-ファストスタートTaq DNAポリメラーゼ- 数種類のホットスタートTaq DNAポリメラーゼの比較 (ジーンフィッシングによる発現量の異なる遺伝子群の検出)

Molecular Biologyコーナー

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製品名 製品番号 包装単位 希望価格
ファストスタートTaq DNA
ポリメラーゼ
2158264 50 units ¥ 7,200
2032902 100 units ¥ 11,700
2032929 2×250 units ¥ 51,500
2032937 4×250 units ¥100,900
2032945 10×250 units ¥213,700
2032953 20×250 units ¥386,200

特徴:

ホットスタートPCR用Taqポリメラーゼで、3kbまでのゲノムあるいはcDNAの増幅に対応しています。短時間で、十分な活性が得られます(図1)。

規格:

酵素は保存-希釈バッファー中で5U/μlで供給されます。20 mMのMgCl2を含む10×PCR反応バッファー、MgCl2不含の10×PCRバッファー、25 mMのMgCl2ストック溶液、GC-リッチ溶液が添付されています。

図1:ファストスタートTaq DNAポリメラーゼと、他の修飾Taq DNAポリメラーゼの活性化。
ファストスタートTaq DNAポリメラーゼは95℃、2分で16%、10分後で50%であった。それに対し、他の修飾Taq DNAポリメラーゼは2分後に活性は検出されず、10分後に約17%の活性であった。

特長:

  • 3kbまでのゲノムDNAとcDNAターゲットを高い特異性および感度、高収量で増幅します。
  • 酵素は75℃まで活性を示さず、95℃での4分のインキュベーションで活性化します。シングルコピーのターゲットDNAでも増幅を可能とします。
  • 酵素は、修飾デオキシヌクレオチドも基質として用いることが可能ですので、RIと同様にジゴキシゲニン、ビオチン、フルオレセインでのDNAフラグメントの標識に使用できます。
  • PCR間のキャリーオーバーの防止に、熱不安定性ウラシルDNAグリコシラーゼと共に用いる事が出来ます。
  • 添付のGC-リッチ溶液が、二次構造や高いGC含量の困難なターゲットの増幅を可能にします。
  • 室温での全自動PCRセットアップが可能です。

はじめに

ジーンフィッシング(Seegene社)は、2種類以上のサンプル間で、発現量の異なる遺伝子を検出するための、新しい方法です。ディファレンシャル・ ディスプレイPCRを改変した、この2ステップのRT-PCR法は、アニーリングコントロールプライマーペア(ACPs)を、RT反応のプライマーとして 使用し、また同様に、これをPCRのリバースプライマーとして使用します。これらのACPsは任意の3'-末端と一定の5'-末端を持ち、その間にアニー リング調節部位があります。サイクル条件を注意深く調整することにより、約2000ヌクレオチド長の5'-末端部位の内部の、フォワードプライマーの可変 的な3'-末端に、相補的な配列をもつcDNAのみを増幅することが可能になります。

[注記] GeneFishingTMテクノロジーの詳細は:

http://see-gene.com/kr_seegene/products/data/GeneFishing.pdf

この方法はシンプルで簡単ですが、特に多数のサンプルを分析するときに、反応のセットアップ時に望ましくないDNA合成を予防する、ホットス タートTaq DNAポリメラーゼの使用が有用となります。そのため、数種類の市販のホットスタートTaq DNAポリメラーゼについて、この目的に適するかどうかを比較しました。

材料と方法

胚胎4.5日と18.5日のマウス胎児由来のC1とC2 cDNAを、それぞれ、テンプレートとして使用しました(GeneFishingキット内に添付)。4種類のホットスタート酵素をACP-A1、ACP- Tのプライマーペアで試験しました。PCR反応ミックスは、各酵素に添付のバッファーを使用し、メーカーの推奨どおりに調製しました(表1)。反応成分は 氷上で調製し、チューブをTGradient(Biometra)サーマルサイクラーに移しました。Taq DNAポリメラーゼはチューブを95℃で5分間(サプライヤーAとファストスタート)あるいは15分間(サプライヤーBとC)インキュベートすることによ り活性化しました。最初の変性/活性の後、50℃で3分間のプライマーアニーリング、72℃で40秒の第二鎖合成の後、トータルで40サイクルのランを以 下のフォーマットで行いました:94℃で40秒、65℃で40秒、72℃で40秒。最後の伸長に72℃で5分間。これでプログラムを完了しました。

