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RNAターゲットの高感度な検出・定量法は、現代の分子生物学で重要なツールとなっています。RNAはPCRの直接のテンプレートとならないため、cDNA逆転写した後PCR増幅(RT-PCR)しますが、RT-PCRには2種類の主な戦略があります。それは1ステップRT-PCRと2ステップRT-PCRです。
1ステップRT-PCRでは、cDNA合成と増幅の両方のステップを同じチューブ内で、同一のターゲット特異的プライマーでの反応を組み合わせて行いますので、RTとPCRの間にチューブを開ける必要がありません。1ステップ反応の主な利点は、正しい酵素を選べば最大の感度が得られ、取扱いの時間と手間およびコンタミネーションの危険性を減らせる事です。ハイスループットやルーチンのRNA検出には1ステップRT-PCRが行われます。
ロシュ・ダイアグノスティックスではこのたび、2種類のライトサイクラー用の高感度1ステップRT-PCRシステムを提供します。2つのシステムはSYBR Green Iとハイブリダイゼーションプローブ検出フォーマットです。
新しいライトサイクラー RNAマスターキットは、必要なすべての構成分を含むレディツーユースの、“RNAホットスタート”反応ミックスを使用しています。“RNAホットスタート”は、Tth DNAポリメラーゼとアプタマーを組み合わせて行われます。Tth DNAポリメラーゼは、リバーストランスクリプターゼとDNAポリメラーゼ活性を持つ耐熱性酵素で、一本のチューブ内でのRTとPCRの組み合わせを可能とします。 アプタマーはポリメラーゼの活性中心に結合するオリゴヌクレオチドで、酵素の至適反応温度以下では核酸ターゲットが活性中心に付く事を防いでいます。より高い温度で、アプタマーは酵素から遊離し、RTが開始されます。アプタマーによる“RNAホットスタート”は大変効率的で、更なるインキュベーションやピペッティングステップ、反応時間の延長などを必要としないため、非常に簡便です。アプタマーによる“RNAホットスタート”は他の酵素反応や増幅産物のオンライン検出、その後の操作ステップには干渉しません。
改良されたライトサイクラー RNAアンプリフィケーションキットは、酵素ミックスや反応バッファーを含む、至適化された1ステップRT-PCR試薬です。酵素ミックスは逆転写のためのAMVリバーストランスクリプターゼと、PCRステップのためのTaq DNAポリメラーゼを含みます。反応バッファーは必要なすべてのバッファー成分、dNTP、基本レベルのMgCl2を含んでいます。バッファーミックスの至適化はこのキットの主要な改良点でした(図2)。
新しい高分離能溶液がライトサイクラー RNAアンプリフィケーションキット SYBR Green Iキットに含まれており、高次構造(GC-リッチテンプレート)のテンプレートでの性能を改良しました。
ライトサイクラー RNAアンプリフィケーションキットによる1ステップRT-PCRは、コストパフォーマンスと信頼性が要求される、標準的RNAのルーチンアプリケーションにおいて大変有用です。
最も高い感度が要求される場合、ライトサイクラー RNAマスターキットが最初の選択肢です。ほとんどすべてのアプリケーションで、傑出した感度をもたらします。ウイルスRNAの検出は、これらのキットの最も重要なアプリケーションの一つです。ただRNAアンプリフィケーションキットもかなり良い感度を示します。TGF-βの例に示されるように、これらのキットは複雑なターゲットを処理でき、これらのアプリケーションで高い感度を保証します。様々なターゲットの転写と発現レベルは5 pgという少量のトータルRNAで検出できました。これはヒト細胞中のRNAの10分の1に相当します(図3)。
両方のシステムとも、困難な配列(二次構造、GC-リッチシークェンスなど)のテンプレートを増幅する事ができます。ライトサイクラーRNAマスターキットは高いRT温度のために、いかなる調整も必要としません。“RNAホットスタート”は、最初の熱ステップでの非特異的な伸長を避ける事ができるため、より高い特異性を実現する事により、タフさに貢献します。
ライトサイクラーRNAマスターキットは、必要な試薬をすべて1バイアルにミックスしているため、RT-PCRに おいて最も簡便な方法です。ピペッティングステップとコンタミネーションの危険性が、最小限となっています。このキットは高い温度においても、優れた安定 性を持っています。ピペッティングにおいて温度コントロールを厳密にする必要がありませんので、オートピペッターが使用できます。Tth DNAポリメラーゼは室温では不活性ですので、ホットスタートはこのセットアップを支持します。
すべてのライトサイクラーキットは、熱不安定性UNGによるコンタミネーションの除去が可能です。
