ファストスタートDNAポリメラーゼ -レーザーキャプチャーマイクロダイセクション 試料を用いたRT-PCRに最適

Tips & Facts

はじめに

レーザーキャプチャーマイクロダイセクション(LCM)は、固定組織切片から少量の細胞や細胞サブポピュレーションの分離を可能とする新しい技術です。 そのダウンストリームアプリケーションには、高感度な技術であるRT-PCRを用いた遺伝子発現研究が含まれます。しかし、少量の開始材料を使用する時、 遺伝子の増幅において、高い特異性と感度を得ることが重要です。それゆえ私たちは、LCMにより分離された少量の細胞における、発現実験の定量化での至適 な組み合わせを決定するために、市販のリバーストランスクリプターゼとホットスタートTaq DNAポリメラーゼの比較実験を行うことにしました。

材料と方法

70%エタノールで固定された子宮の8μm 凍結切片から、PixCell レーザーキャプチャーマイクロダイセクションシステム(Arcturus Engineering)を使用して、マウス管腔内皮細胞ポピュレーションを分離した。サンプル当たり100回のレーザーショット(15μm)の平均を使 用し、100-200細胞を得た。トータルRNAは市販のキットを使用して抽出し、3等分した。  cDNAは、ランダムヘキサマーと3社からのリバーストランスクリプターゼを使用して、20μlのトータル容量中で合成した。グリセロアルデヒド-6- リン酸脱水素酵素(GAPDH)の発現を、1μlのcDNAのPCRにより測定した。
GAPDHは20μlのトータル容量で、5種類の異なるホットスタートTaq DNAポリメラーゼ(サプライヤー1,2,3,4,ファストスタートDNAポリメラーゼ)を使用して増幅した。各反応液は各社供給のPCRバッファーと各 0.2μMのプライマー、200μMのdNTPを含んでいる。ファストスタートDNAポリメラーゼ(0.8 U)は、2 mM MgCl2の終濃度で使用した。PCRは95℃で4分間の変性/活性化ステップで開始し、PCRサイクルは95℃、30秒で開始し、60℃のアニーリング 温度、72℃で45秒の伸長温度を続けた。これを40サイクル繰返し、72℃で7分間の最終伸長であった。同様のサイクル条件を他のホットスタートTaq DNAポリメラーゼでも使用した。結果としての300 bpのPCR産物を2%のアガロースゲルで電気泳動し、SYBR green染色をUV光で可視化した。

図1:レーザーキャプチャーマイクロダイセクションで分離した、マウス子宮の管腔内皮細胞の40サイクル以上での、GAPDHのRT-PCRにおける、リバーストランスクリプターゼとファストスタートTaq DNAポリメラーゼの効率の比較。

結果と討論

数種のリバーストランスクリプターゼと、ホットスタートTaq DNAポリメラーゼの効率を比較するために、マウス子宮の管腔内皮LCMサンプルからトータルRNAを抽出しました。cDNA合成は、3種類のリバースト ランスクリプターゼを使用して行われ、GAPDHはファストスタートTaq DNAポリメラーゼを含む、5種類のホットスタートTaq DNAポリメラーゼにより増幅されました。
GAPDH cDNAはそれぞれのケースで増幅されましたが、リバーストランスクリプターゼとホットスタートTaq DNAポリメラーゼ両者を比較した時、効率と特異性に変動がありました(図1)。ファストスタートTaq DNAポリメラーゼによるGAPDHの増幅率は、一般的に、他のサプライアーのホットスタートDNAポリメラーゼに比べ良好でした。しかし、他のホットス タートTaq DNAポリメラーゼでは多く見られる非特異的増幅が、ファストスタートTaq DNAポリメラーゼでは最少でした。それゆえ、ファストスタートTaq DNAポリメラーゼが、LCM試料から抽出されたRNAの至適なPCR増幅に選ばれました。
ファストスタートTaq DNAポリメラーゼは、LCM試料中のエストロゲンレセプターαとβ等の、GAPDHより希少なターゲットの増幅にも成功しています。

Order INFO

製品名 製品番号 包装単位 希望価格
ファーストスタート
Taq DNAポリメラーゼ
2158264 50 units
(25回PCR反応)
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2032902 100 units
(50回PCR反応)
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2032929 2 x 250 units
(250回PCR反応)
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2032937 4 x 250 units
(500回PCR反応)
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2032945 10 x 250 units
(1250回PCR反応)
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2032953 20 x 250 units
(2500回PCR反応)
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BIOCHEMICA 2002 NUMBER 2(No. 87)

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