ライトサイクラー ハイブリダイゼーションプローブとメルティングカーブ分析を使用してのサイトカインSNPsの同定

ライトサイクラー & MagNA Pure LCコーナー

はじめに

サイトカイン遺伝子の一塩基多型(SNPs)の分析は、様々な疾患の病理生理学的におけるサイトカインの役割の解明に、いくつかの光を投げ始めました。 インターロイキン10(IL - 10)と腫瘍壊死因子α(TNF -α)のプロモーター部位における対立遺伝子のSNPsは、産生されるサイトカインのそれぞれのレベルに影響を及ぼします。TNF -α遺伝子の308位のG→A多型の存在が、転写を6 - 7倍増加させる事が見出されました。これは、産生されるサイトカインレベルを顕著に増加させます。また、サイトカイン発現における顕著な例は、IL - 10プロモーター部位の1082位(G→A)と819位(T→C)に局在する2つの多型です。これらの対立遺伝子変異はIL - 10発現レベルの低下をもたらします。我々の研究室での初期研究で、シークェンス特異的PCR(PCR - SSP)を使用してTNF -αとIL - 10が分析されました。この分析を適用する事で、肝移植拒絶において、サイトカインのある種のSNPsを関連ずける事ができました。
このレポートでは、ライトサイクラー機器とハイブリダイゼーションプローブの使用によるSNPsの分析について討議します。3種類のサイトカイン SNPs(TNF -α- 308、IL - 10 - 819、IL - 10 - 1082)がメルティングカーブ分析により分類されました。ライトサイクラー機器を使用してのメルティングピークによる分析は、PCR - SSPよりも迅速で、識別能力も勝っていました。

材料と方法

サンプル試料とDNA分離

2種類の方法を用いて、30人の献血者を3種類のSNPsでスクリーニングしました。30人からのゲノムDNAは、市販のキットで抽出しました。

TNF -α- 308、IL - 10 - 819、IL - 10 - 1082のジェノタイピング

3種類のSNPsはまずシークェンス特異的プライマーによる従来のPCRアッセイでジェノタイピングされました。次に同じ30人の試料が、メルティングピーク分析によるライトサイクラーSNPアッセイで分析されました。

同じプライマー対が、3種類のSNPsの増幅に使用されました。センサープローブは、3’- フルオレセイン、アンカープローブは5’- ライトサイクラー Red 640で標識されました。PCRミクスチャーはファストスタートDNAマスターハイブリダイゼーションプローブで調製しました。Mg2+は4 mM、プライマーは0.5μM、プローブは0.05μMの濃度でした。95℃で8分間のの初期変性ステップの後、PCRは以下の条件で40サイクル行われました:変性(95℃、10秒、ランプ率:20℃ s-1)、アニーリング(55℃、10秒、ランプ率:20℃ s-1)、伸長(72℃、10秒、ランプ率:20℃ s-1)。メルティングカーブは、3種類のSNPの分別に至適な異なるパラメーターで作成しました。

結果

図1a、図1b、図1cはTNF -α- 308、IL - 10 - 819、IL - 10 - 1082のジェノタイピングを同定するためにライトサイクラー機器を使用して得られた、メルティングピーク分析に、それぞれ対応します。
両法で試験された30試料のジェノタイプの構成は同一でした。TNF -αについては、正常群中、相同対立遺伝子的な変異発生率は5%以下です。両アッセイで試験された30試料中に1個のTNF -α変異型(A/A)が見られた事は、発生率が約3%である事を示唆しています。同様に、IL - 10 - 819とIL - 10 - 1082に関しても両法で得られた結果は同じで、初期のレポートに合致しました。メルティングカーブ分析から得られた結果は明瞭で、シークェンス特異的プ ライマーを使用してのゲルでの同定に比べ、評価が非常に簡単でした。PCR - SSPにおける不確かさは、増幅後に分析されるゲル中のかすかな(ゴースト)バンドの原理的な存在によります。これらのバンドは、野生型とミュータント対 立遺伝子のためのプライマーが、3’- 末端で1個のヌクレオチドの違いしかない事に、派生します。ゲルベースのPCRの厳しさは、時に遺伝子型の明瞭な分別を不可能にします。それに比べ、ライ トサイクラーは、メルティングカーブを作成するプローブの効果により、常に明瞭な遺伝子型の判別を与えます。

図1:ライトサイクラーでの3種類のサイトカインプロモーターSNPs、TNF - α - 308(a)、IL - 10 - 819(b)、IL - 10 - 1082(c)のメルティングカーブ分析。
この図は、各SNPsの同形接合および異形接合ピークを示している。

討論

このレポートではライトサイクラーとハイブリダイゼーションプローブを使用しての、3種類のサイトカインSNPsの、分析のために開発されたリアルタイ ムPCRアッセイについて述べました。これらの免疫調節のSNPsは、該当遺伝子のプロモーター部分に存在し、遺伝子の転写に影響を与えている事が観察さ れています。メルティングカーブ分析を用いてのライトサイクラーでのSNPsアッセイは、増幅と特異的プローブによる検出、正常と変異型の溶解温度に基づ く目視による判別が行えます。
初期のレポートは、PCR - SSP、PCR - RFLP、ヘテロデュープレックス分析、インベーダー法を用いました。最近のレポートではPCR - SSP法を選択して、使用しています。この研究では、ライトサイクラーを使用して、迅速で信頼性があり、評価が明瞭で容易な再現性の高い結果を得ていま す。ライトサイクラーテクノロジーは、PCR - SSPなどの他法より、変異と野生型対立遺伝子の間の、迅速で明瞭な判別において利点を持ちます。PCR - SSPで得られるゲルパターンは、不正確な評価をもたらします。この研究において、両法で得られた結果は同様でしたが、信頼性はライトサイクラーとメル ティングカーブ分析の方が高いものでした。結論として、ライトサイクラーでのサイトカインSNPs分析は、容易に研究において使用でき、得られた結果は、 疾患進行の理解やモニタリングに大きな洞察をもたらしました。

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製品名 製品番号 包装単位 希望価格
ライトサイクラー
フルオレセインCPG
3113906 5カラム ¥ 31,400
ライトサイクラー
Red 640 NHSエステル
2015161 1バイアル ¥ 23,800
ライトサイクラー
ファストスタートDNAマスター
ハイブリダイゼーションプローブ
2239272 1キット
(480回反応)
¥111,400

BIOCHEMICA2003NUMBER2(No91)

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