画期的なタンパク質発現システムであるRTS (Rapid Translation System)は、進化を続けます。 RTS 100 E. coli HYキットを使用してのcDNAsの発現

RTS(ラピッドトランスレーション システム)コーナー

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製品名 製品番号 包装単位 希望価格
RTS 100 E. coliHYキット 3186148 24回反応 ¥ 58,000
3186156 96回反応 ¥158,000

特長:

ラピッドトランスレーションシステム、RTS 100 E. coliHYキットは以下の様にデザインされています。
-迅速な多数タンパク質合成反応
-PCRで作成したテンプレートとプラスミドの両方が使用可能
-発現構築物の迅速な至適化
-PCRで作成したミューテーションの迅速機能試験
-毒性遺伝子産物の発現
-エピトープやドメインマッピングのための、PCR作成・制限酵素消化DNAからの不完全長遺伝子産物の合成
-適切なE. coliプロモーターを欠いた遺伝子での、in vitro合成RNAからの発現
-10から120 kDの分子量を持つタンパク質の合成

はじめに

癌の診断やワクチンの開発に使用できる腫瘍特異的あるいは腫瘍関連抗原の同定は、われわれの注力している仕事です。 腫瘍のcDNAライブラリーの血清学的なスクリーニングにより、われわれは候補となる一連の抗原を得ました。 それらの癌の診断マーカーや癌ワクチンとしての可能性を探るために、癌患者からの抗体による認識性を確認する必要があります。 また癌に対する特異性や免疫原性の度合いを測定する必要もあります。 これには2段階のプロセスがあります。 最初は、ヒトのさまざまな組織や腫瘍からの遺伝子発現データや、発癌における候補遺伝子の関連性の情報に基づく候補抗原の選択です。 第2は、抗原に対する抗体の存在する多数の血清サンプルをテストすることによる、候補抗原の免疫原性の探査です。 これらの実験のデータから、癌の進展の間の抗原に対する自発的な免疫応答の頻度や、強い共通抗原を同定するための情報を得られます。 候補ワクチンを同定するため、われわれはまた、抗原に対するT細胞の応答を研究しなければなりません。 それには、いくつものアプローチがありますが、ヒトドナーからのT細胞を使用して、組換えタンパク質に対するT細胞の反応性を調査しました。

血清学的なアッセイ(ELISA)とT細胞アッセイの両方とも、候補のcDNAの組換えタンパク質が必要です。 従来のE. coli発現の代替法としての、in vitroトランスクリプションとトランスレーションの組み合わせによるタンパク質発現は、さまざまなcDNA産物の可溶性や毒性に関しての情報が無い時、 組換えタンパク質を得るための非常に簡単で有用なテクニックです。 それに加え、相対的に少量のタンパク質が、第一のELISAで使用する候補抗原の可能性を測定するために必要です。 それゆえ、はれわれはロシュ・ダイアグノスティックスのRTS 100 E. coliHYキットを使用しました。

材料と方法

pIVEX2.6d発現クローン

候補抗原をRTSベクターpIVEX2.6dにサブクローニングしました。このベクターはcDNA産物のN-末端にHAタグを導入します。 サブクローニングのために、cDNAsはPCRで増幅され、ダウンストリームプライマーによりXmaI切断部位が導入されました。 PCR産物はNcoI-XmaIフラグメントとして、pIVEX2.6dベクターにクローニングされました。それぞれの発現クローンはミニプレップで調製されました。

13種類の候補抗原でアプライが成功しました(表1)。 これらの候補抗原は、前立腺腫瘍にかかっている患者の自己抗体による、選択された前立腺腫瘍cDNAライブラリーのスクリーニングで得られました。

