X-tremeGENE siRNAトランスフェクション試薬:miRCURY Knockdown Probe によるヒト細胞中miRNAのアンチセンス阻害のための強力なツール

Gene Knockdown コーナー

Manfred Watzele and Marcus Schmid
Roche Applied Science, Penzberg, Germany

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製品名 製品番号 包装単位 希望価格
X-tremeGENE siRNA
トランスフェクション試薬
4476093
4476115
1ml
5×1ml
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イントロダクション
 マイクロRNA(miRNA)は、mRNAの安定性や翻訳効率を調節する、19-25ヌクレオチドよりなる内在性のRNA分子の一分類です。成熟した miRNAはDroshe [1]やDicer 「2, 3」などのRNaseのシークェンシャルな作用により、長いヘアピン転写産物より生成されます。miRNAの発生は植物から哺乳類までの真核生物で起こり ます[4]。

 miRNAのsiRNAシークェンスへの相補性分析に基づくと、それぞれの脊椎動物のmiRNAは平均200個のmRNA分子をターゲットとし、ヒト遺伝子の30%がmiRNAによりポスト転写的に制御されていることが示唆されています[5, 6]。

 ますます増加する論文で、細胞増殖や発育、分化、アポトーシスなどの様々な調節機構における、miRNAの関与が記述されています[7]。これらは発ガ ンの過程にも関与しています。miRNAはしばしば、癌関連ゲノム部位に局在し、変異したmiRNA発現パターンが、多くのヒト癌細胞で記述されています [8-10]。

 miRNAの発現レベルとそれらの機能活性の影響を測定するために、様々な種類のオリゴヌクレオチドが使用されてきました。オリゴヌクレオチドを改質し たロックド核酸(LNA)は、アンチセンス分子の最新の世代であり、ターゲットmiRNAへの前例のない親和性を提供します[11]。LNA-修飾オリゴ ヌクレオチドの高い特異的結合は、in situハイブリダイゼーション実験において、ゼブラフィッシュ エンブリオ中の115種類のmiRNAの時間的、空間的発現パターンの特性を明らかにしました[12]。最近、細胞増殖やアポトーシスイベントでの、ある 種のヒトmiRNAの潜在的な関与が、2'-O-メチル修飾オリゴヌクレオチドを使用して観察されました[13]。その高い親和性と特異性を別にしても、 LNA修飾オリゴヌクレオチドは血清中で大変に安定です。それゆえ、我々はmiRNAアンチセンスの研究にLNA修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドを使 用することを決定しました。
 
材料と方法
材料
 h-mir 7(#118197)、h-mir 21(#138102)、h-mir 204(#118098)、h-mir 214(#138107)、h-mir 218(#118111)に対する、LNAモノマーを含むアンチセンスオリゴヌクレオチド(miRCURY Knockdown Probes)はExiqonより提供を受けました。これらのオリゴヌクレオチドのシークェンスはmiRNAレジストリで発表された成熟miRNAシー クェンスのアンチセンスコピーと一致しています[14]。

X-tremeGENE siRNAトランスフェクション試薬による
HeLa細胞のトランスフェクション

 HeLa細胞(ECACC #93021013)は、2mMグルタミン、1×非必須アミノ酸、10%FCSを含むMEM培地で増殖しました。トランスフェクションの1日前に.は 30%でした。トランスフェクションコンプレックスは以下の通りに調製しました:0.3μlのX-tremeGENE siRNAトランスフェクション試薬と5 pmolのLNAオリゴヌクレオチドをそれぞれ別個に、15μlのOpti-MEM中で希釈、混合し、室温で15分間インキュベートします。30μlのト ランスフェクションコンプレックスを細胞に加えます。24時間のインキュベーション後、新しい培地を細胞に加え、更に48時間増殖させます。

 第2の実験では、0.8μlのトランスフェクション試薬と、h-mir 204に対する11 pmolのLNAオリゴヌクレオチドを含む、より高濃度のトランスフェクションコンプレックスを試験しました。

