MagNA Pure LC DNAアイソレーションキット II(組織用)    -全自動DNAアイソレーションへの新しいツール

ライトサイクラー/MagNA Pure LC コーナー

はじめに

MagNA Pure LCシステムの可能性を広げるために、様々なタイプの組織からDNAを分離する、新しいキットが開発されました。このプロトコールは、ロータースターラー やビーズミル、乳鉢/乳棒、および特殊な組織溶解バッファーなどのよく確立されたホモジェナイズ法を使用しての組織サンプルの機械的破砕と溶解という、わ ずか1ステップのマニュアル操作しか含んでいません。以下のすべてのDNA分離操作は、磁性体粒子テクノロジーに基づくMagNA Pure LCにより、全自動で行われます。最初に、細胞が溶解され、タンパク質がプロティナーゼKにより分解されます。次に特殊な溶解/結合バッファーと磁性体粒 子(MGP)が加えられます。DNAはMGP表面に結合し、数回の洗浄操作で精製されます。最終的に、DNAは高温での特殊なバッファーで溶出されます。 キットは様々なタイプの組織でテストされています。これらのテストには、DNAの重合度、終了、再現性、スケーラビリティ、クロスコンタミネーション、他 法との比較などの基準試験が含まれます。

材料と方法

組織のホモジェナイズ

maxで 10-60分)でホモジェナイズした。ほとんどのケースで、それぞれのホモジェナイズ法のデッドボリュームを補正し、複数の試料における分析が可能となる ように、サンプル操作を数回実施した。あるサンプルでは(マウス尾)では、1回の分離当たり25 mgの組織が試された。

オプションのRNase消化ステップ

いくつかの組織は多量のRNAを含んでいる。これらの組織からRNAが共抽出されるのを防ぐために、RNase A溶液をライセートに加え、65℃で15分間インキュベートした。これは、より信頼性のある精製DNAの光学的定量を可能とした。

MagNA Pure LCでのDNAのアイソレーション

次にライセートをMagNA Pure LCのサンプルカートリッジに移し、必要な器具とキット試薬をワークステーションに装着し、全自動DNA分離を開始した。MagNA Pure LCはプロティナーゼK消化やDNAの結合、洗浄ステップ、精製DNA溶出、冷却保存カートリッジへの移送などの、すべての分離と精製ステップを自動的に実行した。

分離したDNAの分析

分離したDNAの重合度は1%アガロースゲルと分子量マーカー IIでチェックした。DNAの収量はOD260 nm測定から計算し、純度はOD260 nm/280 nmの比を計算することで評価した。DNAの増幅可能性をチェックするために、ライトサイクラーでのPCRをサイクロフィリンA特異的プライマーとハイブリダイゼーションプローブで行った。

結果と討論

DNAの重合度

様々な組織からのDNAのアガロースゲル分析は、DNAの重合度が高いことを示しました(図1)。単離したDNAの分子量域は通常10-20 kbで、機械的な組織ホモジェナイズの強度に大きく依存していました。

図1. DNAの重合度:DNAは様々なタイプのマウス組織から分離され、1% アガロースゲルで分析された。すべてのサンプルは三重分析された。

収量と純度

OD分析は、10 mgの組織から40μgまでのゲノムDNAが得られることを示しました(表1)。収量はフィルターチューブ法と同等か、より高いものでした。OD260 nm/280 nmの比は1.8 ± 0.1で、高い純度のDNAであることを示しています。

表1:様々なマウス組織から分離されたDNAの収量、純度、ライトサイクラーでのPCR結果。

組織のタイプ 量(mg) DNAの収量(μg) 純度(OD260 nm/280 nm
肝臓 10 18 1.7
腎臓 10 18 1.8
脾臓 10 10 1.7
10 40 1.9
10 22 1.7
10 16 1.7
筋肉 10 4 1.7
肺臓 10 25 1.8

再現性

様々な組織からの6回から32回の繰返しによる、DNAの単離は優秀な再現性を示しました。収量と純度の変動係数(CV)は10%以下で、ライトサイクラーでのクロッシングポイントに関しては、CVは3%以下でした(図2)。

図2. 様々なマウス組織から分離したDNAのライトサイクラーによるPCR。
すべてのサンプルは6回分析された。

スケーラビリティ

DNAは様々な量のマウス組織(1-10 mg)から分離されました。ゲル、ODおよびライトサイクラーでのPCR分析は、よいスケールラビリティを示していました(図3と4)。いくつかの組織 (肝臓、腎臓、尾、筋肉、耳)では、25 mgまでの開始材料が使用され、よい結果で実行されました。

図3.収量(OD260 nm)のスケーラビリティ。DNAは1、2、5、10 mgのマウス肝臓から分離され、収量はOD260 nmで測定された。
図4. 収量のスケーラビリティ(ライトサイクラーでのPCR)。
DNAは1、2、5、10 mgのマウス肝臓から分離され、定量的なライトサイクラーでのPCRで分析された。クロッシングポイントは、注入したDNA量を反映している。

クロスコンタミネーション

MagNA Pure LCサンプルカートリッジのウェルに交互に、5 mgのマウス肝臓からの組織ライセートを入れ、その隣のウェルにはバッファーを満たしました(チェッカーボードパターン)。Mag NA Pure LCでの分離とその後のライトサイクラーでのPCR分析により、16バッファーサンプルにはクロスコンタミネーションが見られず、16組織サンプルは期待 通りのシグナルを示しました(データ不掲載)。

まとめ

MagNA Pure LC DNAアイソレーションキット II(組織)は、様々な組織からの効率的で全自動の、DNA分離に大変有用なツールです。マニュアル操作は、組織のホモジェナイズのみで、この操作も FastPrepやRibolyzerなどの半自動的方法が使用できます(32サンプルで15-30分)。プロティナーゼKインキュベーションなどを含む その他の操作は、MagNA Pure LCシステムにより43-105分間で、全自動的に行われます。分離されたDNAは高品質で、PCRを阻害しません。再現性も素晴らしく、クロスコンタミ ネーションも見られません。それゆえ、本キットはMagNA Pure LC/ライトサイクラーに新しいアプリケーションをもたらし、核酸分析をよりシンプルにします。

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製品名 製品番号 包装単位 希望価格
MagNA Pure LC
DNAアイソレーションキット II(組織)
3186229 1キット
(192回精製)
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MagNA Pure LC
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BIOCHEMICA 2001 NUMBER 3(No. 84)

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