学術的なご相談、資料請求、機器サポートなど、お客様のさまざまなニーズに対応します。
Michael Hoffmann*, Jochen Hurlebaus, and Christian Weilke
Roche Applied Science, Penzberg, Germany
*Corresponding author : michael.hoffmann@roche.com
LightCycler® リアルタイムPCRシステムは、遺伝子の多様性研究に正確でフレキシビリティのあるプラットフォームを提供しています。このシステムは高性能融解曲線分析に必須な温度均一性や光学特性が注目すべき特色となっています。反応容器がプレートタイプのLightCycler® 480システムは、増幅産物を高解像度でスキャンすることで新しい変異を見つけ出すという新規分野における先進的アプリケーションを容易に実施可能にしました。
融解曲線分析は、増幅産物の特徴付けのための方法論として定着しています(例:微生物の同定や変異検出、一塩基遺伝子多型[SNPs(Single nucleotide polymorphisms)])[1]。SNP研究の目標は、そのSNPによる異なる対立遺伝子のバリアントの検出もしくは、多型のポジションの同定、 つまりどちらの対立遺伝子かはともかくどこに未知のSNPsが生じているかを同定するかことのどちらかです。LightCycler® 480システムでは、モジュール方式であるために、両方のアプローチに対応しており、幅広い化学的検出フォーマットに対応し、データ解析アルゴリズムは更に高いフレキシビリティを提供しております。
高濃度でもPCR増幅を阻害することの無いある種の飽和型DNA結合色素(以下、高解像度色素)は、ホモ接合体とヘテロ接合体の識別を容易に可能とし、 非常にシャープな融解プロファイルを与えてくれます(図 1,3)[2]。SNPsは既知となれば、別々の対立遺伝子、もしくはSNPを含む領域内での対立遺伝子のそれぞれに異なる親和力で結合する配列特異的な 蛍光色素標識プローブ存在下での融解曲線分析により最適に解析できます(図 2)。
融解曲線の生データは一般的には、ある温度に対する蛍光値としてプロットされます。但し、データの解像度や温度レンジは、蛍光色素標識プローブの場合よ りも高解像度色素を用いた場合の方がより高く、また高温度側になります(図1a, 2a)。解析をより便利にするために、負の一次導関数(-dF/dT)が良く用いられます。この作業により、ピークにおける融解温度を明らかにすることが できます(図 1b, 2b)。ホモ接合体の野生型、ホモ接合体の変異型、ヘテロ接合体サンプルから得られたデータをピークの数、ピークの位置、もしくはその両方を用いて解析す ることで、それぞれのタイプの識別が可能となります。高解像度色素を用いることで融解ピークは多くの場合識別可能ですが、常にホモ接合体同士の差異を明確 にできるほど十分な開きが無い場合もあります(Figure 1b)。配列特異的プローブはより信頼性の高い判別が可能です(図 2b)。LightCycler® 480 ジェノタイピングソフトウェアはSNP対立遺伝子の同定に後者の方法論を採用しています。
配列特異的プローブでは、増幅産物の未知の多型をスクリーングすることはできません。また、配列近隣の潜在的多型部位は、その解像力では検出することは できません。現在、配列特異的プローブの代わりに、新規の一般的なDNA結合型色素が使用可能となり、高解像度で解析することが必要不可欠である融解曲線 データもLightCycler® 480 Gene Scanning Reagent(遺伝子スキャニング試薬)とソフトウェアを使用することにより解析が可能となりました。ホモ接合体(野生型もしくは変異型)サンプルから 得られる融解曲線を比較することにより、顕著に異なる形をした融解曲線を導き出すことができるため、上記の解析法を用いることで、二倍体における未知の配 列バリエーションをヘテロ接合体においても明確に可視化することが可能となりました。LightCycler® 480は迅速なプレートタイプリアルタイムPCR装置で、その高性能温度制御と光学コンポーネントによりこのような解析が可能であることが特長となっています[3]。新規LightCycler® 480 Gene Scanning Software(遺伝子スキャニングソフトウェア)は、まずこれらの差異を蛍光値の軸に対し標準化(各サンプルの曲線について最も低い蛍光値を0.0、 最も高い蛍光値を1.0として再表示することを意味します)した後(図 1aと図3aを比較参照)、次に各々の曲線について温度軸に沿って平行移動します(図 3b)。そして各サンプルとそのそれぞれの野生型との間の蛍光値の差異をプロッティングすることにより、ヘテロ接合体サンプルを簡単に同定することができ ます(図 3c)。この一連の解析は、この新しいLightCycler® 480 Gene Scanning Software上で行なわれます。