表1. PCR反応ミックス(μl)

ポリメラーゼ サプライヤーA ファストスタート サプライヤーB サプライヤーC
dH2O 28.5 34.6 33.75 30.75
10×バッファー 5 5
(Mg含有)
5 5
(HPバッファー)
25 mM MgCl2 5 1 2 5
10 mM dNTP 1 1 1 1
ACP-A1プライマー 2 2 2 2
ACP-T1プライマー 1 1 1 1
cDNA* 5 5 5 5
Taqポリメラーゼ 2.5 0.4 0.25 0.25
トータル(μ) 50 50 50 50
*約5ng/μl

結果と考察

サプライヤーAとBは、2つのcDNAからの増幅に失敗しました(図2)。サプライヤーCは短い産物(500 bpまで)のみを作成しました。ファストスタートTaq DNAポリメラーゼだけが、長い産物(950と1, 100 bp)を含む全てのバンドを得ました。

第二鎖の合成がこの段階で行われるため、ジーンフィッシング法の最初のサイクルでのDNAポリメラーゼ活性の度合いが重要です。全ての残りのサイクル は、比較的高いアニーリング温度で行われます。もし最初のサイクルに失敗すると、この場合、任意のフォワードプライマーがアニールできないため、産物は作 成されません。試験された全てのホットスタート酵素は、推奨される温度と時間で活性化処理されましたが、増幅に失敗した酵素は、このステップで十分な活性 に到達しなかったかもしれません。また、これらの酵素のバッファー組成は、セットされた温度でのアニーリングに影響しませんでした。

図2:(a)ACP-A1/ACP-T1プライマーと、ホットスタートポリメラーゼにより作成されたPCR産物の電気泳動。
cDNAテンプレートはC1とC2(M、100 bpマーカー)。(b)Taq DNAポリメラーゼを使用し、同じプライマーペアでC1とC2のcDNAテンプレートから得られたバンドのパターン(M、100 bpマーカー、Seegene)。

ファストスタートTaq DNAポリメラーゼに対する、以降のサイクル条件の調整では、最初の変性時間を5分から8分に延長することで、第二鎖合成における活性が上昇したことを示 しています。そのうえ、最初のサイクルで2分間、次の15サイクルで45秒、25サイクルまで1サイクルごとに1秒の伸長時間の拡張により、長いPCR産物(2 kbまで)の収量が改善されました。

ファストスタートTaq DNAポリメラーゼは、GC-リッチのテンプレートの増幅を増強するための至適GC-リッチ溶液とともに供給されています。この溶液の効果は、ラット肝臓 cDNAをサンプル材料として、他のプライマーペア(ACP-A6/ACT-T)でテストされました。現在の実験条件では、GC-リッチレゾリューション 溶液は改善された結果を保証します(図3)。

図3:未処理ラット肝臓cDNAからの、GC-リッチレゾリューション溶液の不在/存在下、ファストスタートTaq DNAポリメラーゼとACP-A6/ACP-Tプライマーによる作成されたバンドのパターン。

われわれはファストスタートTaq DNAポリメラーゼを使用してのジーンフィッシング法に、ほぼ30種類のプライマーペアを使用し、結果は満足できるものでした。原法の、ホットスタートへ の改変は、反応セットアップにおいて、より柔軟で簡便になり、多数のcDNAサンプルが、遺伝子発現レベルの比較分析で、同時に完全に行われました。

この記事の著者:Raimo Pohjanvirta
Department of Food and Environmental Hygiene, University of Helsinki, Helsinki, Finland

BIOCHEMICA2004NUMBER2(No95)

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