DIGシステムによるノーザン解析

DIG コーナー

はじめに

転写制御を研究する上で、細胞内mRNAの正確な定量は非常に重要である。大腸菌と出芽酵母(S. cerevisiae)を材料とし、DIGシステムを用いてノーザン解析を行った結果を紹介する。

材料と方法

1)DIG標識プローブの作成

反応条件はPCR DIGプローブ合成キットの推奨する条件を用いてDIG標識プローブを作成した。テンプレートとして精製PCR産物を用い、PCRの条件はテンプレート作 成時と同様にした。作成したプローブは、エタノール沈殿後TEに懸濁し、-20℃で保存した。プローブの長さとしては、200baseから1kb程度のも のを用いているが、いずれも良好な結果を得ている。

2)RNAの抽出

フェノール法を用いた[1]。詳細は文献を参照されたい。

3)メンブレンの作成

RNA(40-1μg)を用いてホルムアルデヒド変性アガロースゲル電気泳動を行った。泳動バッファーはMOPSを用いた。20x SSCを用いてメンブレン(Hybond-N+)へトランスファーしたのち、0.05 N NaOHにより固定した。

4)ハイブリダイゼーション

  1. プレハイブリダイゼーション溶液25ml(5x SSC,5x Denhardt's,0.5% SDS,20μg/ml salmon testis DNA)を使用して、ハイブリ用インキュベーターで65℃、2時間保温する。
  2. 熱変性させたプローブ10 ng程度をプレハイブリダイゼーション溶液に加える。一晩65℃で保温する。
  3. 2x洗浄液(2x SSC,0.1% SDS)により、65℃で5分間洗う。
  4. 0.1x洗浄液(0.1x SSC,0.1% SDS)により、65℃で3時間洗う。途中1時間おきにバッファーを交換する。

図1.出芽酵母由来RNAを用いたノーザン解析
10μg (lane 1),2.5μg (lane 2),0.625μg (lane 3),0.156μg (lane 4) RNAを用いた結果を示す。

5)DIGの化学発光検出

CDP-Star によるDIG検出は、マニュアルに従い行った。通常X線フィルムに露光して記録している。15秒から1分程度で十分なシグナルが得られる。

結果と考察

図1に示したように、1)感度、2)特異性とも良好な結果が得られている。RIと比較して検出のステップが煩雑ではあるが、プローブが安定である点等を考え、筆者の所属する研究室ではDIGシステムに完全に移行した。

参考文献

  1. Aiba, H., Adhya, and B. de Crombrugghe, Evidence for two functional gal promoters in intact Escherichia coli cells. J Biol Chem, 1981. 256(22):p. 11905-10.

(今回、名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻遺伝子発現制御学講座の稲田 利文先生のご厚意によりご提供頂きました。)

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製品名 製品番号 包装単位 希望価格
PCR DIG プローブ合成キット 1636090 1キット
(25回標識)
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Anti-DIG-AP,Fabフラグメント 1093274 150 U(200μl) ←製品番号をクリック
CDP-Star 1685627 1 ml ←製品番号をクリック
1759051 2 x 1 ml ←製品番号をクリック
ブロッキングリェージェント 1096176 50 g ←製品番号をクリック

BIOCHEMICA 2002 NUMBER 3(No. 88)

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