NEW: MagNA Pure Compact RNA Isolation Kit (Tissue):哺乳動物組織からのトータルRNAの自動分離精製

Gene Expression コーナー

Agnes Aschenbrenner, Irene Huber, Elke Holzner, Werner Malmberg, Klaus Geibler, Nera Nieswandt, Walter Eberle, and Thomas Kirschbaum*

Roche Applied Science, Penzberg, Germany

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MagNA Pure Compact RNA Isolation Kit (Tissue) 4643542 32回

分離精製用
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イントロダクション

MagNA Pure Compactシステム用に新しく開発したMagNA Pure Compact RNA Isolation Kit (Tissue)は、10 mgまでの哺乳動物組織から高純度なトータルRNAを分離精製できます。分離精製されたトータルRNAは、遺伝子発現の研究におけるライトサイクラーある いは他のPCR装置による高感度な定量的RT-PCR解析や、アレイのアプリケーションに適しています。このReady-to-useのキットには、充填 済み試薬カートリッジやDNase、組織溶解バッファー、そして必要となる消耗品がすべて揃っています。核酸分離精製の全工程はMagNA Pure Compact装置において全自動で遂行されます。

この新しいキットの試薬とプロトコールは哺乳動物組織からRNAを高収量で得られるよう最適化されています。8サンプルまでの抽出であれば、約38分で終了します。溶出容量は50 μlまたは100 μlに設定できます。

ここでは、マウスあるいはヒト組織(表1)についてキットのテストを行い、RNAの完全性、収量、純度、再現性、スケーラビリティー、クロスコンタミネーション、溶出液の安定性、他の手法と比較したパフォーマンスに関して評価しました。

 

表1: 種々のサンプル材料からのRNA収量。RNAは材料と方法で記述されているように10 mgの組織から分離精製され、解析されました(CV、変動係数)。



サンプル材料 RNAの収量

(μg)
純度

(OD260 nm/

OD280 nm
CV値

(%)
CV RT-PCR

(%)
複製の数
マウス肝臓 42.2 1.99 9.1 1.1 24
マウス脾臓 57.5 1.97 8.7 1.4 8
マウス肺  11.6 2.03 14.9 2.3 8
マウス心臓 9.2 1.97 13.7 1.2 8
ヒト胎盤  12.7 2.10 3.8 1.1 8
ヒト大腸  14.9 2.05 10.3 0.9 8

定量

材料と方法

組織サンプル

組織サンプルのライセート(溶解産物)は、新鮮凍結切片に組織溶解バッファーを加え、MagNA Lyser装置で破砕して調製しました。1回の分離精製につき、10 mgまでのホモジナイズした組織ライセートを一定の液量350 μlで使用しました。組織ライセートは、多目のサンプル材料量からも調製し、適切に希釈した後、-70℃で最大3ヶ月保存しました。

MagNA Pure Compact装置によるRNA分離精製

MagNA Pure Compact RNA Isolation Kit (Tissue) の試薬カートリッジをバーコードリーダーで読み取り、カートリッジラックに差し込みます。チップトレイ、DNaseチューブ、組織ライセートの入ったサン プルチューブを、それぞれのラックポジションに置きます。スキャンを終えたバーコード付溶出チューブを溶出チューブラックに置きます。その後、200 μlの磁性ガラス粒子(MGP)懸濁液を加えます。ソフトウェアからプロトコールと溶出容量を選択し、自動分離精製工程をスタートしました。MagNA Pure Compact装置は総ての分離精製ステップ(プロテナーゼKによるタンパク質分解、サンプル中の核酸の結合、DNaseによるDNA分解、洗浄ステッ プ、精製されたRNAの溶出)を自動的に実行します。溶出液は-70℃で少なくとも6ヶ月は保存可能です。

精製RNAの解析

精製されたRNAの完全性は、Agilent 2100 Bioanalyzerあるいはアガロースゲル電気泳動で確認しました。収量は260 nmでの光学密度(OD)測定より計算し、純度はOD260nm/OD280nm比 で評価しました。精製RNAはライトサイクラーによる逆転写(RT)-PCRにも使用し、シクロフィリンA(CycA)とグルコース6リン酸脱水素酵素 (G6PDH)の転写産物の検出を行いました。溶出液中のDNA混入は、RTステップを除いたライトサイクラーによるcycA遺伝子特異的PCRを行うこ とで評価しました。

結果と考察

RNAの完全性

10 mgのヒト胎盤から分離精製されたRNAにおいて、完全長のrRNAのバンドが確認され、核酸の分解が無いことが示されました(図1)。



図1: RNAの完全性とアッセイの再現性。

RNAは10 mgのヒト胎盤から分離精製されました; 1 μlの各溶出液を、Agilent 2100 Bioanalyser を使用しRNA 6000 Nano Chipで解析しました(M, Ambion RNA 6000ラダー)。

 

再現性

MagNA Pure Compact RNA Isolation Kit (Tissue)によるヒト胎盤(図1)あるいは他の哺乳動物細胞(データ不掲載)からのRNAの分離精製は、優れた再現性を示しました。ここでテストさ れた総てのサンプルにおいて、収量の変動係数(CV)は15 %以下、ライトサイクラーでのRT-PCRで得られたクロッシングポイント(CP)のCVは3 %以下でした(表1)。