新規のライトサイクラーRT-PCR反応の確立には、最初にRNAマスターキットを選択する事が推奨されます。これらのキットは広い範囲のターゲットに対して、最も高い感度を示し、タフな上に簡便です。“RNAホットスタート”と共に、広い範囲のターゲットでの最高感度を達成するためには、最良の選択です(表1)。しかしTNF-βに示されるように、 いくつかのターゲットではRNAアンプリフィケーションキットが、他のシステムよりも良い結果を得ています。
要求されるもの |
推奨されるキット |
|
| RNAマスターキット | RNAアンプリフィケーションキット | |
| 最高の感度 | +++ | ++(+)* |
| “RNAホットスタート” | +++ | - |
| 高温での安定性 | +++ | - |
| 簡便性 | +++ | ++ |
| 複雑なターゲットでの選択肢 | +++ | ++ |
*ターゲットによっては至適化後、RNAマスターキットと同等の感度が観察された。
| 製品名 | 製品番号 | 包装単位 | 希望価格 |
| ライトサイクラー RNAマスター SYBR Green I | 3064760 | 1キット (96回) |
\52,000 |
| ライトサイクラー RNAマスター ハイブリダイゼーションプローブ | 3018954 | 1キット (96回) |
\51,000 |
| ライトサイクラー RNA アンプリフィケーションキット SYBR Green I | 2015137 | 1キット (96回) |
\50,500 |
| ライトサイクラー RNA アンプリフィケーションキット ハイブリダイゼーションプローブ | 2015145 | 1キット (96回) |
\49,600 |
相互転座、t[14;18]の主要ブレークポイント部位(mbr)の最も迅速な検出と定量法
相互転座、t[14;18]は、第18染色体のB細胞リンパ腫 2オンコジーン(bcl-2)と、第14染色体の免疫グロブリンの重鎖遺伝子座(IgH)に関係しています(図1)。第18染色体のbcl-2遺伝子上の2種類のブレークポイントが知られていますが、主要なブレークポイント部位(mbr)はbcl-2遺伝子のエクソン3の3’-非転写部位の200 bpセグメントに局在しています。第18染色体のブレークポイントの70%は、この部位に密集しています。マイナークラスター部位(mcr)は、約800 bpセグメント内のmbrから20 kb以上の下流に局在しています。第14染色体のブレークポイントは、ヒトIgH遺伝子座の6種類のJHセグメントの一つの5’-末端にあります。転座は、bcl-2の制御を外れた発現による、プログラムされた細胞死の防止をもたらします。ライトサイクラーt[14;18]定量キットは、この主要ブレークポイント部位(mbr)を特異的に検出します。
この転座の従来の分析は、時間のかかる2種類のプロセスで行われていました。それは最初の増幅反応に続くアガロースゲルでの分析です。また、PCR産物はサザンハイブリダイゼーションでも分析されます。
ライトサイクラーによるt[14;18]転座の定量的検出は、蛍光色素を標識したハイブリダイゼーションプローブを用いての、リアルタイム検出に基づいています。検出は1ステップで、1時間以内に処理できます。t[14;18]の主要ブレークポイント部位(mbr)の200 bp DNAフラグメントは、特異的プライマーによって増幅されます。アンプリコンはハイブリダイゼーションプローブが生み出す蛍光によって検出されます(図2)。
同一のDNA調製品を別のキャピラリーで用いる事で、組織性プラスミノーゲンアクチベータ(tPA)をコードするDNAがハウスキーピングジーンとして使用されます。反応産物はPCR反応のコントロール及び相対的定量のリファレンスとされます。
ライトサイクラーt[14;18]定量キットは、操作に必要なすべての試薬を含んでいます。すべてのプライマーやハイブリダイゼーションプローブはレディツーユースの検出ミックスとして供給され、含まれるキャリブレーターDNAにより、信頼性があり再現性の高いデータが作成できます。増幅反応は、ファストスタート DNAポリメラーゼで行われるため、最高の特異性と感度で行えます。
△転座を保持する細胞株DOHH2由来のDNAを用いて、20コピー以下のt[14;18]転座のmbrフラグメントを検出します。
△5 x 104から1 x 105の末梢血リンパ球から1個のt[14;18]転座ポジティブ細胞を検出します。
△典型的な実験において、3種類のDNA濃度でt[14;18]転座を測定し、1濃度毎に2回測定しました。クロッシングポイントのCVとして表現される、測定内変動(CV)は2%以下、測定間CVは5%以下でした。
△アッセイの直線測定域は、不死細胞株DOHH2由来のt[14;18] DNAの102から105コピーでした。
▲t[14;18]転座のmbrフラグメントの定量的検出が可能です。
▲ハウスキーピングジーンであるtPAと相関するt[14;18]発現レベルの測定が可能です。
