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Stephanie Wessner and Barbara Rüger
Roche Applied Science, Penzberg, Germany
*Corresponding author; Barbara.rueger@roche.com
| 製品名 | 製品番号 | 包装単位 | 希望価格 |
| Expand Long Range, dNTPack |
4 829 034 4 829 042 4 829 069 |
175 U (50回反応)
700 U (200回反応) 3,500 U (1000回反応) |
製品番号をクリック |
ゲノムマッピングやシークエンス、コンティグ構築において、5 kb以上のロングPCRがよく行われます。ロングPCRはキャラクタリゼーション、クローン配列の分析、出発材料としてcDNAを用いたゲノムDNA由来の完全な遺伝子のクローニングと迅速同定に必要です。
鎖長の長いPCR断片の合成は、しばしば困難です。多くの場合、鎖長の長いPCRの障害を避けることができず、いくつかの短い鎖長に分割してPCRが行われます。そのため、予めロングPCRに最適化されたPCRシステムは有用です。
新製品のExpand Long Range, dNTPackを用いることで、多大な労力を要するPCRステップの最適化が不要になります。多くの時間を要するステップは除かれ、所要時間は最小限になります。一方、反応バッファー(MgCl2含む)と反応バッファー(MgCl2不含)、MgCl2ス トック溶液、DMSOを添付していますので、フレキシビリティも併せ持ちます。必要であれば、これらのコンポーネントを用いてPCR反応条件を変更するこ とができます。そのため、Expand Long Range, dNTPackは、すべてのロングレンジPCRに最適なツールなのです。
ひとつの酵素ブレンドと2種類の5×濃度反応バッファー(MgCl2含とMgCl2不含)、25 mM MgCl2ストック溶液、100% DMSO、高純度dNTPミックスが含まれます。
最も重要なコンポーネントは独自の酵素ブレンドです。このブレンドは高い反応性と高い収量、Taqの3倍の正確性を示します。
マグネシウムを含むバッファー中の最適化されたMgCl2濃度は、すべてのサイズの断片に適応します。そのため、ほとんどの場合、MgCl2濃度を最適化する必要がありません。特殊なアプリケーションや、従来のExpand Long Template PCR Systemで行っていた反応をExpand Long Range, dNTPackに移行する場合は、MgCl2を含まない反応バッファーと25 mM MgCl2ストック溶液を用いてMgCl2濃度を調整します。
独自の酵素ブレンドと専用のバッファー条件の組み合わせにより、DMSOを添加するだけで多くのアプリケーションが増幅可能となります。すべてのアプリケーションで最適な反応条件にするには、DMSO濃度を調整します。
ロングPCRにおいて、使用するdNTPsの品質は非常に重要です。最高のパフォーマンスを確立するため、Expand Long Range, dNTPackには特別に合成・精製されたPCRグレードヌクレオチドミックスが用いられます。このヌクレオチドミックスは、PCR阻害物質を100%含 まず、一貫して99%以上の純度を示します。この品質により、PCR反応の初期に増幅反応が止まることはありません。
GC/AT含量や高次構造、テンプレート特性など、多くのパラメーターはロングPCRに影響を及ぼし、PCRを失敗させる可能性があります。そのため、 すべてのロングPCRの総合的な解決法は簡単には見つかりません。しかしながら、新製品Expand Long Range, dNTPackは、PCR条件の最適化の必要性を最小限にします。
Expand Long Range, dNTPackの規定の品質管理には、Expand Long Range, dNTPackがカバーする全範囲のアンプリコンサイズ5.1 kb、12 kb、15 kb、25.6 kbの4つのPCRが行われます。これら品質管理用PCRの結果は図1に示しました。
添加したテンプレートDNAと収量の比率は、各プライマー/ターゲット配列/テンプレート領域の特性に大きく影響されます。ATリッチやGCリッチな伸 展配列を含む複雑なゲノムDNAの長鎖断片などの困難な領域のPCRでは、増幅が簡単な配列(複雑でなくGC含量が一様など)のPCRに比べてより多くの テンプレートDNAが必要になります。一般的に、長い断片のPCRよりも短い断片のPCRの方が高収量になります。15 kb以上の断片の増幅では、テンプレートの精製度が非常に重要になります。
トウモロコシゲノムDNA由来の12 kbのPCRは、DMSO濃度の最適化の重要性を知る良い例です。このシステムはDr. C. PeterhänselとRWTH Aachenにより規定されました。この断片は標準プロトコールを用いて、最終濃度9% DMSOで増幅されました。しかし、DMSO濃度0%、3%、6%のPCR反応では、産物は得られませんでした(図2)。
Expand Long Range, dNTPackの高感度を証明するため、マウスゲノムDNA由来の14.8 kbのβ-グロビン断片が増幅されました(図3)。明確なバンドを得るためには、5 ngもあれば十分です。一方、過剰量のDNAが阻害的な効果を及ぼすことは明白です。これらの効果は、テンプレートの品質や純度、増幅断片の特徴などの様 々な影響に依存します。そのため、テンプレートの最多量および最少量は、個々に決定しなければなりません。
まず、プライマーの選択から始めます。これはPCRを成功させるために必須のステップです。アニーリング温度は60℃前後もしくはそれ以上に設定しま す。プライマーのGC含有率は45~65%の間に設定します。また、プライマーダイマーを形成しないこと、目的以外の配列に相同性を持たないことは非常に 重要です。
もう一つの重要なステップは、テンプレートDNAの調製です。テンプレートDNAが調製中に剪断されてしまった場合、長鎖DNAの増幅は不可能になりま す。また、テンプレートDNAに阻害物質が含まれる場合、増幅は失敗します。そのため、剪断に注意しながら可能な限り精製することが必要です。
PCRは、最初は推奨する標準プロトコールに3%のDMSOを加えて行います。このDMSO濃度は、ベンチマーク比較分析において最良の結果を示しまし た。反応溶液を調製する際には、バッファーが完全に溶解していること、15%以上のDMSO溶液は室温以上を保っていることを確認します。
万一、標準プロトコールが失敗した場合、DMSO濃度を0~12%の間で最適化します。PCR産物の収量は最適なDMSO濃度と密接に関係します。最適なDMSO濃度は増幅断片のGC/AT含有率に強く依存し、さまざまに変化します。
高度に複雑なテンプレート配列では、さらに最適化が必要になります。ATリッチ断片では伸長温度を60℃に下げることが有用になります。また、GCリッチ断片では変性温度を96℃に上げることが有用です。
新製品のExpand Long Range, dNTPackは、ロングPCRにおいてフレキシブルで強力な信頼できるPCRシステムです。専用のバッファー構成により、多くのテンプレートは最適化不 要で増幅できます。一部の特殊なケースで必要な最適化ステップは、非常に簡略化されています。幅広いアプリケーションで満足のいく結果が簡単に得られま す。
製品説明書や詳細情報はウェブサイトからご覧ください。
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図1規定の品質管理反応の代表的な結果
ヒトゲノムDNAからすべての断片が増幅されました。
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図2 DMSO濃度に依存した収量
250 ngのトウモロコシゲノムDNAから様々なDMSO濃度(0%、3%、6%、9%)で12 kb断片を増幅しました。
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図3 Expand Long Range, dNTPackはゲノムDNAで高感度を示しました。
マウスゲノムDNAから14.8 kbのβ-グロビン断片を増幅しました。
BIOCHEMICA2006NUMBER4(No105)
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