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Corynebacterium glutamicum やEscherichia coli などのバクテリアは、ブタや家禽への飼料サプリメントとして使用される、L-リジンやL-スレオニンなどアミノ酸の工業的製造に、重要です。我々は、ある 工学的な条件下における、これらのアミノ酸製造微生物が糖をアミノ酸に変換する能力の基礎となるメカニズムに興味を持っています。遺伝子発現パターンの変 化は、これらの製造微生物株の発生において大きな役割を示しています。これらの変化を見つけることは、工業的発酵用の株の改良を達成するための、目標を 絞った代謝デザインを可能にします。
真核細胞のmRNAに比べ、バクテリアのmRNAは、精製に使用できるpolyAテイルを持っていないので、トータルRNAをmRNAの供給源として使 用しました。トータルRNAは、成長の度合いに応じた、約1-5%の様々な量のmRNAを含んでいます。ノーザンブロットやドットブロット、RT-PCR やDNAアレイなどの様々な方法が、バクテリア転写産物の定量に応用できます。これらの方法は、その感度や選択性、ダイナミックレンジや分析数において異 なる性格を持っています。我々の所では、DNAアレイとライトサイクラーでのRT-PCR定量の組み合わせが、調節現象のハイスループット解析に最適なプ ラットフォームでした。DNAアレイは少数サンプル中の多数の転写産物の解析を可能にしますが、ライトサイクラーは限られた転写産物数ですが、多数サンプ ルの分析を可能にしました。
我々の分析システムを保証するために、富栄養および最少培地において生育したC. glutamicum の遺伝子発現パターンにおける変化を厳密に解析した。
Corynebacterium glutamicum 株ATCC13032は、アメリカンタイプカルチャーコレクションから得た。細胞を富栄養および最少培地で生育した。RNAの抽出はRiboLyser(Hybaid, Heidelberg/Germany)と、市販のトータルRNA抽出キットを組合わせて行った。
マイクロアレイはカスタムアレイとして作成した(GeneScan, Europe AG, Freiburg/Germany)。RNAを、Atlas Labeling and Hybridization Systemを用いて標識し、その後ハイブリダイズした。スライドは、Scanarray 4000 マイクロアレイスキャナー(PackardBioscience, Billerica, MA/USA)を用いてスキャンした。
リアルタイムRT-PCRは、ライトサイクラー機器でのLightCycler RNAアンプリフィケーションキット SYBR Green Iで行った。すべての計測は独立して3回繰り返された。PCR産物の増幅は、メルティングカーブ分析とその後の電気泳動で確認した。反応条件は、メーカー の説明書に従った。データ解析はライトサイクラーソフトウェア バージョン3.5を使用して行った。
この研究において、富栄養および最少培地で生育した細胞の遺伝子発現パターンにおける変化を解析しました。DNAアレイの使用により、ある実験条件下で 発現が変化した大量の遺伝子が見つかりました(データ不掲載)。この技術の利点は、数千の遺伝子における遺伝子発現を、同時に分析できることです。DNA アレイによって得られたデータの主な欠点は、感度が限られることと、統計的に満足できるデータを得るためには多くの実験を再現しなければならないことで す。我々の所では、明瞭にバックグランドより高いシグナルのダイナミックレンジは、2-3桁と限られたものでした。これは、マイクロアレイ解析で得られた 遺伝子調節因子について、真実を圧縮した形で見ていることを意味します。それゆえ、DNAアレイは、調節過程の半定量的様相の、集積のために選択される方法です。

図1:a)500 ngから50 fgのトータルRNAの、希釈系列中の16S rRNAの検出。
分析は少なくとも4桁のダイナミックレンジを示している。
b)培地組成に依存し特異的に転写された遺伝子のリアルタイムRT-PCR分析。
オープンリーディングフレーム(ORF)2530の転写は、富栄養培地に比べ最少培地中でORF2703の転写が誘導され、ORF2703の転写が抑制されても、変化しない。
DNAアレイで見つかったターゲット遺伝子がライトサイクラーによるRT-PCRで確認されました。最初に、このシステムの基礎的なパラメーターを特徴 付けるために、LightCycler RNAアンプリフィケーションキット SYBR Green Iを使用して、トータルRNAの段階希釈中の、16S rRNAの検出可能な量を測定しました。ライトサイクラーによる分析は4桁のダイナミックレンジを示し、祖の検出限界は0.5 pg以下でした(図1a)。SYBR Greenを使用する方法は、DNAアレイ用のプローブを作成するためのプライマーが、1ステップRT-PCR定量にも使用できるという利点を持っていま す。約75%のケースで、PCRプライマーは、実験条件の至適化の必要無く、満足な結果を与えました。
転写産物の比較定量における重要なトピックは、データの標準化に使用される内部コントロールです。様々な培地で生育し、異なる生育相で採取された、様々 な微生物株中のトータルRNA中の量が一定である転写産物はないことを、我々は明らかに見出しました。それゆえ、16S rRNAの量の測定と同様に、未調節および特異的に調節された転写因子の同時観察を行う統合的なアプローチを選択しました。図1bは16S rRNAのシグナルと同様に、誘導および抑制、未調節遺伝子の分析を示しています。この試みの目的は、変動とそれによる調節活性の確実な姿を得るためで す。85%以上のケースで、アレイのデータはRT-PCRにより確認することができました。
ライトサイクラーによる定量RT-PCRの高い精密性は、DNAアレイデータのバックグランドノイズに隠れている小さな調節イベントも十分に検出可能と します。それゆえ、興味のある転写産物を知るために、遺伝子調節における微弱な差異が、多くの実験的プローブにより検出できます。
DNAアレイとライトサイクラー解析の組み合せは、バクテリア細胞の転写産物を、特異的で高感度並びに再現性良く、分析させます。トランスクリプトーム 分析とプロテオミクス、メタボロミクスの組み合せは、いかにバクテリア細胞にアミノ酸やビタミンなどの、工業的に重要な成分を製造させるかということに、 新しい視野を得させるでしょう。Corynebacterium glutamicum より得られた知識はすでに、我々の製造過程を改良させ、将来もより多くの収穫が期待できます。
| 製品名 | 製品番号 | 包装単位 | 希望価格 |
|---|---|---|---|
| LightCycler RNA アンプリフィケーションキット SYBR Green I |
2015137 | 1キット(96回反応) | ←製品番号をクリック |
BIOCHEMICA 2002 NUMBER 1(No. 86)
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