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Gáspár Jékely1,2* and Detlev Arendt1
1Developmental Biology Unit, European Molecular Biology Laboratory, Heidelberg, Germany
2Max Planck Institute for Developmental Biology, Tübingen, Germany
*Corresponding author: gaspar.jekely@tuebingen.mpg.de
反射型共焦点レーザースキャン顕微鏡(CLSM)とホールマウントin situハイブリダイゼーション(WMISH)の組み合わせは、3 次元で遺伝子発現パターンを可視化する新しい方法です。この方法は、従来のWMISHのアルカリフォスファターゼによるNBT/BCIP沈殿と、反射型顕 微鏡による共焦点検出を併せて用います。WMISHのプロトコールは、DAPIやGFP、蛍光標識プローブなどの蛍光対比染色と組み合わせることができま す。このように多重染色と共焦点顕微鏡を組み合わせることで、細胞レベルの解像能や目的の胚組織における発現プロファイリングが可能になります。そのた め、ホールマウント反射型CLSMは、脊椎動物と無脊椎動物のモデル生物における細胞レベルの解像能でのラージスケール発現プロファイリングに有用な手法 と考えられます。
細胞レベルでの3次元の解像能を伴う遺伝子発現パターンの測定は、発生生物学において重要な目標です[1]。もっとも広く用いられる手法として、in situハ イブリダイゼーションとジゴキシゲニン-11-UTP標識RNAプローブ、アルカリフォスファターゼを標識した抗ジゴキシゲニン抗体を用いました。アルカ リフォスファターゼは5-bromo-4-chloro-3-indolyl-phosphate(BCIP)とnitro-blue- tetrazolium (NBT)により、暗紫色の沈殿として可視化されます。アルカリフォスファターゼ-NBT/BCIPの感度と精度は非常に高く、それは蛍光in situハイブリダイゼーションより優れています。しかしながら、このようなサンプルは一般的に明視野顕微鏡で記録されています。我々の反射法はNBT/BCIPサンプルの共焦点イメージを可能とし、効率的に全胚の発現プロファイルを行います[2]。
共焦点イメージは、Leica TCS SP2もしくはLeica TCS SPEのいずれかの共焦点顕微鏡を用いて、40×油浸対物レンズと1~2 Airy Unitの設定のピンホールの大きさで得られました。反射イメージは、630~640nmにセットした検出器と、最大強度の633nmや635nmレー ザーを用いて得られました。我々は、スペクトル検出器を除いたZeiss LSM 510システムを用いました。その際、我々は633nmの励起レーザーと、発光フィルターのないHFT UV488/568/633ダイクロイックビームスプリッター、もしくは633nm以下の波長ブロッカーをもつロングパス発光フィルターを用いました。ス ペクトル測定には、Leica TCS SP2共焦点顕微鏡のスペクトル検出器を用いて、5nm幅のスライドウインドウを1nm間隔で移動しました。蛍光シグナルは、適切なレーザー光と検出器で 検出しました。共焦点イメージスタックの3次元射影は、Image JとImaris 5.5を用いて行いました。明視野イメージは微分干渉顕微鏡Zeiss Axiophotを用いて得られました。
ホールマウントin situハイブリダイゼーション(WMSIH)は、PTW(PBS + 0.1% Tween-20)中で4%パラホルムアルデヒドで2時間固定したPlatynereisとzebrafish胚を用いてスタンダードプロトコール[2,3]に従って行いました。NBT/BCIP染色は、公開されているプロトコールに従ってフルオレセイン抗体染色とフルオレセインチラミドWMISHを行いました。
共焦点顕微鏡でWMISHサンプルを観察する場合、NBT/BCIP沈殿は反射モードで検出できることが分かりました。明視野イメージと共焦点イメージ の比較から分かるように、我々が検出したシグナルは暗紫色からくるものです(図1)。シグナルはサンプルからのレーザー光の反射により生じます。それは、 6種のレーザー光のWMISHサンプルへの照射と、その放射光のスペクトル特性の測定を示します。6種のレーザー光をサンプルに照射した時、我々は照射光 の波長に対応する一つの波長で最大のシグナルを検出しました(図2a)。これらのデータは、我々が蛍光ではなくNBT/BCIP沈殿の反射を検出している ことを示します。
反射法を用いることで、我々は広範に発現している遺伝子でも発現パターンの全量を可視化できるようになりました。この方法は、シングルセルや軸索投射などのRNAの局在情報を含む細胞下構造の可視化に十分な感度を示します。
我々は、3種類のWMISHサンプル(Platynereis, zebrafish とDrosophila)において 反射法を検証し、同様の結果を得ました[2]。我々は、NBT/BCIPの共焦点検出が、細胞レベルの共局在研究のための他の蛍光マーカーと組み合わせら れるか検証しました。我々は、1つの遺伝子のNBT/BCIP染色と抗アセチル化チューブリン免疫染色や他の遺伝子の蛍光WMISHとの二重染色実験を行 いました。抗アセチル化チューブリン免疫染色を行うことで、我々は、細胞型特異的感覚受容体と尖頭樹状突起ならびに足場となる軸索の共局在(図2b)を認 めました。我々は、側線原基にGFPを発現しているGFPトランスジェニックzebrafish系でNBT/BCIP染色と抗GFP抗体染色を組み合わせ て、反射イメージと蛍光検出で細胞の共局在を検出しました(図3)。我々の方法は、二重染色実験などの簡便性と感度を向上させ、蛍光WMISHにおいて検 出し難い低発現遺伝子の共発現研究を可能にします[1]。
