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Ralf Stucka
Neurological Clinic and Polyclinic, Friedrich-Institute, Laboratory of Molecular Myology Ludwig-Maximilians University, Munich, Germany
| 製品名 | 製品番号 | 包装単位 | 希望価格 |
| High Pure PCR Purification Kit | 1732668 1732676 |
50回精製分 250回精製分 |
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High Pure PCR Product Purification Kitは、酵素反応溶液(PCRや制限酵素反応液)やアガロースゲルスライスから簡単にDNA断片を精製出来ます[1]。
DNA断片のガラス繊維フリースへの選択的吸着は、グアニジン塩酸(Binding Bufferに含まれる)などのカオトロピック塩の存在下で起こります。操作手順は次のとおりです。PCR産物などの溶解した状態のサンプルを、5倍量の Binding Buffer 1と混合します。アガロースゲルスライスを55℃で3倍量(アガロースゲル1 mgにつき1量[μl])のBinding Buffer 1と混合します。続いて、製品説明書に従い、1.5倍量のイソプロパノールをサンプルに加えます。イソプロパノールを加えた溶液をHigh Pure Filter Tubeに加え、13,000×gで30秒間遠心します。さらに洗浄ステップ(Buffer 2で500μl)と溶出ステップ(Buffer 3で50μl以上)を行います。
本記事では、大きいサイズのDNA断片精製の為のイソプロパノール添加ステップを除いた、改変プロトコールを提案します。さらに、2つの一般的なDNA 精製操作(制限酵素反応液からのDNA精製とアガロースゲルスライスからのDNA精製)での、大きいサイズ(30 kb以上)のDNA断片精製における、イソプロパノール無添加で高い回収率が得られた所見を示します。
プラスミドDNA CMV-pAdEasy-1(37.2 kb)は、カナマイシンを含むLuria Bertani(LB)培地で培養されたE. coli BJ5183-AD-1細胞(AdEasy XL Adenoviral Vector System, Stratagene)から抽出しました。
この低コピー数プラスミドはGenopure Plasmid Maxi Kitで抽出されました。PacⅠで分解されたそのDNA産物 は、発現領域を含むアデノウイルスゲノムの大断片(32.7 kb)と、反復配列のpBR322由来配列とカナマイシン耐性遺伝子領域を持つ、小断片(4.5 kb)から成ります。 制限酵素反応産物やアガロースゲル抽出DNA断片は、1×Tris / acetate / EDTA(TAE)バッファー中の0.8%アガロースゲルで電気泳動的に分離しました。
フィルターチューブにイソプロパノールを添加した場合と添加しなかった場合を比較する為に、プラスミドCMV-pAdEasy-1をPacⅠ で分解して分析しました。この制限酵素実験は、32.7 kbと4.5 kbの2つの断片を生じさせ、次の2つの理由から選択されました。
DNA回収がHigh Pure Filterに添加するサンプル量に依存するかどうかを検証する為に、異なる量(3μgと1μg)のDNAを添加し、分析しました。さらに、イソプロパ ノールの添加は大きいDNA断片を沈殿させ、その結果ガラス繊維への吸着結合を低下させます。そのため、イソプロパノールの添加後、直接フィルターにロー ドするか、フルスピードで10分間遠心するようにしました。
上清はフィルターにロードして処理しました。いくつかの沈殿はゲル電気泳動で直接確認しました。
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図1:High Pure PCR Product Purification Kitを使用した制限酵素消化プラスミドDNAの回収。 サンプルはイソプロパノール処理とイソプロパノール未処理としました。選択されたサンプルは、イソプロパノールの添加後にフルスピードで遠心し(S:上 清)、沈殿は滅菌水で再溶解しました(P:沈殿)。コントロール(C)としてPacⅠでCMV-pAdEasy-1プラスミドDNAを分解 して得られた32.7 kb*と4.5 kb断片を用いました。(M:マーカー:λ HindⅢ-Eco RⅠ)* 大きい断片の8%アガロースゲル上での分離能が制限される為、23.7 kbバンドはλ HindⅢ-Eco RⅠDNAラダーの21 kbマーカーの位置に移行します。 |
13.3μgのDNA CMV-pAdEasy-1を200μl中で、PacⅠで完全に消化させました。3つの45μl(各3μg DNA)分注と15μl(各1μg DNA)分注を調製し、それぞれに水を加えて100μlに調製しました。制限酵素反応液の残りの20μlは、コントロールサンプルとしてゲル電気泳動に使 用しました。
次に、各サンプルにBinding Buffer 1を500μl加えて良く混ぜ合わせました。イソプロパノール処理サンプルにイソプロパノールを150μl加えました。サンプルは20000×gで10分 間遠心し、上清を注意深く別のバイアルに移しました。ペレットは50μlの水で溶解し、アガロースゲル電気泳動で分析しました。
