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Maria Manifava
Department of Signalling, Babraham Institute, Cambridge, UK
外来分子を細胞内に効率的に導入する能力は、遺伝子調節やタンパク質機能を研究している多くの研究室や研究機関にとって重要なツールとなっています。多くのトランスフェクション法が、DNAを哺乳類や動物細胞にトランスフェクションするために開発されてきました。
これらのトランスフェクション法はそれぞれ利点と欠点を併せ持つため、すべてのトランスフェクション法が有用であるとは考えられません。“完全な”方法 とは、以下の要求を満たすものと考えられます;高いトランスフェクション効率、低細胞毒性、高い再現性、広い細胞タイプでのトランジェントとステーブル両 方のトランスフェクションの能力、操作が簡便で低コスト。
我々の研究室では、数年間にわたりほとんどすべてのトランスフェクション法を使用してきました。多くの脂質ベースの試薬を試し、幅広い細胞株やDNAレ ポーターを使用した時、FuGENE 6が最も信頼性が高いということを見出しました。最近、我々はFuGENE 6の新バージョンであるFuGENE HDを試験しました。我々は、哺乳細胞と昆虫細胞を使用し、2種類のDNAレポーター、“易しい”および“困難な”DNAで実験を行いました。 FuGENE HDは非常に強力な試薬で、特に発現の困難なDNAレポーターにおいてより高いトランスフェクション効率を保証しました。
HEK 293細胞:ヒト胎児性腎臓細胞を95%の湿度と5% CO2中37℃で、10%のウシ胎児血清を含むDMEM中で増殖しました。
PAE細胞:ブタ大動脈内皮細胞は10%熱非動化血清を含むF12-HAM中で増殖し、HEK 293と同じ条件で維持しました。
ショウジョウバエS2シュナイダー細胞:細胞は10%熱非動化血清と1% 抗生物質を含むShield and Sang昆虫培地で増殖し、25℃で維持しました。
哺乳細胞はトランスフェクションの日まで、カバースリップ上でサブカルチャーしました。トランスフェクション当日の細胞は50%のコンフルエントでした。S2細胞は6ウェルプレートでサブカルチャーし、コンフルエントは90%でした。
コンプレックスは、pCMV3 GFP PLD1[1]、pEGFPC2 GFPSK1[9]、pRMHA3 mycタグドロソフィラ、PLD[DPLD、未発表]の様々なコンストラクトのシリーズで、FuGENE 6とFuGENE HDを使用して形成しました。脂質とDNAの比率は3:1(GFPSK1)から3:2(GFPLD)、6:3(DPLD)まで変動させました。コンプレッ クスの形成には18分(FuGENE 6)と40分(FuGENE HD)、放置しました。コンプレックスは無血清培地中で形成しました(FuGENE HDはOPTIMEM、FuGENE 6は10 mM HEPES-NaOHを含むDMEM、pH 7.2)。形成の後、コンプレックスを細胞上に拡散させました。発現時間は22時間(GFPSK1)から30時間(GFPPLD)で、DPLDでは 650μM CuSP4によるメタロテイニンプロモーターを誘導する24時間を含め48時間でした。固定と染色の前に、伸展させるために1時間、コンカナバリンAをコートしたカバースリップにS2細胞を播種しました。
細胞をPBSで洗浄し、200 mM HEPES、pH 7.2中の3.7%フォルムアルデヒドで固定しました。残存するフォルムアルデヒドを除去するためにDMEM中で細胞を洗浄しました。染色が必要なサンプ ルは、更なる0.25% NP-40を加えたNET GEL(150 mM NaCl、5 mM EDTA、50 mM Tris-Cl、pH 7.4、0.05% NP-40、0.25% ゲラチン、0.02% アジ化ナトリウム)中で浸透化しました。マウスハイブリドーマmyc抗体はmycタグDPLD検出に使用しました。最終的に、カバースリップを脱イオン水 中で洗浄し、Aqua Polymountを使用してガラススライドにマウントしました。サンプルはZeiss Axiophotで可視化し、イメージはSPOTデジタルカメラで捕捉しました。
