-X-tremeGENE siRNAトランスフェクション試薬- DNAとsiRNAのコトランスフェクションのための新しいリポフェクション試薬

ジーンノックダウン コーナー

はじめに

siRNAは多くの研究室で注目の的となってきました。古典的なジーンノックアウト技術を使用することなく、哺乳細胞の選択された遺伝子の発現をノックダウンする簡単な方法を、これらの分子は初めて提供します。

siRNAを仲介したジーンサイレンシングのプロセスは、進化的に高度に保存されています。おそらく、すべての高等真核生物は、二重鎖 RNA(dsRNA)を短い“ガイダンス”分子に変換するための酵素的システム(Dicer RNase)を保持しています。結果として、21-24 bpの二重鎖RNA(siRNA)が細胞内のRNaseシステム(RISCコンプレックス)を活性化し、siRNAに相補的な配列を持つmRNAが分解さ れます。哺乳細胞におけるRNA干渉のアプリケーションの発展に関し、その突破口となったのは、21 bpのdsRNAオリゴヌクレオチドを直接に細胞に導入すると、インターフェロンの応答を引き起こさない、効率的なジーンサイレンシングが起こるという事 実が発見されたことです。このメカニズムは、ウイルスから防御するため、哺乳細胞に存在します。

実験室におけるRNAiの実際的なアプリケーションは、短いdsRNAを哺乳細胞に効率的に導入できる方法を必要とします。またsiRNAシークェンス の至適化も必要となります。RNAiオリゴヌクレオチドのノックダウン効率を評価するための、簡便な操作での前試験を含む、試験システムに関する強い要望 があります。siRNAと発現プラスミドの同時トランスフェクションは、この現実的な問題に対するユニークな解答です。このシステムの更なる利点は、目的 のタンパク質に対する抗体が入手できなくても、タンパク質レベルでのサイレンシングが検出可能なことです。さまざまなエピトープタグを、ターゲットの遺伝 子に相当するcDNAに融合できます。その上、このアプローチは、全てのRNAi実験でチェックすべきsiRNAの特異性の評価も行えます。対象外の分子 に与える影響は、siRNAの認識配列にミューテーションを持つタンパク質を発現するベクターを併用することで、回避できます。

旧来のリン酸カルシウム法は、短いdsRNAのトランスフェクションにおいて効率的ではないため、新たに開発された一連のリポフェクション試薬のDNAおよびsiRNAの導入効率を試験しました。

材料と方法

トランスフェクションの一日前に、ヒト胎児性腎臓細胞株293Tを6ウェルプレートにおいて、4 mlのDMEM(10% FCS、4.5 g/lのグルコース、ペニシリン/ストレプトマイシン添加)に、1×106個/mlの密度で播種しました。オーバーナイトインキュベーションの後、培地は2 mlの抗生物質不含のDMEM/FCSに交換しました。

使用した全てのsiRNAはDharmacon Inc. (Lafayette, CO, USA)で化学合成しました。X-tremeGENE siRNA トランスフェクション試薬でのトランスフェクションには、0.6μgの発現ベクター(CMVプロモータに基づく)と、核タンパク質ラミンCに対する複数の siRNAおよびコントロールsiRNAの6.25μlの20μM溶液を、125μlの無血清DMEMに希釈しました(トータルの核酸量は 0.25μg)。並行して、25μlのX-tremeGENE siRNA トランスフェクション試薬を100μlの無血清DMEMに加え、このミックスを希釈した核酸に直ちに加えました。室温での20分間のインキュベーション 後、この溶液を一滴ずつ細胞に加えました。培地はまったく交換せず、リポフェクションの24時間後に顕微鏡により細胞の生存活性が評価され、その後で、標 準法によるイムノブロットによるタンパク質分析のために、細胞が溶解されました。一般的に使用されているリポフェクション試薬で採用されているコントロー ル反応は、サプライヤーの使用説明書に従い行われました。

結果と討論

24時間、細胞に接触させ続けても、どの試薬もトランスフェクトされた細胞群に顕著な死を引き起こしませんでした。タンパク質発現の特異的な抑制から判 断すると、サプライヤーAとX-tremeGENE siRNA トランスフェクション試薬のみが、DNAとsiRNAを同時に細胞内に導入できていました(図1)。

図1:イムノブロットの典型的な例。細胞は0.6μgのFLAGタグタンパク質発現ベクターと、ラミンCに対する複数のsiRNAおよびコ ントロールsiRNAの6.25μlの20μM溶液でコトランスフェクションされました。矢印は、FLAGタグタンパク質の期待される位置を示していま す。等量の細胞内タンパク質(20μg/レーン)がアプライされました。

サプライヤーBの試薬によるタンパク質発現を検出しましたが、RNAi効果はまったく無く、RNAが効率的に導入されていないことが示唆されました。サ プライヤーCのリポフェクション試薬では、DNA/RNAミックスで効果が不十分でした。それに対して、サプライヤーAとX-tremeGENE siRNA トランスフェクション試薬によるリポフェクションの後で、特異的siRNAによるターゲットの遺伝子発現の明瞭な阻害が観察されました。この二つのリポ ソーム試薬の直接比較では、X-tremeGENE siRNA トランスフェクション試薬のほうが優れていると思われました。より多量のタンパク質がX-tremeGENE siRNA トランスフェクション試薬により発現し、より高いトランスフェクション効率を示しています。高いトランスフェクション率により、より少ない細胞でタンパク 質検出が可能となるため、より小さなウェルでのアッセイが可能となります。つまり、よりハイスループットなフォーマットでの実験が可能となります。

コントロールに対する特異的siRNAの抑制率から判断して、X-tremeGENE siRNA トランスフェクション試薬のより高いトランスフェクション効率は、RNAやDNA単独に限られたものではありません。ただひとつの核酸のタイプの優先的な トランスフェクションは、観察されたRNAi効果を大きく曲解させ、阻害効果に対する判断を誤る原因になるので、このことは特に重要です。
要約すると、X-tremeGENE siRNA トランスフェクション試薬は、siRNAのトランスフェクション実験での要求に適する優れた試薬です。

著者:Robert Slany
Department of Genetics, Friedrich-Alexander University, Erlangen, Germany

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