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Daruis A. Paduch
Department of Urology, Weill Medical College of Cornell University, New York, USA, and Center for Biomedical Research, The Population council, New York, USA
| 製品名 | 製品番号 | 包装単位 | 希望価格 |
|---|---|---|---|
| FastStart High Fidelity PCR System | 3553426 | 50反応分(125U) | ¥12,400 |
| 3553400 | 200反応分(500U) | ¥44,300 | |
| 3553361 | 1000反応分(2500U) | ¥194,000 |
今回ご紹介するPCR用酵素システムFastStart High Fidelity PCR Systemは、ハイフィデリティホットスタートPCRシステムです。Taq DNA Polymeraseとプルーフリーディング活性タンパク質のそれぞれを熱感受性の化学修飾することにより、独自のハイフィデリティホットスタートPCR を実現しました。75℃以下では、DNA ポリメラーゼ活性や、3'-5'エキソヌクレアーゼ活性は示しません。94℃、4分間の熱処理を加えた後に、両活性を示します。
DNAメチレーションやヒストンアセチレーション、RNA干渉、それらの遺伝子活性化や不活性化に対する影響のようなエピジェネティクスメカニズムは、 表現型の刷り込みや発達、癌生物学において重要です[1]。重要な遺伝子の異常なメチレーションは、アンジェルマン症候群やプラダーウィリー症候群などの 重度の発達障害や癌の進行を引き起こします[2]。
エピジェネティクスの臨床面での最近の関心の高まりは、DNAメチレーション研究のための新技術の出現と平行しています[3]。
メチル化したヌクレオチドは、メチレーション特異的制限酵素で処理したDNAのサザンブロッティングで容易に検出できます。しかしながら、全てのメチ レーション箇所は、制限酵素配列で対応できません。さらに、この技術は多量のDNAを必要とします。これらの問題は、メチレーション特異的PCR(M-PCR)や、脱アミノ化DNA配列 により解決します。M-PCRにおいて、テンプレートDNA中のメチル化されていないシトシンは、ダイサルファイトによりアミノ基を取られてウラシルになり、CGはATに変わります[4]。メチル化したシトシンはデアミネーション抵抗性です。
メチル化している遺伝子やプロモーターと、メチル化していないそれらを区別するために、アンプリコンのサイズが異なるメチレーション特異的プライマーを 使用します。PCRによる単一 遺伝子コピーのアンプリコンは、高感度を提供し、厳格なテンプレートのハンドリングとプライマーデザインを伴って、高い特異性を提供します。M-PCRを 幅広く使用する上での主な障害は、骨の折れる高価な最適化はもとより、DNA脱アミノ化と脱アミノ化したDNAの精製の難しさです[5]。
我々の研究室の男性不妊遺伝学研究にM-PCRを適用するために、多くの時間と資材とエネルギーをかけました。そのため、M-PCRに最適なソリューションと考えられるFastStart High Fidelity PCR Systemでの有用な経験を共有したいと考えます。
我々は、不活性化したX染色体転写物(XIST)の不活性化メチレーションパターンが、女性(46、XX)とクラインフェルター症候群[KS]の男性(47、XXY)で同じであるという仮説を検証しま した[6]。
健常人男性と健常人女性、クラインフェルター症候群男性の末梢血リンパ球由来のDNAは市販のキットを使用して抽出しました。DNAは-20℃で保存しました。
DNA(50μlのH2O中に0.5~1 mg)を、5.5μlの2 M NaOHで37℃(17分間)と55℃(2分間)で変性しました。続いて、用事調製した30μlの10 mMハイドロキノンと520μlの3M硫化水素ナトリウムをDNA溶液に加えて、ミネラルオイルを重層しました。このミクスチャーを、55℃のウォーターバス中で、オーバーナイトで(遮光状態)インキュベーションしました。精製過程中にNaOHを加え、反応を終了しました。脱アミノ化DNAをTris-EDTAに溶解し、-20℃で保存しました。
我々は、目的の遺伝子(XIST)と、そのメチレーションのパターンが対照的なコントロール遺伝子(familial mental retardation gene 1, FMR1)のために、メチレーション特異的プライマーを用いました[7]。
