DIG標識PCRプローブによる心筋生検のノーザンブロット分析

アブストラクト

ノーザンブロットでのmRNA同定における簡便なNon-RI法確定するため、化学発光検出と組み合わせて、PCRによるジゴキシゲニン(DIG)標識 cDNAをプローブとして使用した。cDNAは、少量の心筋生検中に存在する、数種のmRNAに対するプローブとしてデザインされた。トータル RNA(5-10μg)をゲルにアプライし、+チャージのナイロンメンブレンにブロットした。メンブレンを25-200ng/mlのDIG標識プローブと ハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーションの後、ハイブリッドをCSPDで化学発光検出した。定量分析はNIGイメージ1.6ソフトウェアで行い、 28S遺伝子の発現で結果を標準化した。

はじめに

特定のmRNAの同定は通常、32P標識cDNAとのハイブリダイゼーションによるノーザンブロット分析で行わ れます。数々のNon-RI法が、拡散のブロッティングのために開発されています。ここでの研究の目的は、少量の心筋生検での遺伝子発現の分析に、高感度 で半定量性のあるNon-RI法を開発することです。我々はここで、cDNAプローブをPCRでDIG標識し、ノーザンブロットで心房性ナトリウム利尿因 子(ANF)、脳ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、熱ショックプロテイン(HSP)遺伝子を分析した方法を報告します。結果の標準化には、28S遺伝子 の発現が用いられました。

材料と方法
RNAの抽出

トータルRNAは心筋生検から、Chomczynski と Sacchi の開発したワンステップRNA分離法を改良した TriPure アイソレーション試薬により分離された。分離されたトータルRNAは分光光度計で定量され、200ng/μlの濃度に希釈された。異なるRNAサンプルの 希釈物を1本にプールした。
ノーザンブロット分析では、5-10μgのトータルRNAを変性条件の1.5%アガロースゲルで分離し、+チャージナイロンメンブレンにブロットした。UVクロスリンクを行った後、トランスファーが完全であることを確認した。

プローブのラベル

200ng/μlのRNAプールよりcDNAを逆転写し、次に Taq DNAポリメラーゼにより増幅した。逆転写はターゲット配列に特異的なプライマーを用いて、42℃で1時間行った。PCR条件はそれぞれのターゲット遺伝 子毎に調節した。PCRの間にcDNAプローブはDIG-11-dUTPの取り込みにより標識される。PCR断片を6%アクリルアミドゲル電気泳動都銀染 色で確認した後、ゲルから溶出した。その後、高純度エタノール沈殿を行った。

DIG-cDNAの収量検定

DIG-cDNAをDNA希釈バッファーで200倍に希釈し、1μlのサンプルと1μlの標識コントロールDNAをナイロンメンブレンにスポットする。 CSPD基質を用いて検出し、スポットをデンシトメーター分析(NIHイメージ1.6ソフトウェア)で定量する。サンプルと標識コントロールの比により標 識物の収量が検定できる。

ハイブリダイセーションと定量

DIGイージーハイブあるいは50%フォルムアミドを含む標準バッファー中で42℃、2時間プレハイブリダイゼーションした後、100cm2当 たり6mlのDIGイージーハイブあるいは50%フォルムアミドを含む標準バッファー中で42℃、オーバーナイトでハイブリダイゼーションを行う。DIG 標識cDNAプローブは25ng/mlから200ng/ml濃度域で使用した。フィルターはCSPD基質で検出し、定量分析はNIHイメージ1.6ソフト ウェアで行った。

 

図1. DIG標識プローブでのヒトmRNAの検出。

 ANFとBNPのmRNA;ヒト右心房より10μg。
 レーン1: ヒト右心房より30μg。
 レーン2: ヒト右心室より5μg。
 レーン3: ヒト右心室より10μg。

結論

PCR間のDIG-11-dUTPの取り込みは、cDNAの標識において大変簡単な操作法である。プローブは大変高感度で高収量であった。少量の心筋生検からの少コピー数のRNAをノーザンブロット分析する事は、RIを使用しなくても可能となった。

