HelpCorner - PCRに関するFAQs

Amplification コーナー

ここに記載したFAQs(Frequently Asked Questions)はオンラインFAQsから抜粋したものです。

FastStart High Fidelity PCR SystemとFastStart Taq DNA Polymeraseを用いたPCR

FAQ: FastStart Taq DNA Polymeraseの最高の感度はどのくらいですか?(PCR産物が得られる最少テンプレート量はどのくらいですか?)

HelpCorner: FastStart Taq DNA Polymeraseは、10 pgのヒトゲノムDNAをテンプレートとして、シングルコピー遺伝子(ヒトプラスミノーゲンアクチベーター;375 bp)を増幅する事が出来ます。この量はプラスミノーゲンアクチベーター遺伝子3コピー分に相当します。

FAQ: FastStart High Fidelity PCR Systemの統計的なエラー率はどのくらいですか?

HelpCorner: エラー率の定義は、Taq DNA Polymeraseと比較した場合にのみ意味を持ちます。ロシュ・ダイアグノスティックスは、ヌクレオチドの取り込みミスの相対的な数をTaq DNA Polymeraseと比較する事により、PCR酵素システムのエラー率(正確性)を定義しています。この定義により、FastStart High Fidelity PCR Systemの正確性は、Taq DNA Polymeraseの4倍であると言えます。ロシュ・ダイアグノスティックスが販売している他のPCR酵素の正確性は表1をご覧下さい。

FAQ: 私の実験におけるアンプリコンとプライマーの融解温度(Tm値)を計算したいと思います。FastStart High Fidelity PCR Systemの反応バッファー中の一価の陽イオンの塩濃度はどのくらいですか?

HelpCorner: 一価の陽イオンの最終塩濃度は10 mMです。

FAQ:マルチプレックスPCRに最適なPCRシステムはなんですか?

HelpCorner: マルチプレックスPCRに最適なPCRシステムは、FastStart High Fidelity PCR Systemです。PCR Optimization Kitで条件を最適化すれば、このシステムは0.375 ngのターゲットDNAから同時に最大18プレックス(1.8 kbまで)まで増幅できます。
PCR条件最適化の概略は、以下のとおりです。
1. 全ての個々の断片のモノプレックスPCR:まず、個々のプライマーペアでPCR(モノプレックスPCR)を行うことが重要です。このステップで全てのプライマーペアが期待される断片を増幅するか確認します。
2. 最初のマルチプレックスPCR条件の最適化は、PCR Optimization Kitの1~16番のバッファーだけで行います。
3. 最後に、バッファーと添加剤を検討します。

これら全てのステップは、ゲノムDNAをテンプレートにした場合にもcDNAをテンプレートにした場合にも同様に適用できます。cDNAをテンプレート にする場合は、Transcriptor First Strand cDNA Synthesis KitでcDNAを合成して下さい。
マルチプレックスPCRのテクニカルノートは「Step-by-Step Protocol for Multiplex PCR with FastStart High Fidelity PCR System and PCR Optimization Kit」という題名でウェブサイト(www.roche-applied-science.co/pcr)に掲載されています。このテクニカルノートは印刷版もありますので、資料請求サイト(http://www.roche-biochem.jp/prima/prima_entry/index.html)からご請求下さい。

FAQ: PCRを使ったコロニースクリーニングのプロトコールはありますか?

