GCリッチなバクテリアBurkholderia cenocepaciaの O抗原生合成クラスターの転写機構:トランスクリプターリバーストランスクリプターゼの使用

Gene Expression コーナー

Ximena Ortega* and Miguel A. Valvano
Department of Microbiology and Immnology, Siebens-Drake Research Institute, Schulich School of Medicine, Faculty of Medicine and Dentistry, The University of Western Ontario, Canada
* Corresponding author: xortega@uwo.ca

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トランスクリプター1stストランドcDNA合成キット 4379012 1キット
(50回反応分)
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はじめに

Burkholderia cenocepacia感染は、免疫障害を持つ人々、特に嚢胞性線維症と慢性肉芽腫症を患った人々に対して大変な脅威です[1]。カナダでは、B. cenocepaciaは感染対象に最も一般的に見られるB. cepacia複合種です。B. cenocepacia標準株J2315は、3つの染色体と一つのプラスミドで構成された8.056 Mbのゲノムサイズです(www.sanger.ac.uk/projects/B_cenocepacia/)。

一般的に、B. cenocepaciaはGCリッチで(66.9%)、多くの挿入因子があり、全ての株が複数の抗生物質に耐性があるため、分子的な研究が困難です。近年、我々は肺感染症のラットのアガービーズモデル中での生存により弱毒化したB.cenocepacia変異体の単離を報告しました。これら変異体の内の4つはO抗原リポ多糖(OPS)生合成クラスター遺伝子中にトランスポゾン挿入があり、O抗原産物がin vivoでのバクテリアの生存に関して重要なことを示しました [ 2 ]。さらにB.cenocepaciaに おけるO抗原クラスターが複数の転写ユニットからなる複合体であることを示しました [ 3 ]。我々は、トランスクリプターリバーストランスクリプターゼとそのプライマーを用いたRT-PCRで、このクラスターの転写機構を研究し、遺伝子間の共 転写を検出しました。トランスクリプターリバーストランスクリプターゼを使用すると、高次構造をもったGCリッチなRNAを的確に逆転写できました。

材料と方法

トータルRNAの抽出

Glisin et al. [ 4 ] による方法を用いてB. cenocepacia K56-2株からトータルRNAを抽出しました。B. cenocepacia K56-2株の25 ml培養はLuria培地で0.6 OD600ま で培養しました。バクテリア細胞は遠心で収集し、RNaseフリーのTESSバッファー(20 mM Tris pH 7.6、10 mM EDTA、100 mM NaCl、1% SDS)で再懸濁し、加熱(95℃ 3分)により溶解しました。ライゼートに塩化セシウムの粉末を1 g/mlになるように加え、SW50.1チューブ(Beckman Coulter, Fullerton California)に5.7 M CsCl、0.1 M EDTAで準備した塩化セシウムクッションに重層しました。このライゼートを39000 rpmで16時間(20℃)遠心しました。遠心の後、DNAを含む細いバンドと細胞残渣のバンドがチューブの中ほどに見られ、RNAはチューブの底に透明 なペレットとして見られました。内容物を吸いだした後、チューブの底を加熱した外科用メスで慎重に切断してRNAペレットを抽出し、100μlの20 mM酢酸ナトリウム、1 mM EDTAに溶解しました。200μlのエタノールを加え、チューブを-20℃に静置しました。沈殿させたRNA分画を遠心分離し、ペレットを洗浄し、乾燥 させ、RNaseフリーの蒸留水に再懸濁し、DNase Iで処理しました。DNase Iは市販のRNA精製キットで除去し、最終的に得られたRNAをRT-PCRに使用しました。

RT-PCR

プライマー配列は筆者にお問合せください。

逆転写反応は以下に従って行いました。テンプレートとプライマー、水を65℃で5分間インキュベートしました。そこに5×反応バッファーとRNaseイ ンヒビター、dNTPs、トランスクリプターリバーストランスクリプターゼを含んだミックスチャーを加えました。この反応ミックスを55℃で30分間イン キュベートし逆転写反応させました。最後に85℃で5分間加熱し逆転写酵素を失活させました。

