学術的なご相談、資料請求、機器サポートなど、お客様のさまざまなニーズに対応します。
単純ヘルペスウイルス(HSV)は、非流行性の急性焦点性中枢神経系感染の最も一般的な原因です。HSVタイプ1(HSV-1あるいはヒトヘルペスウイ ルス-1(HHV-1))は、口腔咽喉感染や角結膜炎、中枢神経系の感染に関連していますが、HSVタイプ2(HSV-2あるいはHHV-2)は一般的に 生殖器感染を引き起こします。激しく広汎なHSV感染は、免疫妥協の個体や、感染した産道でのウイルス伝染による新生児感染を通して起こります。
両タイプのウイルスは、他の様々な疾患の発病に関与しているとして、討論がされてきました。しかし、従来技術の感度の不足(シェルバイアルアッセイや免 疫学的方法)は、特に難しいサンプルにおいて、これらの関係を評価する研究過程を制限していました。それゆえ、PCRによるウイルスDNAの検出は、注目 すべき別法を提供します。
更なる相関関係の研究を支持し、HSVの病原性や疫学に関する科学的知識を増加させるために、我々はライトサイクラー機器を用いて、研究のアプリケー ションとしてHSV-1と2の検出と分類を行うための、迅速で高感度なPCRアッセイを開発しました。このアッセイはPCRワークフローシステム (MagNA Pure LCとライトサイクラー機器)に、特に適用されており、標準化された条件下で、サンプルの分離から検出まで全過程を自動で行う事を可能にします。
HSV陽性サンプルは、定量化された純粋なウイルス材料(Advanced Biotechnologies Inc., Maryland, U.S.A)をHSV陰性体液に人工的にスパイクする事で調製し、その後、このサンプルをリファレンス材料として使用した。スパイクされたサンプルに加 え、HSV陽性の疑いがある個人からの生殖器と皮膚のスワッブ拭い液を、MagNA Pureトータル核酸アイソレーションキットでのDNA抽出の前に、2 mlの無血清培地にスワッブを再懸濁する事で調製した。
ウイルス核酸の全自動調製は、MagNA Pureトータル核酸アイソレーションキット(200μlのサンプル容量)とMagNA Pureインスツルメントで実施した。精製されたトータル核酸は、50μlの溶出バッファー中に溶出した。
サンプル中のウイルスDNAのPCRによる検出は、PCRアッセイそれ自体の性能だけではなく、分離操作(効率は、単離された核酸サンプル中に存在する インヒビターにより減少します)に依存します。増幅過程に干渉する物質をチェックするために、HSV-特異的内部コントロールが、ライトサイクラーHSV アッセイのために用意されます。
ライトサイクラーHSV 1/2 ICは、プライマー結合部位と、HSVターゲット配列と同様のアンプリコンサイズとGC含量を持つDNAフラグメントです。ICは、ターゲット特異的なア ンプリコンと分別される、単一のハイブリダイゼーションプローブ結合部位を含みます。ライトサイクラー Red 705標識アクセプター蛍光色素を持つハイブリダイゼーション対を使用する事で、ICはライトサイクラー機器のチャンネル3で同時に(同一のキャピラリー 内で)検出されます(デュアルカラー検出)。完全な操作法を制御するために、ICはDNA精製の前に溶解した体液中に加えられ、個々に調製された体液の抽 出及び増幅の内部コントロールとして供されます。
簡便性のために、ライトサイクラーHSV 1/2アッセイの増幅プロフィールとピペッティングスキームは、他のヘルペスウイルス(エプスタイン-バールウイルス)のライトサイクラーアッセイと同一 にデザインされています。この一般的なプロフィールというコンセプトが、様々なターゲットDNAの同時分析を可能にします。
HSV-1(HHV-1)とHSV-2(HHV-2)以外にも、6種類のヒトヘルペスウイルスファミリーが記述されています(VZV/HHV-3; EBV/HHV-4; CMV/HHV-5; HHV-6; HHV-7; HHV-8)。これらのウイルスにはDNA配列とゲノムの再配列の両法に差異があり、PCR増幅のための高度に保存的で、タイプに特異的な部位を選ぶ事が できます。ここに記述したHSVアッセイでは、DNAポリメラーゼ遺伝子のフラグメントがHSV-1とHSV-2の特異的増幅を可能にするために選ばれま した。しかし、保存されているプライマー部位に加え、選択された断片はHSV-1とHSV-2のサブタイプに特異的なそれぞれの部位を示します。ハイブリ ダイゼーションプローブの幅を利用すると、ライトサイクラーシステムでのPCR増幅後のメルティングカーブ分析により、これらの部位はHSVサブタイプの 検出だけでなく分別にも利用できます。
HSV-1とHSV-2アッセイの特異性は、他のヘルペスウイルスや、典型的なサンプル材料で同時に精製されるDNA調製品でのクロスチェック分析により実験的に示されています。
ほとんどのアプリケーション、特に定量的な採取が不可能なサンプルにとって、サンプル中のHSV DNAの定量検出は完全に満足するものです。開始材料中の様々なHSV DNA濃度での、ライトサイクラーHSVアッセイの応用性をチェックするために、人工的にスパイクされた材料を使用しました。段階希釈されたHSV DNAスタンダードの分析は、アッセイが7桁のダイナミックレンジを持ち、約101から109のゲノム相当物/アッセイである事を示しました。95%カットオフ値の決定は、反復測定の95%(プロビット分析)が陽性シグナルを示すコピー数で定義され、検出の低値限界(LOD)は10ゲノム相当物/アッセイ以下である事が明らかにされました。
