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Valérie Fillion-Forté and Catherine Mounier
Départment des Science Biologiques, Centre de recherche BioMed, Université du Québec, Montréal, Québec, Canada
細胞及び分子生物学研究では、DNAやRNA、タンパク質などの材料を細胞内に送り込むトランスフェクションテクノロジーが有用です。多数の試薬がマー ケットに存在しますが、特定の細胞システムに適するテクニックを見出すためには注意深い研究を行わなければなりません。90年代初頭に最も効果的な試薬の 一つはDOTMA(N-[1-(2,3-dioleyloxy)propyl]-N,N,N,trimethylammonium chloride)でした[1]。この脂質は対象の分子を取り込むことの出来る陽イオン系のリポソームを形成し、細胞内に導入し放出する乗り物を形成する 能力があります[1]。この方法は簡便で再現性が高く、多くの細胞株に効果的であると報告されました。この技術を利用した多くの製品が今では入手可能で す。この成分とアデノウイルスの組み合わせは、HepG2細胞に対して20%のトランスフェクション効率を達成しました[2]。他のタイプの脂質を使用し たトランスフェクション試薬も入手可能です。しかしながら、ほとんどの試薬に含まれる非天然由来の脂質は生物的に分解されず、トランスフェクション細胞に 対する毒性の原因になります。現在では、トランスフェクション効率を上げるために天然由来の脂質が含まれています[3]。
FuGENE® HDは新しい製品です。多くの研究者が、トランスフェクションが困難と知られる多くの細胞株(昆虫細胞や白血病T細胞)で高い効率を持つと報告しています[4-6]。FuGENE® HDの効率にはいくつかのパラメーターが影響します。試薬とDNAの比率、細胞に添加するトランスフェクションコンプレックスの量、細胞のコンフルエン シー、細胞とコンプレックスのインキュベーション時間などが、使用する細胞タイプにより至適化が推奨されるパラメーターです。
ヒト肝臓癌細胞株であるATCC® HB-8065™(HepG2)はしばしば肝臓特異的な遺伝子発現調節の研究に使用されます。しかしながら、この細胞株のトランスフェクションにおける多くの制限が、一般的な化学物質や電気物理的方法を使用して報告されています[4]。それゆえ、この細胞株でのFuGENE® HDの効率を試験しました。また、鶏胚性肝細胞(CEH)でのトランスフェクション効率も試験しました。この初代培養細胞システムは、肝臓での脂質生合成研究の素晴らしいモデルとして、ここ数年使用されてきています[7]。
HepG2は4 mMのL-グルタミン(Sigma-Aldrich)を加えたMEM培地中にあること以外はATCCの推奨に従い培養を維持しました。トランスフェクションの準備として、2×106個を35-mmディッシュに播種した後、細胞をサブコンフルエントな状態に持っていき、その後にトリプシン処理しました。5% CO2中37℃でインキュベーションした3日後に、細胞は95%のコンフルエンシーに達し、トランスフェクションアッセイの準備が整いました。
CEH細胞は前述した方法で調製し[7]、35-mmディッシュに播種しました。各プレートは1.5-1.8×106個の細胞と2 mlのWaymouth培地(Sigma-Aldrich)を含んでいます。トランスフェクションは次の日に行いました。
トランスフェクション効率はサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターの制御下にあるβ-ガラクトシダーゼレポータージーンを使用して測定しました。プラスミドは最高に純粋なDNAを得るために、塩化セシウム勾配で精製しました。
