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最近まで,in-vitroでのタンパク質合成は分子生物学におけるクローン遺伝子の同定の保証や,タンパク質間,タンパク質-核酸相互作用などのアプリケーションに用いる分析技術となっていました.この技術は数時間で,通常その後の分析のために,アイソトープで標識される少量(10-100 ng) の可溶性タンパク質を供給します.細胞をベースとする発現に関する多くの問題,発現産物の不溶性や凝集および毒性などを解決するために,セルフリーシステ ムをタンパク質の製造に用いるのは,より望ましい事です.そのポテンシャルにもかかわらず,セルフリー発現システムのアプリケーションは,その低収量のた め,限られたものとなっていました.
このレポートでは,最新のセルフリータンパク質合成システムである,ロシュ・ダイアグノスティックスのラピッドトランスレーションシステム(RTS500)を,酵素的に活性のあるヒトプロテインチロシンホスファターゼ 1B(PTP1B)をモデルタンパク質として,発現実験に使用しました.RTS500は,多量スケールのタンパク質発現のために,連続交換in vitroトランスクリプション/トランスレーション(CECF) 技術を利用しています.この技術において,トランスクリプションとトランスレーションは温度コントロール機器内で同時に起こります.反応に必須の基質とエ ネルギー成分は,半透膜を通して連続的に供給されます.それと同時に,反応を阻害する恐れのある副産物は,同じ膜を通して拡散により希釈されます.結果と して,タンパク質合成は一定の割合で24時間維持され,多量(数百μg)のタンパク質が合成できます.ここでは,in vitroで合成されたPTP1Bの酵素的性質が,E. coliより生成された組換えタンパク質と比較されました.
pIVEX2.4/PTP1Bは,NotIとSmaIで切断されたN-末端にHis6タグを含むpIVEX2.4b Ndeベクターに,ヒトPTP1Bのアミノ酸1-320をコードしたPCR増幅産物のクローニングにより構築されている.
In vitro合成は,ロシュ・ダイアグノスティックスのRTS500コントロールユニットとE. coli環状テンプレートキットを用いて行った.典型的な反応は1.0 mlの容量に15μgのプラスミドを加え,150 rpmで攪拌しながら37℃で20時間行った.
E. coliでの発現には,ヒトPTP1Bの1-320残基をコードしたpET/PTP1B DNA(Roche, NutleyのDr. S. Wertheimerより供与)をBL21(DE3)にトランスフォームした.細胞を,OD600が0.5から1.0の間まで生育し,IPTGを終濃度1.0 mMになるように加えて,タンパク質の発現を誘導した.
ヒトPTP1Bと(His)6-PTP1Bの精製
E. coliよりの組換えPTP1Bは前述の方法で精製した.In vitroで合成した(His)6-PTP1Bは,ロシュ・ダイアグノスティックスのRTS500の使用説明書を以下のように改変し,精製した.バイオラッドのPoly-Prepカラムに0.6 mlのNi-NTAアガロース(Quiagen)を充填し,1.5 mlのフラクションを採取した.
ホスファターゼ活性の測定
活性は50 mM Bis-Tris,,pH 6.0,150 mM NaCl,2.5 mM EDTA,0.1% BSA,2 mM DTTと50 mM p-NPPを含むバッファーの全量500μl中で測定した.反応は30℃で10分間インキュベートし,等量の2N KOHを加える事で停止した.遊離のp-ニトロフェノール量を405 nmの吸光度で測定した.
PTP1Bの触媒活性のIC50測定
50%阻害濃度(IC50)は,酵素活性の50%阻害を引き起こす成分濃度である.IC50アッセイは,Caliper Lab-On-A-Chipスクリーニングシステム(Mountain View,USA)を用いて行われた.PTP1B阻害剤としては,28390-83を使用した.
PTP1Bはロシュ・ダイアグノスティックスのRTSシステムを使用してin vitroで,N-末端にHis6タグがついた可溶性の形状で合成されました.タンパク質は,1ステップ精製で95%以上の均一さで精製されました(図1).3回の反応からの精製タンパク質の平均収量は,~250μg/mlと測定されました.また,E. coliでヒトPTP1B触媒ドメインを過剰発現させ,従来の3カラムクロマトグラフィー精製スキームで,明瞭な均一性が得られるよう精製しました.
In vitroで作成した(His)6-PTP1Bタンパク質とE. coliからの組換えPTP1Bタンパク質の酵素的性質を比較するために,両方のタンパク質でホスファターゼ活性アッセイとIC50測定を行いました.結果は,両方のタンパク質は酵素活性と阻害プロフィールにおいて,同等である事を示しています(図2).
従来の発現と精製法に比べて,RTS500は迅速で信頼性が有り,再現性が高いものです.このシステムで合成されたタンパク質の量は,生化学的および酵素学的研究に十分な量でした.
我々は,薬剤の発見工程を改善するための,ハイスループット・スクリーニングとタンパク質製造における,RTS500の有効性を論証しました.新しいスクリーニング技術と迅速なin vitroタンパク質合成の組み合わせは,新規医薬品の発見において重要な役割を果たすでしょう.またRTS500は,全自動ハイスループットやタンパク質製造のスケールアップの可能性を秘めており,多数の遺伝子を迅速かつ経済的に発現する必要のある,プロテオミクスやファンクショナルゲノミクスを含む多くの研究分野で,有用なツールとなるに違い有りません.
製品名 |
製品番号 |
包装単位 |
希望価格 |
RTS500 コントロールユニット |
1台 |
¥700,000 |
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RTS500 E.coli(環状テンプレート用) |
1 kit |
¥128,000 |
Þ 詳細はインターネットで!!→ http://www.proteinexpression.com/
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