収量と純度

10 mgのマウス肝臓あるいは脾臓から、最大50 μgのRNA(OD260nm測定より解析)が回収されました。RNA収量 は組織のタイプで大きく異なりました。例えば、10 mgのヒト胎盤の収量では、12 μg前後でした(表1)。更に、分離精製されたRNAの収量と品質は、サンプルの保存や組織の発現状況に大きく依存しています。収量は、他の自動RNA分 離精製システムやフィルターチューブ法による結果と同等、もしくはそれより高いものでした(データ不掲載)。総てのサンプルにおいてOD260nm/OD280nm比は2.0±0.1であり、RNAが高純度であることが示されました(表1)。RT-PCRやPCRへの阻害は見られませんでした(データ不掲載)。

スケーラビリティー

2.5~10 mgのマウス肝臓あるいはヒト胎盤から分離精製されたRNAでは、収量(図2)とライトサイクラーでの定量的RT-PCRにおいて、優れたスケーラビリティーが示されました(図3)。



図2: サンプル量に応じた収量のスケーラビリティー。

2.5 mg、5 mg、7.5 mg、10 mgのマウス肝臓よりRNAを分離精製し、その後2.5 μlの溶出液(各サンプル量で2レプリカ)をアガロースゲル電気泳動にかけ、DNA分子量マーカーIII(M)と比較しました。挿し込みのグラフは、OD260nm測定を示したものです。各データポイント(四重測定)の標準偏差はエラーバーで示しています。

 
図3: 定量的RT-PCRのスケーラビリティー。

2.5 mg、5 mg、10 mgのヒト胎盤(4レプリカ)よりRNAを分離精製しました; 5 μlの各溶出液は、RT-PCRでG6PDH転写産物について評価しました。各データポイントの標準偏差はエラーバーで示しています。

 
図4: 阻害因子の確認。

10 mgのヒト胎盤よりRNAを分離精製し、液量50 μlで溶出しました。2つの独立した溶出液は10倍の単位で1~1000倍まで希釈し、CycA転写産物についてアッセイを行いました。

 
図5: DNA混入の確認。

ヒト胎盤からのRNA溶出液中におけるゲノムDNAの残存について、ライトサイクラーによるcycA特異的PCRでチェックしました。2 ngのヒトゲノムDNAを陽性コントロールとし、水を陰性コントロールとしました。

 

阻害因子の確認

10 mgのヒト胎盤から分離精製されたRNA溶出液を10倍で段階希釈し、ライトサイクラーでの定量的RT-PCRで解析しました。結果のCP値は、希釈倍率に正比例する優れた直線性を示しました。これは溶出液中に阻害因子が存在しないことを証明しています。

クロスコンタミネーション

分離精製工程におけるレーン間のクロスコンタミネーションをチェックするため、5 mgのマウス肝臓から調製した4つのライセートに109コピーのin vitro転 写されたhG6PDH RNAをスパイクし、MagNA Pure Compact装置のポジション1、3、5、7番にセットしました。スパイクしていないライセートはポジション2、4、6、8番にセットしました。分離精 製後、それぞれの溶出液 5 μlをライトサイクラー装置でのRT-PCR(45サイクル)で解析し、hG6PDHの存在を確認しました。スパイクされたサンプルでは増幅シグナルが CP値=約17で確認された一方、スパイクしていないサンプルは陰性の結果(CP値が算出されない、データ不掲載)が得られました。

PCRで検出可能なDNAの確認

10 mgのヒト胎盤(8レプリカ)から分離精製されたRNAを50 μlの液量で溶出しました。5 μl溶出液をcycAのPCR(ライトサイクラー使用)に使用しました。45サイクル後も増幅シグナルが見られず、ゲノムDNAが残っていないことが示されました。

結論

この新しいMagNA Pure Compact RNA Isolation Kit (Tissue)は、種々のタイプあるいは量の哺乳動物組織からトータルRNAを効率的に自動分離精製するための有用なツールであることが証明されまし た。総ての分離精製ステップはMagNA Pure Compact装置で38分以内に、自動的に実行されました。

分離精製されたRNAは高品質、高純度でした。10 mgの組織からの収量は、マウス脾臓の50 μg超からマウス心臓の約10 μgと様々でした。再現性とスケーラビリティーは優れており、分離精製工程でのクロスコンタミネーションは見られませんでした。RNA溶出液にはRT- PCR阻害因子やPCRで検出可能なDNAは含まれていませんでした。従いまして、この新しいキットはRNA分離精製と解析に価値ある、そして信頼性の高 いツールと言えます。

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関連製品名 製品番号 包装単位 希望価格
MagNA Pure Compact装置 3731146 1台 ご照会
MagNA Lyser装置 3358968 1台 ¥774,000
MagNA Lyser Green Beads 3358941 100チューブ ¥42,000

 

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BIOCHEMICA2005 NUMBER4 (No101)

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