カスパーゼアッセイ
 活性化システイン-アスパラギン酸プロテアーゼ(カスパーゼ)の発生は、アポトーシスの初期ステップを示唆します。ホモジニアスカスパーゼアッセイは、 サンプル中のカスパーゼの活性に応じて蛍光基を遊離する、蛍光性ペプチド基質を含んでいます。カスパーゼアッセイはトランスフェクションの72時間後に行 い、トータルのカスパーゼは使用説明書どおりに行いました。細胞は溶解および基質添加の前に、トリプシン処理し、PBSバッファー中で洗浄しました。

細胞増殖アッセイ
 細胞増殖は、トランスフェクションの3日後に、細胞増殖試薬WST-1を使用して測定しました。WST-1は、代謝的に活性な細胞により強い発色を呈す る成分に変換される、テトラゾリウム塩です。その発色強度は、代謝活性と直接に相関します。ウェル内の溶液の10%の容量を加え、1時間インキュベートし ました。吸光度は培地を対照(リファレンス波長は690 nm)に437 nmで測定しました。同じウェル内の細胞数を顕微鏡下でカウントしました。

アネキシン染色
 後期のアポトーシスの結果として起こる膜の変化は、トランスフェクションの3日後にアネキシンV-FLUOS染色キットを使用して測定しました。ホスファチジルセリンを細胞表面に暴露しているアポトーシス細胞を染色し、次にFACS分析で検出しました。
 
結果と討論
HeLa細胞でのヒトmiRNAのサイレンシング
 ヒトmiRNAに対する2'-O-メチル修飾アンチセンスインヒビターの幅広いパネルが、様々な細胞株での増殖阻害を試験されてきました。このパネルか ら、我々は細胞増殖あるいはカスパーゼの活性化に効果を示した、5種類のアンチセンスオリゴヌクレオチドを選択し、LNA修飾バージョンを注文しました。 こららのLNA修飾オリゴヌクレオチド(miRCURY Knockdown Probes)を、HeLa細胞にトランスフェクションしました。72時間後に細胞数、増殖率、カスパーゼ活性、膜の再編成レベルを測定しました。図1に 見えるように、h-mir 7とh-mir 204に対するアンチセンス分子は増殖率の減少を提示し、h-mir 21に対するアンチセンスは増殖率をある程度増加させました。h-mir 214と218に対するアンチセンスは、スクランブルオリゴヌクレオチドや未トランスフェクション細胞に比べて、増殖率に対する効果はありませんでした。 h-mir 7、h-mir 204、h-mir 21に対するLNA修飾オリゴヌクレオチドでの現象は、2'-O-メチル修飾アンチセンスインヒビターでの結果と同一でしたが、h-mir 214とh-mir 218に対するLNA修飾オリゴヌクレオチドでは異なりました。これはh-mir 214とh-mir 218に対する2'-O-メチル修飾アンチセンスインヒビターで、増殖率に影響が与えられなかったという、我々のHeLa細胞の挙動が僅かに異なるためと 考えられます(データ未掲載)。

 トランスフェクション細胞のカスパーゼ活性は、ホモジニアスカスパーゼアッセイを用いて試験されました。細胞数による差異を補正するために、得られた値 をWST-1で較正しました。結果を図2に示します。h-mir 214、h-mir 218、h-mir 21に対するmiRCURY Knockdown probeはカスパーゼレベルに影響せず、h-mir 7とh-mir 204に対するアンチセンスインヒビター処理によりカスパーゼ活性は上昇しました。これは、これらのmiRNA種がアポトーシスの開始からHeLa細胞に 保持され、これらのmiRNAのノックダウンが、カスパーゼの活性化のようなアポトーシスイベントを開始させることを示唆しています。