CEHとHepG2細胞は上記の通りに調製しました。FuGENE® HDトランスフェクション試薬-DNAコンプレックスは血清と抗生物質不含の適切な培地中で、室温15分間で形成しました。β-ガラクトシダーゼの検出の 前に、細胞を24時間、コンプレックスの存在下でインキュベーションしました。操作法は、様々な試薬:DNA比、トランスフェクションコンプレックスの液 量、コンプレックスの形成時間の変動、細胞のコンフルエンシー、トランスフェクションされるプラスミドの比率(pBluescript/CMV- βGal)で、至適化しました。試されたすべての条件は表1と2に記載しています。市販の4種類の脂質をベースとする試薬も異なる条件下で試験し、得られ た最良の効率を図1と2に示しました。
トランスフェクションされた細胞を可視化するために、細胞を3%のフォルムアルデヒドを含むPBSで10分間固定しました。PBSによる数回の洗浄の後、細胞を、5 mlのフェリシアン化カリウム、5 mMのフェロシアン化カリウム、2 mMのMgCl2、5%のDMSO、0.02 mg/μlのX-galを含む1.5 mlの溶液中で親水化しました。その後、プレートを30℃でオーバーナイトインキュベーションし、倒立顕微鏡で観察しました。最良の試験実験条件を表す視野が図1と図2で示されています。
表1:CEH初代細胞のトランスフェクション効率のために試されたパラメーター。顕微鏡で少なくとも3種類の視野を観察することで効率を評価。
| 至適化されたパラメーター | 可変 | 効率 | 条件 |
| FuGENE® HDトランスフェクション試薬:DNA比(μl:μg) |
3:2 4:2 5:2 6:2 7:2 8:2 |
+ ++ +++ ++ + + |
40%コンフルエンシー、pBluescript:CMV-βGalの比率は1:1、コンプレックス形成時間は15分間、加えるコンプレックス量は100μl。 |
| コンプレックスの形成時間(分) |
15 25 40 |
++ + + |
20%コンフルエンシー、FuGENE® HDトランスフェクション試薬とDNAの比率を5:2、pBluescript:CMV-βGalの比率は1:1。 |
|
加えるコンプレックスの量 (μl) |
100 200 |
++ +++ |
80%コンフルエンシー、FuGENE® HDトランスフェクション試薬とDNAの比率を6:2、pBluescript:CMV-βGalの比率は1:1、コンプレックス形成時間は15分間。 |
| コンフルエンシー(%) |
5 10 15 40 |
+ + + ++ |
FuGENE® HDトランスフェクション試薬とDNAの比率を6:2、pBluescript:CMV-βGalの比率は1:1、コンプレックス形成時間は15分間、加えるコンプレックス量は200μl。 |
|
ベクターの比率 (pBluescript/CMV-βGal) |
0.5:1.5 1:1 1.5:0.5 |
++ ++ ++ |
80%コンフルエンシー、FuGENE® HDトランスフェクション試薬とDNAの比率を6:2、コンプレックス形成時間は15分間、加えるコンプレックス量は200μl。 |
表2:HepG2細胞株のトランスフェクション効率のために試されたパラメーター。顕微鏡で少なくとも3種類の視野を観察することで効率を評価。
|
至適化された パラメーター |
可変 | 効率 | 条件 |
| FuGENE® HDトランスフェクション試薬:DNA比(μl:μg) |
6:2 7:2 8:2 |
++ ++ +++ |
95%コンフルエンシー、pBluescript:CMV-βGalの比率は1:1、コンプレックス形成時間は15分間、加えるコンプレックス量は100μl。 |
| コンプレックスの形成時間(分) |
15 25 40 |
+++ ++ + |
95%コンフルエンシー、FuGENE® HDトランスフェクション試薬とDNAの比率を6:2、pBluescript:CMV-βGalの比率は1:1、加えるコンプレックス量は100μl。 |
| 加えるコンプレックスの量(μl) |
100 200 |
+++ +++ |
95%コンフルエンシー、FuGENE® HDトランスフェクション試薬とDNAの比率を6:2、pBluescript:CMV-βGalの比率は1:1、コンプレックス形成時間は15分間。 |
CEHとHeLa細胞を効率的かつ簡便にトランスフェクションする方法を確立するために、数種類のトランスフェクション試薬を試し、我々の研究室で以前に使用していたそれらの標準プロトコールでの結果と比較しました。
