-MB-231細胞は容易にトランスフェクションでき、すべての比率においてトランスフェクションの24時間後にmRNA発現を示しました(図 1a)。トランスフェクションの24時間後には、β-ガラクトシダーゼ活性レベルは5:2と6:2の比率のときにバックグランド以上に見られました(図 1a)。このβ-ガラクトース活性は48時間後も保持され、6:2の比率のときに最も高いものでした(図1b)。T47D細胞はトランスフェクションが困 難な細胞として知られているにもかかわらず、β-ガラクトシダーゼmRNA発現はトランスフェクションの24時間後にすべてのサンプルで見られ、ただしこ の時点ではβ-ガラクトースの酵素活性は見られませんでした(図1a)。48時間後に、β-ガラクトシダーゼ活性は4:2、5:2、6:2の試薬:DNA 比でトランスフェクションされたサンプル中に観察されました。MDA-MB-231より高いか同等の発現レベルは4:2と5:2の比率の場合でした(図 2b)。トランスフェクション後にどちらの細胞でも細胞毒性は見られませんでした。

二種類の細胞株において、より高い試薬の比が最良のトランスフェクション結果をもたらしました。トランスフェクションにおける二種類の細胞の一義的な差 異は、トランスフェクション後の遺伝子の発現までの時間の長さです。これは、MDA-MB-231細胞ではアッセイが24時間後に行えるのに対して、 T47D細胞では機能検査や細胞株の樹立のための選択に、48時間は待った方が良いということを示唆しています。

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関連製品 製品番号 包装単位 希望価格
G-418(溶液)、滅菌 4 727 878
4 727 894
20 ml(5 g)
100 ml(20 g)
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結論

β-ガラクトシダーゼをレポータージーンとして使用し、FuGENE® HDトランスフェクション試薬はMDA-BM-237細胞とT47D細胞の両方で、ポジティブな結果を示しました。この至適化実験の結果は、T47D細胞 などのトランスフェクションの困難な細胞も、メーカーのインストラクションに従って、トランスフェクションが可能なことを示唆しています。このトランス フェクションの至適化の後、安定細胞株を4:2の試薬:DNA比を使用し、トランスフェクションの48時間後にG-418を使用することで樹立しました (データ未掲載)。これらの細胞株の特徴付けは、高レベルの目的遺伝子の安定的発現により確認されました。

FuGENE®はFugent, LLC., USAの登録商標です。

図1:β-ガラクトシダーゼとβ-アクチン遺伝子の発現。
FuGENE® HDトランスフェクション試薬でトランスフェクションして24時間後後の(a)MDA-MB-231細胞と、(b)T47D細胞中。

図2:(a)β-ガラクトシダーゼ活性アッセイ(トランスフェクションの24時間後):FuGENE® HDトランスフェクション試薬でトランスフェクションした後のMDA-MB-231細胞とT47D乳腺腫瘍細胞。(b)トランスフェクションの48時間後の両細胞中のβ-ガラクトシダーゼ活性アッセイ。

BIOCHEMICA2008 NUMBER1 (No110)

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