RNase活性が無い事を確実にする為、全ての逆転写反応にプロテクターRNaseインヒビターを使用しました。得られたcDNAはTaq DNA Polymeraseを使ったPCRに使用しました。増幅条件は、94℃2分、94℃10秒、54℃30秒、72℃2分を10サイクル、次に94℃10 秒、59℃30秒、72℃2分を30サイクル、最後の伸長反応を72℃で7分間行いました。PCR産物は1.7%(w/v)アガロースゲル電気泳動で確認 しました。

結果と考察

バクテリアのmRNAは、半減期が短い為に非常に不安定です。塩化セシウムによるRNA抽出法は大量のRNAを調製することができ、細胞溶解ステップで 素早くRNaseを失活させる事もできます。ここでは25 ml培養から14.2 mg/mlのRNAが調製できました。このRNAはエタノール中で-20℃にて長期保存できます。その為、我々は全てのRT-PCR実験を同じRNA抽出 法で行いました。その結果、様々なRT-PCR実験から得られた結果に一貫性をもつことができました。

各PCR毎に、適切なコントロールとして水と、逆転写酵素を除いたcDNA合成反応産物を用いました。増幅産物はcDNAをテンプレートとしたものであ り、ゲノムDNAのコンタミネーションによる産物でない事を確認しました。図1では、DNase処理後に、コントロールとして水を用いた反応や、逆転写酵 素を除いた反応では増幅が無かったことが確認できます。これは続くPCRで得られた産物はcDNA由来であり、コンタミネーションした染色体DNA由来で ない事の裏づけとなります。

O抗原生合成クラスターにおけるRT-PCR実験は、隣接遺伝子がそれらの境界を越えて共転写する場合に増幅される事を示しました。これは研究している 8箇所のうちの5箇所で起こりました。共転写は領域2と3、4、7、8で検出され、領域1と5、6では予想された断片の増幅は見られませんでした(図 1)。この結果に基づき、次の転写ユニット rmlBACD-wzm-wzt-vioA-wbcFED、wbcC、wbiFGHI、wzx-wbcAB-galE-wecA、manB-waaC-wbcY、waaA を提案します。
B. cenocepacia K-56-2株のO抗原クラスターの転写機構の解明は、B. cenocepaciaでのO抗原生合成機序について貴重な情報やより良い理解をもたらします。

B. cenocepaciaゲノムの高いGC含量(66.9%)とRNaseのコンタミネーションは、研究上の問題になりませんでし た。トランスクリプターリバーストランスクリプターゼは高いGC含量のテンプレートでも高いパフォーマンスを示します。この酵素はGC含量70%までのテ ンプレートRNAの逆転写に非常に効果的です。さらにRT-PCRの各ステップでのプロテクターRNaseインヒビターを使用することは、テンプレートの 品質を向上させました。

リファレンス

1.Mahenthiralingam E, Urban TA, Goldberg JB (2005) Nat Rev Microbiol 3:144-156
2.Hunt TA, Kooi C, Sokol PA, Valvano MA (2004) Infect Immun 72:4010-4022
3.Ortega X et al. (2005) J Bacteriol 187:1324-1333
4.Glisin V, Crkvenjakov R, Byus C (1974) Biochemistry 13:2633-2637

図1:RT-PCRによるO抗原クラスター転写機構の分析。
(a)B. cenocepacia K-56-2のO抗原クラスターの遺伝子マップ
端の遺伝子は灰色の矢印で示しています。同一ユニットとして転写されるO抗原クラスターの全ての遺伝子は同じ色の矢印で示しています。つまり、6つの転写 ユニットが見られます。マップの下のバーは、予期される増幅産物の領域を示しています。アスタリスクが付いているバーは、増幅されなかったものを示し、共 転写されなかった領域と一致します。バーの各番号は(b)のレーンと一致します。
(b)コントロールとこの実験で選択した8領域のPCR増幅反応のアガロースゲル電気泳動
矢印は予期される増幅断片の有無を示します。

 

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関連製品名 製品番号 包装単位 希望価格
トランスクリプターリバーストランスクリプターゼ 3531317
3531295
3531287
250ユニット
500ユニット
2000ユニット
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プロテクター RNaseインヒビター 3335399
3335402
2000ユニット
10000ユニット
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BIOCHEMICA2005 NUMBER4 (No101)

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