融解曲線分析は、確固としたポストPCR生物物理化学に基づいているため、増幅工程自体から得られる情報を用いた他の変異検出法に比較してアドバンテー ジがあります。ジェノタイピングアッセイをデザインする為に必要な配列データは少なくてすむ一方で、一般的には、より多くの情報が一反応から得られます。 また、同じ色素もしくはプローブが総ての対立遺伝子検出に対応可能であるため、個々の対立遺伝子特異的なプライマーやプローブは必要ありません。既存のも しくは新規の遺伝子多様性について、シークエンスを行なう前または行なう代わりに増幅産物をスクリーニングしなければならない場合には、高解像度色素を使 用した融解曲線分析は、従来の方法(例:dHPLC)に比べ非常に便利で多検体処理にも対応可能です。
LightCycler® 480システムは、遺伝子多様性の発見、分析のためのフレキシビリティ溢れるプラットフォームです。高性能な温度制御と光学コンポーネントにより、LightCycler® 480システムは現在唯一の高解像度融解曲線分析による変異スキャニングが可能なプレートタイプのリアルタイムPCRシステムです[3]。遺伝子研究を全面的に応援するLightCycler® 480ソリューションとして、ジェノタイピングと遺伝子スキャニングの両方のアプリケーションに特化したソフトウェア解析モジュール、Ready-to-useの最適化済みマスターミックス試薬が開発されています。
| 製品名 | 製品番号 | 包装単位 | 希望価格 |
| LightCycler® 480インスツルメント |
4 640 268 4 545 885 |
1台(96ウェル) 1台(384ウェル) |
ご照会 |
| LightCycler® 480 Gene Scanning Software | ご照会 | 1個 | 近日発売 |
| LightCycler® 480 Gene Scanning Reagent | ご照会 | ご照会 | 近日発売 |
![]() |
図1:飽和型DNA結合色素を用いた融解曲線分析
(a)生データは、PCR産物をゆっくりと変性している間の蛍光値から得られる。
(b)融解ピークの頂点の温度は負の一次導関数(-dF/dT)をプロットすることで決定される。DNA結合型の色素で検出される二重鎖増幅産物の融解温度の各タイプ間の差異は標識プローブを用いた場合より小さくなる(図 2b参照)。
![]() |
図2:標識プローブを用いたSNP解析
(a)融解曲線の生データは、変異部位にかぶさるように設計された標識プローブ存在下で、PCR産物をゆっくりと変性している間の蛍光値から得られる。
(b)融解ピークの頂点の温度は負の一次導関数(-dF/dT)をプロットすることで決定される。目的配列とプローブの配列のミスマッチ(例えば変異型のホモタイプサンプル)により、より低い融解温度が観察される。
![]() |
図3:飽和型DNA結合色素存在下での高解像度融解曲線分析を用いたヘテロ接合体の同定
(a)図1aで示した融解曲線の蛍光シグナルの蛍光値の軸に対する標準化。
(b)(a)に示したグラフを温度軸に対してシフト(総てのサンプルにおける曲線が同温度においてバックグランドレベルになるようにする)。
(c)各サンプルと野生型との間の蛍光値の差異
当社のカタログに掲載する製品は、ライフサイエンス分野の研究のみを目的としています。特に明記のない限り、診断用途目的には使用できません。カスタムバイオテック製品は、特に明記のない限り工業原料用のみを目的としています。
本ウェブサイトでは、幅広い利用者を対象とした製品情報を掲載しています。お住まいの国では利用できない製品、もしくは認可を受けていない製品の詳細情報が掲載されている場合もあります。それぞれの居住国における正当な法的手続や規制、登録、慣習法を満たしていない可能性のある情報の閲覧に関しては、当社は一切の責任を負いません。
〒105-0014 東京都港区芝2-6-1