反射法には、実験をデザインする上で考慮しなければならない制限がいくつかあります。バックグラウンドを生じさせる卵黄や剛毛のように、研究対象の胚の 種類によっては、一部の解剖学的構造が光を反射します。NBT/BCIPによりサンプルが広範に濃く染色された場合、さらに問題が起こる可能性がありま す。強いシグナルは一部の励起光と放射蛍光を吸収し、結果として組織の深い部分で「shadowing effect(干渉効果)」を起こします[2]。このような場合、弱く染まる組織を選び直したり、「shadowing effect(干渉効果)」を低減させたりします。低波長では「shadowing(干渉)」が強くなるので(例、DAPIと405nmレーザー)、蛍光 色素の選択は結果に影響を及ぼします。
ホールマウント共焦点レーザースキャン反射型顕微鏡は、細胞レベルの解像能での発現プロファイルや蛍光対比染色、遺伝子発現パターンの3次元体積レンダリングにおいて、蛍光技術に替わる強力な手法です。
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図1:Platynereis dumeriliiサンプルにおける反射型共焦点レーザースキャニング顕微鏡イメージ
細胞型特異的感覚受容体プローブで標識したPlatynereis WMISHサンプルにおける明視野イメージ(a)。共焦点イメージ(b、c)。胚は、神経突起を標識するための抗アセチル化チューブリン抗体で幼虫脳の繊毛(シアン)と共染色されています。
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図2:Platynereis胚におけるNBT/BCIP沈殿の反射シグナルの強度
胚にレーザーを照射し、5nmの検出窓をスライドしてシグナルを検出しました(a)。各ピークは、サンプルにレーザーを照射した際に得られたシグナルに対 応します。これらのピークの他に反射シグナルはありませんでした。WMISHの、抗アセチル化チューブリン抗体(シアン)で標識された感覚樹状突起(矢 印)とNBT/BCIPシグナルの細胞レベルの解像能の共局在(b)。
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図3:側線の発現をプローブで標識したzebrafish WMISHサンプルの明視野と共焦点イメージ
zebrafishサンプルの明視野イメージ(a)。同じ胚の反射イメージ(b、c)。 側線原基におけるGFP発現は、抗GFP抗体(ブルー)を用いて検出しました。軸索を標識(グリーン)するために、抗アセチル化チューブリン抗体で共染色しました。
| 製品名 | 製品番号 | 包装単位 | 希望価格 |
|---|---|---|---|
| Digoxigenin-11-UTP |
1 209 256 3 359 247 |
250 nmol (10 mM, 25μl) 200 nmol (3.5 mM, 57μl) |
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| DIG RNA Labeling Mix | 1 277 073 | 40μl (20 回反応) |
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| DIG RNA Labeling Kit (SP6/T7) | 1 175 025 | 2×10 回反応 |
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| Anti-Digoxigenin-AP, Fab fragment | 1 093 274 | 150 U (200μl) |
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| BM Purple | 1 442 074 | 100 ml |
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| BCIP | 1 383 221 | 3 ml ( 150 mg ) |
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| NBT | 1 383 213 | 3 ml ( 300 mg ) |
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| NBT/BCIP, Ready-to-use Tablets | 1 697 471 | 20 錠 |
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| NBT/BCIP Stock solution | 1 681 451 | 8 ml |
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BIOCHEMICA2007 NUMBER4 (No109)
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