HelpCorner: FastStart PCR MasterはダイレクトコロニーPCRに最適なツールです。FastStart PCR Masterは、この試薬1つだけでコロニーのハイスループットスクリーニングが出来ます。テンプレートDNAを精製せずに、バクテリアを直接分析する事 が出来ます。

滅菌した爪楊枝などでコロニーを採取し、50μlの水中に加えて、95℃で5分間加熱します。次に、13,000 rpmで1分間遠心し、その上清を用いてFastStart PCR MasterでPCRを行います。

この実験の詳細なワークフローは、RNA抽出やcDNA合成、RT-PCR産物のクローニングなどを含めてバイオケミカニュースNo.101(http://www.roche-biochem.jp/biochemica/ionews_files/no_101/index.html)に掲載されています。

Long-Range PCR

FAQ: ロングPCRに最も重要なファクターはなんですか?
HelpCorner:
テンプレートDNAの状態:テンプレートDNAを剪断しない様に慎重に精製度を向上させることが重要です。
プライマーデザインが重要です。
Expand Long Range, dNTPackでは、DMSO濃度(0%、3%、6%、9%)の検討が重要です。PCR産物の収量とDMSO濃度は密接な関係を示します。
非常に稀なケースですが、増幅困難なテンプレートの場合は、更に最適化ステップが必要です。例えば、ATリッチな配列では、増幅温度を60℃まで下げます。一方、GCリッチな配列では、変性温度を96℃まで上げます。
Expand Long Range, dNTPackの更に詳細な情報は、www.long-range-pcr.comでご覧頂けます。

RT-PCR

FAQ: Expand Reverse Transcriptaseを用いた20μl反応に必要な最少量のRNAはどのくらいですか?
HelpCorner: 必要最少量は規定していません。一つの実験として、in vitro 転写で合成し精製したHCV RNAを106~103コピーまで段階的に希釈系列を作り、5×103コ ピー(26 fgに相当するコピー数)がExpand Reverse Transcriptaseを用いたRT-PCR実験でPCR産物が得られる最少テンプレート量となりました(Biochemica 1/1997, pp. 31-34)。ただし、この結果は一般論ではありません。Expand Reverse Transcriptaseの極めて素晴しい感度を示しています。一般的には、1 ng~1μgの間でターゲットごとに最少テンプレート量を検定します。

FAQ: Transcriptor Reverse Transcriptaseはターミナルトランスフェラーゼ活性を示しますか?
HelpCorner: いいえ。Transcriptor Reverse Transcriptaseはターミナルトランスフェラーゼ活性を示しません。とは言え、クレノー酵素による3'-OH末端の埋め込みのように3'末端を ラベリングすることが可能です。Transcriptor Reverse Transcriptaseはエキソヌクレアーゼ活性を持っていませんので、クレノー酵素よりも効率的に3'末端をラベリングします。

FAQ: Transcriptor Reverse Transcriptaseは、オリゴ[dT]プライマーを用いて14 kbまで、ランダムヘキサマープライマーを用いて6 kbまでのcDNAを合成できると聞いています。オリゴ[dT]プライマーもしくはランダムヘキサマープライマーを用いた場合、合成されるcDNAの平均 鎖長はどのくらいですか?
HelpCorner: Transcriptor Reverse Transcriptaseにより合成される転写物の平均鎖長は、実験的(電気泳動などで)に測定されていません。Transcriptor Reverse Transcriptaseはほぼ完全鎖長の転写物を合成するため、合成されるcDNAの平均鎖長はmRNAの平均鎖長に相当します。参考文献によると、 哺乳類のmRNAの平均鎖長は1.5~2.0 kbです。そのため、オリゴ[dT]プライマーを使用した場合、cDNAの平均鎖長は、その範囲内(1.5~2.0 kb)になります。一方、ランダムヘキサマープライマーを使用した場合、mRNA配列内に複数のプライマー結合部位が存在しますので、合成されるcDNA はmRNAより短い鎖長になります。ランダムヘキサマープライマーを使用した場合の平均cDNA鎖長は、恐らく0.5~1.0 kbになります。

リンク

更に詳しい情報は、Amplificationスペシャルインターネットサイト(www.roche-applied-science.com/pcr)をご覧下さい。また、資料請求サイト(www.roche-biochem.jp/prima/prima_entry/index.html)からPCRアプリケーションマニュアル3rd(英語版)をご請求下さい。

表:PCR用酵素一覧

BIOCHEMICA2007NUMBER1(No106)

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