▲標準化した不死細胞株DOHH2からのDNA量に相対するt[14;18]発現レベルを標準化でします。
▲結果は1時間以内に得る事ができます。
▲すべての必要な試薬は機能試験済みで、レディツーユースのマスターミックスは、更なる至適化操作を必要とせず、直ちに使用可能です。
▲結果は1時間以内に得る事ができます。
| 製品名 | 製品番号 | 包装単位 | 希望価格 |
| ライトサイクラーt[14;18]定量キット | 3062651 | 1キット(96回) | ご照会 |
| 転座研究の関連製品 | |||
| ライトサイクラーt[9;22]定量キット
BCR-ABL融合転写産物の相対的定量 |
2207206 | 1キット(96回) | \98,000 |
ライトサイクラー-NAT2ミューテーション検出キット
ゲノム薬理学研究-N-アセチルトランスフェラーゼ 2遺伝子の主要な4種類のSNPsの同時ジェノタイピング
薬剤の代謝酵素におけるSNPsやその他のDNAの変動は、薬剤作用の副次効果や変動、非適合性に関連していると考えられます。これは特に薬剤のアセチル化に関与する酵素に対して正しい事です。薬剤のアセチル化における変動は、一般的にN-アセチルトランスフェラーゼ 2(NAT2)の発現の制御によっています。いくつかの多型現象は異なるNAT2遺伝子発現パターンを導き、緩慢なアセチル化のフェノタイプに関与しています。今や、LightCycler-NAT2ミューテーション検出キットによりNAT2遺伝子の主要な4種類の多型現象が検出できるようになりました。このキットにより、2種類のプライマー対と4種類のハイブリダイゼーションプローブを使用する事で、NAT2遺伝子のSNPsが非常に迅速・簡便に行えるようになりました。他のパラメータ特異的キットと同様、NAT2定量キットもライトサイクラーのメルティングカーブ分析機能を使用して、SNPsのジェノタイピングを可能としています。メルティングカーブ分析の間、ライトサイクラーは1本鎖DNAへのシークェンス特異的ハイブリダイゼーションプローブの、温度依存的ハイブリダイゼーションをモニターしています。増幅とジェノタイピングが密封された同一のキャピラリー内で行われるので、PCR後の操作はまったく必要が無く、コンタミネーションの危険性を最小限にしています。ヘパリン、クエン酸、EDTA処理血液から分離されたDNAが広い濃度域でサンプルとして使用でき、曖昧でないジェノタイピングの結果が得られます。
ライトサイクラー-NAT2ミューテーション検出キットは、ヒト-N-アセチルトランスフェラーゼ 2遺伝子の主要な4種類の多型現象(NAT2*5A,NAT2*6A,NAT2*7A/B,NAT2*14A)を同時に検出できます(図1Aと1B)。これは、キット内のハイブリダイゼーションプローブミックスによる、2色実験を行う事により達成されます。このミックスにはLC-Red 640を標識した、481位(NAT2*5A)の塩基置換(C→T)と590位(NAT2*6A)の塩基置換(G→A)を検出する、2種類のシークェンス特異的ハイブリダイゼーションプローブを含みます。またLC-Red 705を標識した、191位(NAT2*14A)の塩基置換(G→A)と857位(NAT2*7A/B)の塩基置換(G→A)を検出する、2種類のシークェンス特異的ハイブリダイゼーションプローブも含みます。前もって保存しておいた色校正ファイルが、この2色ジェノタイピング実験に必要です。この色校正ファイルの作成はLightCycler 色校正セットによって行われ、同一のキャピラリー内でLC-Red 640と705で標識されたハイブリダイゼーションプローブを使用する際に発生する、チャンネル間のクロストークを除去します。異なるジェノタイピングを明確な識別する事は、チャンネル2と3でのメルティングカーブ分析で行われます。このキットは、薬剤や毒物への個別の応答におけるNAT2遺伝子の多型現象の関連を、明確にするツールとして意図されています。
ライトサイクラー-NAT2ミューテーション検出キットは32回のシークエンス特異的検出反応用プレミックス試薬、評価のための陽性コントロールテンプレート、PCRグレード蒸留水を含む簡便なキットです。4種類の主要なSNPsのジェノタイピングに必要な時間は、32反応で40分以内です。
ライトサイクラー-NAT2ミューテーション検出キットを使用する事で、
| 製品名 | 製品番号 | 包装単位 | 希望価格 |
| ライトサイクラー-NAT2ミューテーション検出キット | 3119914 | 1キット (32回) |
ご照会 |
| 色校正セット | 2158850 | 5回校正分 | \16,000 |
当社のカタログに掲載する製品は、ライフサイエンス分野の研究のみを目的としています。特に明記のない限り、診断用途目的には使用できません。カスタムバイオテック製品は、特に明記のない限り工業原料用のみを目的としています。
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