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Lorraine M. King1*, Eric P. Dixon2, George H. Brough2, and Douglas P. Malinowski1
1TriPath Oncology, Durham, North Carolina, USA; 2BD Technologies, RTP, North Carolina, USA
*Corresponding author; lking@tripathimaging.com
| 製品名 | 製品番号 | 包装単位 | 希望価格 |
| RTS 100 E. coli HYキット |
3 186 148 3 186 156 |
1キット(24回反応)
1キット(96回反応) |
製品番号をクリック |
RTS(Rapid Translation System )システムは、直鎖DNA配列から効果的にタンパク質を合成する事が可能な無細胞系システムです。ここでは、RTSテクノロジーを使用したリニアエピトー プマッピングの概略が述べられています。RTSシステムを使用する事で、時間がかかるクローニングと細胞溶解のステップを省略する事が可能となります。
RTSシステムはT7RNAポリメラーゼによる転写制御下で、直鎖状DNAまたはプラスミドDNAからタンパク質を無細胞系( cell-free )で合成するものです(1)。またRTSシステムの使用により、通常の大腸菌でのタンパク質発現で時間がかかるクローニング、培養、細胞溶解ステップを省 略する事ができます。RTSシステムの使用によって、タンパク質合成にかかる時間をおおよそ5分の1にする事が可能となります(10日間を2日間に短 縮)。
ここでレポートされている新しいRTS 100 E. coliシステムの使用方法の1つが、モノクローナル抗体のリニアエピトープの確認です。これによってエピトープとして抗体が結合する部位が決定されます(2)。
Ras抗体である9D3.16のためのエピトープマッピングは以下に述べられています。Rasタンパク質は、これまでに細胞の増殖、分化、そしてアポ トーシスを制御しているものとされており、“ cell migaration”のようなプロセスに影響を与えるものとされています(4)。
Taq DNAポリメラーゼ、RTS 100 E. coli HY Kit、pIVEX-GFP、pSCREEN-1b(+)(Novagen 社製)
pSCREEN-GFPプラスミドは、EGFP-pSCREEN-s(5’-GTT TCC CTC TAG AAA TAA TTT TGT TTA ACT TTA AGA AGG AGA TAT ACA TAT GGT GAG CAA GGG CGA GGA G-3’)とEGFP-SCREEN-as( 5’CGC GGA TCC CTT GTA CAG CTC GTC CAT GCC-3’)を使用してEGFPを増幅し、調製されています。フォワードプライマーはタンパク質合成のためにRBS配列を含んでいます。増幅された PCR産物はXba IサイトとBam H1サイトでpSCREEN-1b(+)にクローニングされ、結果的にプラスミドpSCREEN-GFPが調製されています。
直鎖状発現断片は2ステップPCRで調製されています。最初の1st PCRで、オーバーラップ領域と呼ばれる配列をターゲットDNA断片の両端に付加します。このオーバーラップ領域配列はpSCREEN-GFP断片中の一部と同じ配列で、この部分を利用して2nd メガプライミングPCRが行われます。メガプライミング PCRは、大きなDNA断片をPCRで相同配列部分を持つ小さなDNA断片に付加するものです(図1)。3’末端は、2nd PCRの初期の段階で伸長され、メガプライミング法によってGFPがターゲット遺伝子またはトランケートされた遺伝子に付加されています。GFPはRTS での様々な遺伝子断片の安定的なタンパク質合成を行うためのフュージョンパートナーとして使用されています。このメガプライミングPCRの場合、最初の PCR用の断片サイズは1,000 bp以下の方が安定的な結果が得られるようです。より大きい断片の場合、2nd PCRメガプライム反応では明確なシングルバンドが得られない場合があるようです。一度、遺伝子中の定まった領域中でエピトープが同定された場合、第二回目、三回目のエピトープマッピングはメガプライミングを使用して行われています。
メガプライミングで使用される断片は、RBS配列-GFP配列を含んだアップストリーム断片(765 bp)とターミネーター断片(114 bp)が使用されています。これらの断片は、pSCREEN-GFPプラスミドをXba I/ Bam HIとXho I/Bspe Iで、制限酵素処理を行いそれぞれ分離されています。RBS-GFP配列を含んだアップストリーム断片はメガプライミングに使用されていますが、T7プロ モーター配列は含まれておらず、この段階で得られる増幅断片にもT7プロモーター配列は含まれておらず、GFPとターゲット遺伝子のみとなります。最終的 にT7プロモーター配列を含むセンスプライマーとT7ターミネーター配列を含むアンチセンスプライマーで両端から増幅され、完全長の直鎖状テンプレート DNAが増幅されます。
メガプライミングのためのPCR条件は3分間95℃でのプレインキュベーション、95℃で30秒、50℃で60秒、62℃で60秒を35サイクル後、62℃で10分間の伸長反応が行われています。
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図1:メガプライミングPCRのテクニックの応用
リニア発現断片は2ステップPCRによって合成されています。1st PCRでターゲット遺伝子の両端にオーバーラップ領域が付加され、2nd PCRの初期段階で、このオーバーラップ領域持っているDNA断片同士がハイブリダイズし、最終的には一番外側のオリゴプライマーによって完全長のDNA断片は増幅されます。