FuGENE HDのトランスフェクション効率を直接試験するために、数種類の動物細胞株をトランスフェクションしました。我々がルーチン的に使用し、哺乳類と非哺乳類 遺伝子からの幅広いタンパク質の発現をサポートする信頼性のある生物学的機構であるため、HEK 293細胞が第一の選択肢でした[10]。このケースでは、GFPPLD1が以前の条件を使用してトランスフェクションされました。コントロールとして、 同じ細胞をFuGENE 6を使用して、ここ数年間で色々な細胞株(COS7, CHO, HEK, RBL, RAW264.7, PAE)で成功している条件でトランスフェクションを行いました。図1に示した通り、FuGENE 6に比べFuGENE HDではより多くの細胞が、このコンストラクトを発現していました。位相差顕微鏡図(図1、下のパネル)は、各フィールドで同様の細胞数を示しています。 同じトランスフェクション条件を他の細胞タイプであるPAE細胞で使用しました。再び、図1に見えるように、FuGENE HDはFuGENE 6に比べより大きな発現でした。前者の効率は良好で50%以上でしたが、後者ではほとんど検出不能でした。これらの細胞の両方が同じ試薬を用いて、 GFP-SK1コンストラクトでトランスフェクションされ、非常に高いトランスフェクション効率を示しました(データ不掲載)。我々は、今までの経験か ら、SK1コンストラクトはよく発現するが、PLD関連のコンストラクトは困難な発現物であることを知っていました。
これらの結果から、FuGENE 6とFuGENE HDはそれぞれ有用ですが、新しいFuGENE HDは、挑戦的な発現研究に、より優れていると判断できます。試薬Lなどの高効率のトランスフェクション試薬と比べても、このことは真実です。 FuGENE HDと試薬Lは、困難なコンストラクトにおいて同様の高い効率を示しますが、FuGENE HDの優位性としては非常に低い細胞死と、試薬Lのように初期の細胞密度に敏感ではないことです。
S2シュナイダー細胞を6ウェルプレートに播種しました。3種類のコンプレックスを二つのFuGENEトランスフェクション試薬:DNAで同じ比率に、 様々な無血清培地中で調製しました。FuGENE:DNA比は最終的に6:1が有用でした。チェックされた様々な無血清培地は、Shield and Sang M3、ドロソフィラSFM、OPTIMEMでした。コンプレックスは、細胞の播種の1時間以内に細胞上に拡散しました。OPTIMEMを使用したときに、 2種類のトランスフェクション試薬で最大の効率が得られました。図1に見えるように、FuGENE HDを使用したとき、FuGENE 6と比較して、そのトランスフェクション効率は少なくとも2倍でした。効率は困難な発現物(DPLD)で評価されました。これは、FuGENE 6よりもHDが優れているとの観察を検証しています。上記の実験のどれにも細胞毒性の兆しが観察されなかったことは特筆すべきことです。哺乳細胞でのコン フルエンシーは30-60%の変動で、ショウジョウバエ細胞では60-90%のコンフルエンシーでした(データ未掲載)。
FuGENE HDトランスフェクション試薬は大変穏やかですが、効率的なトランスフェクション試薬です。これは特に有用な二つの性質を併せ持っています:コンフルエン シーが50%以下でも、細胞死を起こさず、幅広い細胞株で高いトランスフェクション効率を持っています。困難な発現物に特に有用で、最近ではこれを使用し て、プラスミドベースのRNAi研究を効率的に開始しました。
上述のケースでは、FuGENE HDはFuGENE 6よりも優れています。ただFuGENE 6は、FuGENE HDでは試験されていない幅広い細胞株のトランスフェクションのための最適の試薬です。
| 関連製品名 | 製品番号 | 包装単位 | 希望価格 |
|---|---|---|---|
| FuGENE 6トランスフェクション試薬 |
1815091 1814443 1988387 |
0.4 ml 1 ml 5×1 ml |
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図1:FuGENE HDとFuGENE 6トランスフェクション試薬を使用した3種類の細胞株の免疫蛍光。 すべてのパネルで、細胞密度を比較するために、位相差顕微鏡の図を提供しています。 |
BIOCHEMICA2006NUMBER3(No104)
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