初代細胞株CEHに関して、5種類のパラメーターを分析しました(表1)。最初の検討では、トランスフェクションの間にベクターDNAの量を一定にしながらFuGENE® HDの量を変化させました。我々のデータではCEHには5:2の比率が至適であることが明らかになりました。それ以上に、トランスフェクションコンプレッ クスの形成にかかる時間が重要で、15分間が至適であることを認識しました(表1)。また、細胞に加えるコンプレックスの量を2倍(100μlから 200μl)にすると、トランスフェクション効率が顕著に増加しました。その他の至適化ステップは、pBluescriptとCMV-βGalの比率の変 化の影響を検証するためでした。驚くべきことに、我々のデータはトランスフェクション効率において定性的な差異を示しませんでした。それゆえ、0.5μg から1.5μgの間でpCMV-βGal、あるいは強いプロモーターの制御下の他のレポータージーンを使用したトランスフェクションは、トランスジーンの 検出に十分であろうと信じるに足る理由があります。しかしながら、CEHはニワトリの肝臓から我々の研究室で週ごとに調製した初代細胞であり、一定に維持 するのが困難なため、細胞のコンフルエンシーに顕著な変動があったことを記しておかなければなりません。そうは言っても、細胞懸濁液の段階希釈を用いて、 細胞のコンフルエンシーにおいて一定の範囲は獲得していました。結論として、FuGENE® HDトランスフェクション試薬を用いた我々の結果は、細胞のコンフルエンシーとトランスフェクション効率の間に正の相関があることを示唆しています(表1)。図1aはFuGENE® HDトランスフェクション試薬を用いたCEH細胞で至適なトランスフェクション効率を見せる視野を示しています。比較のために、その他のトランスフェクション試薬で得られた最高の結果を図1bに示します。
表2の記述の通り、これらの様々なパラメーターがHepG2を使用し、FuGENE® HDで検討されました。それぞれのケースで、2種類のパラメーターは一定で、定性的な方法でのデータ比較を可能としました。最初に、FuGENE® HDとベクターの比率を試験し、分析では8:2の比率が至適であることが明らかになりました。CEHで記述したように、トランスフェクションコンプレック スの形成時間はHepG2でも関連のあるファクターで、形成時間が25分かそれ以上でトランスフェクション効率が減少しました。最後に、トランスフェク ションコンプレックスを2倍にしたときに、効率に定量的な差異はなく、HepG2においてより多くのトランスフェクションコンプレックスを使用する必要が 無いことが示唆されました。CEH細胞での記述のように、いくつかの市販のトランスフェクション試薬も試験しました。図2は、FuGENE® HDトランスフェクション試薬を用いたHepG2細胞で至適なトランスフェクション効率を見せる視野を示しています。図2b-2dは、その他のトランスフェクション試薬で得られた最高の結果を示しています。
CEHとHepG2細胞を使用した至適化アッセイで、FuGENE® HDトランスフェクション試薬は、他の試薬に比べ、著しくトランスフェクション効率を改善しました。CEH初代細胞株における至適なトランスフェクション 条件は、80%のコンフルエンシーで培養細胞を使用し、コンプレックスの形成時間は15分間、試薬とDNAの比率を5:2、100μlのトランスフェク ションコンプレックスを加えることでした。HepG2細胞での至適条件は、細胞は95%のコンフルエンシー、コンプレックスの形成時間は15分間、試薬と DNAの比率を8:2、100μlのトランスフェクションコンプレックスを加えることでした。結論として、最少の至適化で、FuGENE® HDトランスフェクション試薬は素晴らしいトランスフェクション効率を獲得しました。
ATCC
トランスフェクションされる細胞の品質を保証するために、ロシュ・ダイアグノスティックスは、ATCCから新たに入手した低継代数の細胞株を使用することをお勧めします。www.atcc.org を訪問して、詳細をご覧ください。
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