PCRマスターミックスとして、それぞれの反応について、2.5μlの10×バッファーミックス(最終Mg濃度1.8 mM)、0.5μlのdNTPs、0.25μlのFastStart High Fidelityポリメラーゼ、さらに最 終容量が25μlになるように水を加えました。4μl中の200 ngのテンプレートDNAを、2μlのプライマーマルチプレックスミックスと混合しました。PCRマスターミックスを、DNAとプライマーのミックスに混 合しました。サーマルサイクラーを用いて、以下のセッティングでPCRを行いました:
| 1サイクル: | 95℃ 1分 |
| 40サイクル: | 95℃ 30秒 |
| 61℃ 40秒 | |
| 72℃ 50秒 | |
| 1サイクル: | 71℃ 7分 |
| 4℃ |
他のポリメラーゼの実験では、PCRマスターミックスはそれぞれの説明書に従い調製しました。
複数の研究者から、0.1% Triton-Xと硫酸アンモニウム(5~30 mM)により特別に調製したM-PCR専用反応バッファーを使用する示唆があります。しかしながら、我々の実験では 、Triton-Xや硫酸アンモニウムの添加は、検証した全てのポリメラーゼにわたって負の影響を示しました。
メチレーション特異的PCRにおいて、KSモザイクではない男性のX多染色体の検出は100%の特異性、100%の感度で行われました。男性由来の DNAはアガロースゲル中で2つのバンドを示しました。一つはメチル化されないFMR1プロモーター(FMR1-UM)と、もう一つはメチル化された XIST遺伝子(XIST-M)です(図1)。
女性とKSを伴う男性のDNAは4つのバンドを示しました。メチル化されたFMR1プロモーターやメチル化されていないFMR1プロモー ター(FMR1-UM、FMR1-M)と、メチル化されたXIST遺伝子やメチル化されていないXIST遺伝子(XIST-UM、XIST-M)です(図 1~3)。KSを伴う男性のXISTのパターンは、女性のものと同じです(図3)。
FastStart High Fidelity DNA Polymeraseは、他のポリメラーゼと比較して、メチレーション特異的PCRでは最高の結果をもたらしました(図2)。
FastStart High Fidelity PCR Systemは、メチレーション特異的PCRを使用した研究にとって、高い信頼性とコスト効果をもたらす第一の選択肢です。FastStart High Fidelity DNA PCR Systemは、少しの最適化で独創的に使用出来ます。適切なデアミネーションと慎重なプライマーデザインが必要です。マルチプレックスM-PCRにおい て、特にメチレーションパターンの半定量的な分析の場合、プライマー濃度は、実験的に確立されなければなりません。我々の研究室では、男性不妊に関係する 他の遺伝子にもアプリケーションを広げ、素晴しい再現性を達成しています。我々は、このレポートが、癌研究や発生生物学、その他のライフサイエンスのM- PCRを基盤として、FastStart High Fidelity PCR Systemを使用した新しいアプリケーションの発展を導くと強く信じています。
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| 図1:一貫性 10μg のDNAを2μgのローディングバッファーと混合し、4%NuSieve 3:1アガロースゲルにロードしました。FastStart High Fidelity PCR Systemは、M-PCRにおいて一貫した結果をもたらしました。男性健常人はX染色体を一つだけ持ち、そのためM-PCRはメチレーション XIST(XIST-M)のみのバンドを示します。FMR1遺伝子は対照的なメチレーションパターンを持ち、コントロールとなります(クラインフェルター 症候群を伴う被検者由来のDNAテンプレートKS1、KS2、KS3、KS4)。 |
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| 図2:他のポリメラーゼとの比較 10μgのDNAを2μgのローディングバッファーと混合し、4%NuSieve 3:1アガロースゲルにロードしました。FastStart High Fidelity PCR Systemは、M-PCRにおいて素晴しい結果をもたらしました。FastStart High Fidelity PCR Systemを、同じテンプレートを用いた競合製品と比較しました。最適化の必要はありませんでした。 |
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| 図3:メチレーションパターン 10μgのDNAを2μgのローディングバッファーと混合し、4%NuSieve 3:1アガロースゲルにロードしました。FastStart High Fidelity PCR Systemを使用した限定解析は、KSを伴う男性(KS1、KS2)は、女性(female 1、female 2)と同様のXISTのパターンであることを示しました。 |
BIOCHEMICA2005 NUMBER2 (No99)
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