残りのサンプルをCollection TubeにセットしたHigh Pure Filter Tubeに添加し、13000×gで30秒間遠心しました。フロースルーは廃棄し、500μlのWash Buffer 2をFilter Tubeに加えて、もう一度遠心します。次に、Filter TubeをCollection Tubeから外し、1.5 mlマイクロ遠心チューブにセットしました。各Filter TubeにElution Buffer 3を50μl加え、13000×gで30秒間遠心しました。未精製コントロールDNAとイソプロパノールペレットはもとより溶出DNAを、0.8%アガ ロースゲル(エチジウムブロマイドを含む)にロードし、電気泳動的(100Vで12時間泳動)に分離しました。
全DNA回収効率は、図1の染色されたDNAバンドの強度で視覚的に判定できます。イソプロパノール無添加の精製プロトコールで、より多くの大きな DNA断片が回収できました。これはフィルターにロードしたDNA量に依存しませんでした。興味深いことに、イソプロパノールの添加は沈殿を生じているよ うには見えませんでした。
13.3μgのPacⅠ処理されたCMV-pAdEasy-1のDNA断片(32.7 kbと4.5 kb)を、アガロースゲル電気泳動で分離し、UV光の下でスライスしました。
32.7 kb断片32.7 kbのDNA断片スライス(500μg)に、3倍量(1500μl)のBinding Buffer 1を加え、55℃で完全に溶解させます。次に、3つの500μl分注と3つの166μl分注を調製しました。イソプロパノール処理していない2つのサンプ ル(500μlと166μl)は、直接Filter Tubeにロードします。他のサンプルは、1.5倍量のイソプロパノール(187μlと62.5μl)を混ぜ合わせました。サンプルはそれぞれ Filter Tubeにロードし、あるいはフルスピードで遠心して上清をロードしました。遠心で得られた沈殿を溶解し、直接検定しました。
以降の操作(洗浄と溶出)は一般的なプロトコールに従いました。5μlのElution Bufferを使用しました。
アデノウイルス構造物を含んだ抽出DNA断片の生物学的活性を検証し、293細胞にトランスフェクションして確認し、感染性のウイルス粒子を得ました (データ未掲載)。
4.5 kbのDNA断片は312μgのスライスとして得られ、936μlのBinding Buffer 1を加えました。続いて、アガローススライスを55℃で完全に溶解します。2つの625μl分注を調製し、一方にイソプロパノールを234μl加えまし た。両サンプルをHigh Pure Filter Tubeに直接ロードし、32.7 kb断片と並行して操作しました。
少なくとも大量のDNAをロードした場合は、イソプロパノール処理をしていないサンプルから高効率でHigh Pure Filter TubeからDNAを回収しました(図2)。少量のDNAの場合においては、すぐに明らかな違いが出ません。それにもかかわらず、少量のDNAを用いた反 復実験で、イソプロパノール処理サンプルにおいては回収率の低下が見られました(データ未掲載)。4.5 kb断片におけるイソプロパノール処理した場合とイソプロパノール処理しなかった場合の、視覚的に見た回収率の違いはありません。
イソプロパノールの添加後、大きいDNA断片(30 kb以上)の特異的な損失はどのように説明されるのでしょうか?イソプロパノールの追加は、結合バッファーの疎水性を変えている様に見られます。より疎水 性な状況では、DNAの沈殿は生じませんでした。これはイソプロパノール処理サンプルの遠心により確認しました(図1、2)。結合バッファーを含むイソプ ロパノール中でのDNAのガラス繊維への吸着は低下し、その為、いくつかのサンプルはフロースルーで損失している事は無視できません。この可能性は、放射 性標識DNA断片を用いた結合実験を行うことによる確認が必要です。
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| 図2:High Pure PCR Product Purification Kitを使用したアガロースゲルスライスから抽出されたDNA断片の回収。 サンプルはイソプロパノール処理とイソプロパノール未処理としました。選択されたサンプルは、イソプロパノールの添加後にフルスピードで遠心し(S:上 清)、沈殿は滅菌水で再溶解しました(P:沈殿)。コントロール(C)としてPacⅠで分解したCMV-pAdEasy-1プラスミド DNAを用いました。(M:マーカー:λ HindⅢ-Eco RⅠ) |
High Pure PCR Product Purification Kitを用いた、DNA断片精製の為の一般的なプロトコールの単純な改良は、一般的に行われる実験を簡単にします。イソプロパノール添加ステップを除くこ とにより、High Pure Filterを通過する全量を減らすことができます。さらに重要なことは、様々なDNA断片のサイズの-特に大きい断片-回収効率は、イソプロパノール添 加プロトコールと同じかそれ以上の効率を達成します。
| 関連製品名 | 製品番号 | 包装単位 | 希望価格 |
| Genopure Plasmid Maxi Kit | 3143422 | 10回精製分 | ←製品番号をクリック |
BIOCHEMICA2005 NUMBER3 (No100)
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