表1.分析の特異性-クロスチェック分析
| サンプル | HSV-1/2(F2) | 内部コントロール(F3) |
| PC | HSV-1/2 | neg. |
| NTC | neg. | pos. |
| HSV-1 | HSV-1 | neg. |
| HSV-2 | HSV-2 | neg. |
| VZV | neg. | pos. |
| EBV | neg. | pos. |
| CMV | neg. | pos. |
| HHV-6 | neg. | pos. |
| HHV-7 | neg. | pos. |
| HHV-8 | neg. | pos. |
| human gDNA | neg. | pos. |
| Escherichia coli | neg. | pos. |
| Staphylococcus aureus | neg. | pos. |
| Staphylococcus haemolyticus | neg. | pos. |
| Staphylocaccus epidemidis | neg. | pos. |
同じライトサイクラー実験での、HSV-1とHSV-2で観察された融点の反復測定では、測定内の標準偏差がHSV-1とHSV-2で、それぞ れ±0.2℃と0.7℃でした。同様の結果が、異なるライトサイクラー実験(測定間偏差)での反復サンプルの分析時に観察されています。メルティングピー ク温度の特異的な違いが12℃あることにより、両方のHSVサブタイプの分別の明瞭化において、大きな影響はありませんでした。
12個の生殖器及び皮膚のスワッブサンプルからのトータル核酸が、MagNA Pureトータル核酸アイソレーションキットを用いて精製されました。溶出液は、ライトサイクラー機器とHSV 1/2検出キットを用いて、HSV DNAの存在が分析されました(図1)。
図1aに表れている通り、HSV特異的シグナルが4つのサンプルで検出できました。メルティングカーブ分析は、HSV-1とHSV-2サブタイプで観察 されるシグナルの分別を明瞭に行えました。8つのサンプルにおいて、HSV特異的増幅産物並びにHSV-1/2特異的メルティングカーブは観察されません でした(図1b)。しかし、F3チャンネルのIC特異的シグナルの存在が、F2チャンネルで観察される否定的な結果が、HSV DNAの不在によるものである事を明瞭に示唆し、PCR阻害によって引き起こされる擬陰性シグナルと、本当の陰性シグナルとの区別が可能となります。

図1:メルティングカーブ分析によるスワッブサンプルの分析。
HSV-1を含むサンプルは54℃でメルティングピークを示し、HSV-2陽性サンプルは67℃のメルティングピークが観察された。赤(PC;a,チャン ネルF2)で表示されるライトサイクラーHSV 1/2陽性コントロールDNAはHSV-1とHSV-2を重層した、それぞれ54℃と67℃の2つのピークを示す。b)HSV特異的増幅産物やHSV-1 /2特異的メルティングカーブは観察されない。
ライトサイクラーHSV 1/2検出キットは、研究用のアプリケーションにおいて、ヒト単純ヘルペスウイルスタイプ1と2を検出、分別する迅速で信頼のおけるツールです。サンプル と共に精製操作が行われるHSV特異的内部コントロールが含まれ、同じPCR中にHSVターゲットDNAと同時に増幅と検出が行われるため、完全な分離/ 検出の過程が制御できます。これにより、擬陰性結果の精密な評価が行えます。それに加え、密閉チューブの均一なフォーマットが、PCR後の分析の必要性 や、キャリーオーバーコンタミネーションの危険性を除外します。
| 製品名 | 製品番号 | 包装単位 | 希望価格 |
|---|---|---|---|
| ライトサイクラーHSV 1/2検出キット | 3315177 | 48サンプル (60回反応) |
←製品番号をクリック |
| ライトサイクラーEBV定量キット | 3330028 | 48サンプル (78回反応) |
←製品番号をクリック |
| High Pureウイルス 核酸キット | 1858874 | 1キット (100回精製) |
←製品番号をクリック |
| MagNA Pureトータル 核酸アイソレーションキット |
3038505 | 1キット (192回分離) |
←製品番号をクリック |
BIOCHEMICA 2002 NUMBER 4(No. 89)
当社のカタログに掲載する製品は、ライフサイエンス分野の研究のみを目的としています。特に明記のない限り、診断用途目的には使用できません。カスタムバイオテック製品は、特に明記のない限り工業原料用のみを目的としています。
本ウェブサイトでは、幅広い利用者を対象とした製品情報を掲載しています。お住まいの国では利用できない製品、もしくは認可を受けていない製品の詳細情報が掲載されている場合もあります。それぞれの居住国における正当な法的手続や規制、登録、慣習法を満たしていない可能性のある情報の閲覧に関しては、当社は一切の責任を負いません。
〒105-0014 東京都港区芝2-6-1