新規の軟骨細胞マーカー -MIA(メラノーマ インヒビトリー アクティビティ)

Tips & Facts

はじめに

MIA(メラノーマインヒビトリー活性)は、ヒトメラノーマ細胞株から分泌性タンパク質としてクローニングされました。MIAは悪性黒色素腫と軟骨細胞 で発現しています。軟骨細胞でのMIAの発現は細胞の分化状態に依存し、またCD - RAP(軟骨由来レチノール酸感受性タンパク質)に指示を受けます。レチノール酸はin vitro での軟骨細胞分化のレギュレーターとして知られています。
最近、MIA欠乏マウスが軟骨の異常形成を示す事が観察されました。

材料と方法

細胞培養

関節軟骨由来のヒト初代軟骨細胞がペニシリン(100 U/ml)、ストレプトマイシン(10μg/ml)、10% FCSを含むDMEM培地中、35℃、5% CO2の 湿った環境下で培養され、80% コンフルエントにおいて1:2に分注されました。軟骨細胞は培養において、自然に脱分化するため、トランスフォーミンググロウスファクター - b(TGF - b)で4日間、細胞の再分化を誘導しました。分化はRT - PCRによるコラーゲン タイプIIの測定により制御しました。ヒト間充織幹細胞は、BioWhittaker Europe(Poietics)より入手し、製造者の記述に従い培養しました。

MIA ELISA

MIAはMIA ELISA(ロシュ・ダイアグノスティックス)により測定し、キット内の内部標準を使用しました。

結果とアプリケーション

軟骨細胞の分化と軟骨疾患のマーカーとしてのMIA

高いレベルのMIA発現が、分化軟骨細胞で観察されました。結果として、MIAは軟骨組織エンジニアリングや軟骨破壊の潜在的マーカーとして評価されました。

軟骨細胞の細胞培養と軟骨組織エンジニアリングにおいて、細胞の分化は注意深くモニターされなければなりません。軟骨細胞の分化マーカーとしては、コ ラーゲン タイプIIの検出が一般的に行われます。しかし、このマーカーの使用は、ELISAでは信頼性が無く、RNA分析においては、抽出操作において細胞が失わ れるという問題がありました。それゆえ、我々はMIAを軟骨細胞のマーカーとして確立しました。

MIAは分泌性の分子で、細胞培養上澄中のレベルを簡単に測定できます。MIA ELISAによる検出は高度に特異的で、高感度、定量的です。ヒト軟骨細胞(図1)や間充織幹細胞(図2)を使用した細胞培養系において、細胞の分化過程がモニターできました。

様々なリウマチ疾患を負った被験者のMIA血清濃度が測定され、健常人および黒色素腫にかかった被験者と比較され、それは炎症性パラメーターや関節破壊 の程度と相関していました。MIA血清濃度の上昇は、リウマチ性関節炎、骨関節炎、HLA B27関連オリゴ関節炎、乾癬の関節炎などの、関節破壊に関連するリウマチ疾患患者に限って見られました。これらのリウマチ疾患の内、MIA血清濃度の最 も顕著な上昇は、リウマチ因子と正の相関を持ち、関節破壊に関与するリウマチ性関節炎患者で測定されました。
それゆえ、MIAは非破壊性のリウマチ疾患からリウマチ性関節炎を区別するために有用でしょう。

まとめ

我々の研究は、MIAが軟骨疾患および細胞培養における軟骨細胞の分化の有用なマーカーである事を示唆しています。改良された適応性のため、MIAは他のマーカーに置き換わる可能性を持っています。

図2.間充織幹細胞の軟骨細胞への分化におけるMIAの発現。
TGF - bを使用しての、ヒト間充織幹細胞(HSMC)の分化は、軟骨細胞の表現型とMIAの発現をもたらした。コントロール(未処理のHMSCs、TGF - b処理および未処理の線維芽球細胞)では、発現は検出されなかった。
図1.MIA ELISAを使用しての、ヒト初代軟骨細胞の細胞上澄中のMIAの測定。
MIA発現の消失は、軟骨細胞の脱分化の間に見られる。MIAの再発現はTGF - bによる再分化の誘導後に検出された。

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製品名 製品番号 包装単位 希望価格
MIA ELISA 1976826 96回反応 ¥104,900

BIOCHEMICA2003NUMBER2(No91)

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