学術的なご相談、資料請求、機器サポートなど、お客様のさまざまなニーズに対応します。
多くのプロテオミクス研究は、多数のタンパク質生産を要求します。LLNL I.M.A.G.E ヒューマン cDNAコレクションなどの、巨大なcDNAコレクションの有効性は、高度に発現された興味のある完全長タンパク質のスクリーニングを行わせます。多くの タンパク質は、本質的に発現量が少なく、可溶性及び細胞毒性を持つか、タンパク質分解に影響を受けるため、低可溶性のin vivo発現収量という結果となります。セルフリータンパク質発現ストラテジーは、これらの問題を克服し、更なる生化学分析のための、より多くの発現タンパク質を得る事が可能となります。
I.M.A.G.Eコンソーシアムなどの巨大cDNAコレクションをプロテオミクス研究に活用するために、我々はRTS 100 E. coli HYキットに基づくセルフリータンパク質発現スクリーニングを開発しました。このキットにはin vitroトランスクリプション/トランスレーション(IVT)反応のために強化されたE. coliエ キストラクトを含みます。IVTの主要な利点は、サブクローニングやバクテリアへの形質転換、発酵を必要としないため、大変迅速な事です。完全な発現スク リーニング操作法は約7時間で完了します。RTS 100での産物は、生化学的な研究に直接使用でき、CECFテクノロジーを使用する事で大容量にスケールアップできます。
テストする発現クローンのセットは、前核細胞遺伝子及びヒトcDNAの両方を含みます。遺伝子は3種類の発現ベクター(pIVEX -2.4b [ロシュ・ダイアグノスティックス]、GFPfolder、pETBlue-2 [Novagen])の内の一つにクローニングされました。
IVT反応は、RTS 100 E. coli HYキットと~100 ngのPCR産物で行いました。BODIPY標識のためには、FluoroTect GreenLys標識tRNA-Lysine-BODIPY(Promega)を、50μlのIVT反応液中に、1μlのFluoroTestの比で加え ました。反応は30℃で3時間インキュベートされました。
IVT産物(5μl)を100μlの尿素融解バッファー(8 M尿素、10 mM トリズマベース、NaPO4、pH 8.0)で希釈し、Bio-Dotブロッティング装置(Bio-Rad)を用いて、真空でPVDFメンブレンにアプライしました。タンパク質の吸着は、尿 素溶解バッファー(200μl)とPBS(200μl)による洗浄に続き、行われました。メンブレンを乾燥させ、検出の前にPBSで1時間洗浄しました。
蛍光検出は、励起波長488 nm、検出波長510 nmを使用し、FluorImager 595(Molecular Dynamics)上の洗浄PVDFメンブレンを、イメージングする事により行われました。
我々は、ハイスループットなタンパク質発現スクリーニングにおいて、迅速で柔軟な操作法を開発しました(図1)。この方法は以下のステップより構成されます:

図1.IVT発現スクリーニング。
a) cDNAクローンからタンパク質検出までの実験スキーム。操作法はわずかngオーダーのcDNAしか必要とせず、1日以内に完了する。b) FluorTect GreenLys試薬の模式図。標識物はアミノアシル化tRNAlys分子とBODIPY蛍光体より構成されている。
ハイスループットフォーマットで発現スクリーニングを実行するために、PCR反応とIVT反応は96ウェルプレートで行われました。産物はバキューム ドットブロット装置でPVDFメンブレンにアプライされ、蛍光あるいは免疫ブロッティングに基づき検出されました。2種類の相補的な検出システムは、ア フィニティ-タグ及び天然タンパク質の両方をスクリーニングする際に有用です。相対的な発現データは48種類のクローンで見られ、IVT反応とスポッティ ングは2重測定で行われました(図2)。定量化されたスポットの強度は、メンブレンのレイアウトと対応する、3次元のヒストグラムで表されました(図 3)。GFP陽性コントロール反応(図2、3のスポットA1、A7)において、平均集積蛍光強度は39,620で、バックグランドは11,510(A2、 A8)でした。46種類の実験反応の内、19個は少なくともバックグランドより1.5倍の蛍光値を現しました。

図2.BODIPY蛍光に基づく発現のドットブロット。
48種の実験クローンと2種類のコントロールがそれぞれ2重に、そのタンパク質発現がスクリーニングされ、蛍光シグナルが観察された。最上段のパネルは陽性コントロール(pIVEX-GFP)の2倍系列希釈を示している。

図3.蛍光の定量。
ヒストグラムのレイアウトは、図2のドットブロットに対応する。列の2重測定物は同色で表される。スポットA1,A7:陽性コントロール(pIVEX- GFP)。スポットA2,A8:陰性コントロール(テンプレート不含)。19個のクローン(41%)がバックグランドより高い蛍光シグナルを再現性良く示 した。
このスクリーニングシステムは、多くの魅力的な特性を持っています。第一に、操作法は迅速で、バクテリアの生育やT7プロモーターをベースにするクローンのサブクローニングを必要としません。第二に、細胞毒性やタンパク質分解に感受性のある、E. coliで の発現レベルが低いタンパク質などがRTSで発現できます(データ未掲載)。第三に、検出システムは柔軟性があり、アフィニティタグを持つタンパク質には タグに対する抗体、タグの無いタンパク質にはFluorTest GreenLysが、使用できます。BODIPY分子はタンパク質の立体構造に影響を与えるので、タンパク質を機能アッセイに使用する場合は、未標識タン パク質の免疫学検出が望ましいでしょう。
最後に、このシステムは、リニアテンプレート作成セットでの2ステップPCR操作を用いる事により、T7プロモーターをベースにしないクローンにも拡張 できます。この柔軟で、ハイスループットなタンパク質発現スクリーニング法は、多数のタンパク質の迅速な分析を可能にし、多くのステップは容易に自動化で きます。それに加え、RTSでの発現タンパク質は、タンパク質相互作用マイクロアレイや生化学的アッセイなどの機能分析に直接使用されました。ハイスルー プットIVTは、発現タンパク質の同定や特性指摘を行う、ラージスケールのプロテオミクス研究に有用でしょう。
| 製品名 | 製品番号 | 包装単位 | 希望価格 |
|---|---|---|---|
| RTS 100 E.coil HYキット | 3186148 | 1キット (24回反応) |
←製品番号をクリック |
| 3186156 | 1キット (96回反応) |
←製品番号をクリック | |
| RTS E.coil リニアテンプレート 作成セット、His-Tag |
3186237 | 1セット (96回反応) |
←製品番号をクリック |
BIOCHEMICA 2003 NUMBER 1(No. 90)
当社のカタログに掲載する製品は、ライフサイエンス分野の研究のみを目的としています。特に明記のない限り、診断用途目的には使用できません。カスタムバイオテック製品は、特に明記のない限り工業原料用のみを目的としています。
本ウェブサイトでは、幅広い利用者を対象とした製品情報を掲載しています。お住まいの国では利用できない製品、もしくは認可を受けていない製品の詳細情報が掲載されている場合もあります。それぞれの居住国における正当な法的手続や規制、登録、慣習法を満たしていない可能性のある情報の閲覧に関しては、当社は一切の責任を負いません。
〒105-0014 東京都港区芝2-6-1