表1. pIVEX2.6d中の発現クローンNo. と13種類の抗原候補の期待されるタンパク質サイズ

抗原の候補 発現クローンNo. 期待されるタンパク質サイズ
2A D7 pLA873 9
1 A16 pLA891 7
1 E20 pLA875 28
1 O13 pLA887 12
2 A1 pLA877 9
2 A14 pLA878 8
2 A23 pLA879 8
2 B13 pLA880 15
2 C10 pLA889 7
2 I9 pLA882 17
3 A20 pLA883 26
3 K2 pLA884 5
NY-ESO-1 pLA869 13

RTS 100 E. coliHYキット

組換えタンパク質が本キットで作成されました。反応ごとに0.5μgのプラスミドDNAを使用しました。反応は、600 rpm、30℃で7時間インキュベートされました。

ウェスタンブロット

サンプルは4℃での高速遠心を使用して、可溶性と不溶性の分画に分けられました。 不溶性の分画は50μlのPBSに再懸濁しました。それぞれのサンプルの各分画から10μlを回収し、100%氷冷アセトンにより沈殿しました。 沈殿タンパク質は10μlのPBSに再懸濁し、SDS-PAGEサンプルバッファーを加えました。 15%SDS-PAGEの後、タンパク質を0.2μmのニトロセルロースメンブレンにブロットしました。

結果

ウェスタンブロット解析は、タンパク質がすべての発現クローンから作成されたことを示しています(図1)。 可溶性と不溶性のタンパク質が作成されました。 一般的に、可溶性のタンパク質はELISAアッセイでの使用が優先されますが、検討データは、不溶性分画をウェルにコートすることで、有用な結果が得られたことを示しています。 T細胞アッセイでは、タンパク質消化後に生成した直鎖エピトープが認識されるので、可溶性は問題にならないと予想されます。

pLA873、pLA877、pLA878、pLA879、pLA882から作成されたタンパク質はすべて可溶性であり、pLA880からのタンパク質は不溶性でした。 pLA875、pLA887、pLA889、pLA891、pLA869は両方の分画に存在しました。 pLA875、pLA889、pLA891、pLA869の場合は、ほとんどが不溶性でした。 pLA887は不溶性分画に、単量体、二量体、三量体の形状で存在しました。pLA878も多量体として存在しました。

ウェスタンブロットは両方の分画からの、pLA883とpLA884の多数のタンパク質バンドを示しています。 これらのバンドのどれも、期待されるサイズを持たず、産物はcDNAsから得られています。 pLA883からの発現物では、もっとも小さなタンパク質産物は分子量約7 kDaでした。 これは初期のステップで導入された、PCR増幅での間違った塩基の取り込みに由来すると考えられます。

pLA884の場合、パターンはもっと複雑に見えます。 期待されるタンパク質は5 kDaですが、ウェスタンブロットで観察されたもっとも小さなバンドは11 kDaでした。 やはり、ストップコドンへの他のアミノ酸コドンの、PCRでの間違った塩基の取り込みと考えられます。

図1:RTS 100 E. coliHYキットを使用して発現されたタンパク質のウェスタンブロット。タンパク質はHA-タグで検出された。

結論

ロシュ・ダイアグノスティックスのRTS 100 E. coliHYキットは、良好に働くタフなシステムであると結論付けられました。 すべての発現クローンから組換えタンパク質の小スケール製造が得られ、ELISA法を使用してすべてのタンパク質がテストできました。 その上、RTS 500と9000 E. coliHYキットは同じプラスミドの組換えタンパク質の大スケール製造を可能にします。 反応条件はRTS 100 E. coliHYキットで使用したものと同一です。われわれはこれを利用し、癌の診断や癌ワクチンにおいて重要な役割を持つ候補タンパク質の大スケール製造を行います。

この記事の著者:Lene Alsφe* and Gustav Gaudernack
Deparment of Immunology, The Norwegian Radium Hospital, Montebello, Oslo, Norway

RTSプロテオマスター

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製品名 製品番号 包装単位 希望価格
RTS 500 E. coliHYキット 3246949 5×1ml反応 ¥ 158,000
RTSプロテオマスター 3265650 1台 ¥1,200,000

BIOCHEMICA2004NUMBER2(No95)

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