 この効果を更に分析するために、2種類の異なる濃度のトランスフェクションコンプレックスを用いて、h-mir 204に対するmiRCURY Knockdown probeで実験を繰り返しました。再度、細胞増殖率と細胞数に関する強い効果が見られました(図3)。細胞数は、WST-1アッセイで測定した細胞増殖 率とよく相関していました。高濃度下では、総細胞数はコントロール(未トランスフェクション細胞とスクランブルオリゴヌクレオチドでトランスフェクション した細胞)の半数以下でした。再度、最も高い濃度で、3倍以上の上昇に達するカスパーゼ活性の高い増加が見られました(図4)。

 我々はまた、後期のアポトーシスステップである細胞表面へのホスファチジルセリンの暴露の有無を、トランスフェクション細胞で分析しました。これはフル オレセイン標識アネキシンVで測定しました。35%の細胞が膜の変化を示していました(図5)。これはh-mir 204がHeLa細胞の増殖を調節し、アポトーシスへの突入から細胞株を保護しているという見方を支持します。
 
結論
 最近発見されたmiRNAは既知の調節因子の新しい段階を付加し、我々の遺伝子調節の見方を変化させました。それらの生物的機能を説明するために、様々 な細胞株でのmiRNAのレベルを操作することは興味深いことです。我々は、X-tremeGENE siRNAトランスフェクション試薬が、細胞株へのアンチセンス分子の移送に優れたツールであることを示しました。LNA拡張miRCURY Knockdown probeは大変低い濃度でも作用し、たいへん特異的なターゲットの認識を示すため、毒性のある顕著な副次効果がありません。上述の技術を組み合わせるこ とで、我々はHeLa細胞の増殖における様々なmiRNAの役割を指し示しました。

リファレンス
  1. Lee Y et al.(2003)Nature 425:415 419
  2. Hutvagner G et al.(2001)Science 293:834 838
  3. Ketting RF et al.(2001)Genes Dev 15:2654 2659
  4. Bartel DP(2004)Cell 116:281-297
  5. Krek A et al.(2005)Nat Genet 37:495 500
  6. Lewis BP et al.(2005)Cell 120:15 20
  7. Ambros V(2004)Nature 431:350 355
  8. Calin GA et al.(2004)Proc Natl Acad Sci USA 101: 2999 3004
  9. He L et al.(2005)Nature 435:828 833
  10. Lu J et al.(2005)Nature 435:834 838
  11. Kurreck J(2003)Eur J Biochem.270:1628 1644
  12. Wienholds E et al.(2005)Science 309:310 311
  13. Cheng AM et al.(2005)Nucleic Acids Res 33:1290 1297
  14. Griffiths-Jones S(2004)NAR 32(Database issue): D109-D111


 miRCURY Knockdown probeの詳細は:www.exqon.comを訪問してください。
 
図1:様々なmiRNAに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドをトランスフェクションしたHeLa細胞の増殖率を細胞増殖試薬WST-1で測定しました。
図2:様々なmiRNAに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドをトランスフェクションしたHeLa細胞のカスパーゼレベルをホモジニアスカスパーゼアッセイで測定しました。
図3:miRNA 204に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドをトランスフェクションしたHeLa細胞の増殖率を細胞増殖試薬WST-1で測定しました。
図4:miRNA 204に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドをトランスフェクションしたHeLa細胞のカスパーゼレベルをホモジニアスカスパーゼアッセイで測定しました。
図5:様々なmiRNAに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドをトランスフェクションしたHeLa細胞をアネキシンV-FLUOS染色キットで染色しました。

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関連製品名 製品番号 包装単位 希望価格
細胞増殖試薬WST-1 1644807 2500テスト ←製品番号をクリック
アネキシンV-FLUOS
染色キット
1858777
1988549
50テスト
250テスト
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ホモジニアスカスパーゼアッセイ 3005372
2236869
100テスト
1000テスト
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BIOCHEMICA2006NUMBER2(No103)

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