1,000 bp以上の大きな遺伝子に関してはメガプライミングの代わりにpSCREEN-GFPへのサブクローニングが行われています。この場合、増幅されたターゲット遺伝子DNAまたはトランケーション遺伝子DNAは、5’末端はBam HIで、3’末端Xho Iで制限酵素処理され、pSCREEN-GFPに直接クローニングされています。
調製されたGFPフュージョンDNAは、RTS 100 E. coli HY kitを使用したRTS反応でのタンパク質合成用のテンプレートDNAとして使用されています。RTS反応後(添付の使用説明書に従って反応は行われてい ます。)、反応溶液のアセトン沈澱が行われ、変性ポリアクリルアミドゲルへ直接ロード後、ウエスタンブロットが行われています。
SDS-PAGEはLaemmli(5)の方法に従って行われています。すべてのサンプルは1x Nupage LDSサンプルバッファー中で20 mM DTTで処理され、10分間70℃で熱処理されています。セルライセートは4-12%Bis Tris(MES)ゲルにロードされています。分離後、メーカーのガイドラインに従ってタンパク質はニトロセルロースメンブレンにトランスファーされ、ブ ロッキング後、メンブレンは9D3.16マウス抗体存在下で1時間反応が行われ、goat anti-mouse-AP(1:1,000)で1時間反応されています。最終的に可視化はwestern blueで行われています。
ras遺伝子は1,000 bp以下のサイズであり、メガプライミング法とRTS 100システムを使用してのエピトープマッピングの理想的なものです。遺伝子はオーバーラッピング領域(1)、(1-2)、(1-3)、(1-4)と (2-4)GFPフュージョンシステム、メガプライミング法を使用し増幅されています(図1)。エピトープは最初のマッピング(RTS反応後、ウエスタン ブロットで検出)で、N末端48アミノ酸領域(領域1)に局在している事が確認されました(ウエスタンデータは示されていません)。
エピトープマッピングの2回目は、このN末端領域で行われています。領域M1-G48はオーバーラップしているN末端ペプチド(14アミノ酸)を含む3つに分けられて調製され、GFPフュージョンタンパク質として(A)M1-I24、(B)G12-I36、(C)Q25-G48の領域が合成されています。9D3.16マウス抗体でのウエスタンブロットの結果は図2a、GFP抗体を用いた場合の結果は図2bのようになっています。図2aのウエスタンブロットの結果より、エピトープは断片BとCの部分に位置している事が確認されました。
三回目のエピトープマッピングはQ25-I36の間のアミノ酸領域のペプチドで行われています。9D3.16マウス抗体を使用したウエスタンブロットの結果(図3a)とGFP抗体(図3b)の結果より、V29-I36領域のアミノ酸残基が抗体に対するコアのエピトープである事が示されています(図3)。このエピトープはRasのエフェクター領域(Y32-Y40) とオーバーラップしており、かつ、この部分は、プロテインキナーゼRaf 1(6)との相互作用での“mitogenesis”を制御する部分です。Rasタンパク質ファミリーは(H,KそしてN Ras)は大変高いアミノ酸配列のホモロジーを持っています。エピトープV29-I36はこの全ての3種類のRasファミリーメンバー中に保存されており、この抗体を用いたウエスタンブロットでは全てシグナルが検出されています(データ未掲載)。
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図2:HRasのN末端領域中での9D3.16クローンの局在
HRasのN末端ドメイン(この部分は、最初のエピトープマッピングで確認されています。データ未掲載。)この実験でM1-G48の領域の内、オーバーラップしたN末端ペプチド(14アミノ酸)を含んだ3つのペプチドを合成するためにGFPフュージョンシステムを使用しています。ペプチドは、(A)M1-I24、(B)G12-I36、(C)Q25-G48です。
(a)9D3.16マウス抗体を使用したウエスタンブロットの結果
(b)GFP抗体を使用したウエスタンブロットの結果
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図3:アミノ酸Q25-I36間の異なるペプチドの合成のためにGFP-フュージョンシステムは使用されています。
ペプチドは: A: Q25-I36、B: Q25-T35、C: Q25-P34、D: Q25-D33、E: H27-T35、F: N26-T35、G: V29-T35, H: N26-P34。(a)9D3.16マウス抗体と(b)GFP抗体を使用したウエスタンブロットの結果より、この9D3.16抗体のコアのエピトープはV29-I36である事が確認されています。
我々のウエスタンブロットのデータは、9D3.16マウスRas抗体のコアエピトープがV29-I36のアミノ酸残基である事を示しています。この9D3.16のエピトープを確認することは、RTS 100 E. coli HY Kitとメガプライミング法を使用した場合、6日間で行う事ができています。これまで行われていた一般的なエピトープマッピング法の場合、6週間が必要で す。RTSシステムを使用する大きな利点としては、通常時間が必要とされるクローニング、トランスフォーメーションや細胞培養の手間を省き、リニアテンプ レートDNAとセルフリーの反応を使用する事で、迅速にエピトープマッピングを行う事が可能となります。
BIOCHEMICA2006NUMBER4(No105)
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