Order INFO

製品名
製品番号
包装単位
希望価格
TriPureアイソレーション試薬
50 ml
¥19,400
200 ml
¥64,400
ナイロンメンブレン、+チャージ
20枚(10x15cm)
¥24,200
10枚(20x30cm)
¥48,500
1ロール(0.3x3m)
¥61,500
Taq DNAポリメラーゼ、5units/μl
100 units
¥7,700
500 units
¥33,800
4x250 units
¥63,000
10x250 units
¥146,300
20x250 units
¥279,000
Taq DNAポリメラーゼ、1units/μl
250 units
¥17,100
4x250 units
¥63,000
Anti-DIG-AP
150U(200μl)
¥18,500
DIG-11-dUTP、アルカリ不安定
25 nmol
¥28,500
125 nmol
¥94,000
DIG-11-dUTP、アルカリ安定
25 nmol
¥28,500
125 nmol
¥94,000
5x125 nmol
¥366,200
DIG DNAラベリングミックス
50μl(25反応)
¥20,300
DIG標識コントロールDNA
50μl
¥10,500
CSPD
1 ml
¥30,900
DIG イージーハイブ
500 ml
¥26,500
DIG イージーハイブ、顆粒
1 set
¥31,500

詳細はインターネットで!!→ http://biochem.roche.com

HaCaT細胞培養におけるアポトーシス誘導剤としてのベツリン酸  

アブストラクト

プログラムされた細胞死(アポトーシス)のイベントの順序、トリガーや調節の研究は、成長や分化、組織構造の再生の生理学的過程におけるアポトーシスの 中心的な役割のため、医学における様々な質問に答えるために、益々その重要性を増している。アポトーシス機構の研究は、ウイルス感染の尿理学や自己免疫疾 患、腫瘍の発育における我々の知識を大いに飛躍させた。ここでは、新規のM30 CytoDEATH抗体を用いて、アネキシンVとAPO2.7の比較を報告する。ベツリン酸を、ヒトケラチノサイト細胞株HeCaTにおけるアポトーシス の誘導剤として用いた。

はじめに

アポトーシスの過程はいくつかの方法で、細胞内で検出できます。フローサイトメトリーは多くの細胞を個別に、しかも迅速に分析できるために、非常な優位 性を持っています。アポトーシスサイクルの後期のイベントと考えられているDNAの断片化を測定するために、TUNEL法がしばしばフローサイトメトリー で使用されます。アネキシンV/プロピディウム イオダイド(PI)染色は初期のアポトーシス過程の検出において、迅速で簡便な方法を提供します。アポトーシスの初期において細胞膜はまだ無傷ですが、ア ネキシンVが特異的に結合するホスファチジルセリン(PS)は、膜の外部に転座しています。他のアポトーシスマーカーは38kDのAPO2.7タンパク質 で、アポトーシスの条件下、ミトコンドリアの膜に発現します。
細胞にアポトーシスを誘導した際に初期に起こる変化の内の一つは、カスパーゼの活性化です。カスパーゼはザイモゲンとして存在し、多くのプレアポトーシ スシグナルにより活性化されます。これらカスパーゼの標的部位の一つがサイトケラチン18(CK18)です。M30 CytoDEATH抗体は、天然のCK18では検出されないカスパーゼ切断部位に結合します。それゆえ、大変初期の段階でアポトーシス過程を検出できま す。
ベツリン酸は天然に広く存在するトリテルペノイドで、悪性メラノーマや神経皮由来腫瘍に、特異な形状のアポトーシスを引き起こす事が述べられています。 ここでは、このモデル物質がケラチノサイトにおいても、カスパーゼの活性化に基づくアポトーシスを引き起こすかどうかを研究します。

材料と方法
細胞培養とアポトーシスの誘導

ヒトケラチノサイト(HaCaT)を、ウシ下垂体エキストラクト(25μg/ml)、rEGF(0.1-0.2ng/ml)、ペニシリンG、ストレプトマイシン、アンフォテリシンBを含む無血清培地で36.6℃、湿度98%及び5% CO2濃度で培養した。
細胞は5mlの培養ボトルで3日間培養し、0,4,8,12,16 mg/ml のベツリン酸で15時間および24時間インキュベートした。

アポトーシスの検出

それぞれの培養調製品をM30 CytoDEATH、アネキシンV-FITC、APO2.7抗体で同時に調製した。培養細胞は2検体ずつ調製した。サンプルをフローサイトメトリーで測定し、結果をWinMDIプログラムで評価した。

結果

アポトーシスの誘導のために、HaCaTケラチノサイトを4-16μg/mlの範囲のベツリン酸とミックスした。細胞の明瞭な形態学的変化は、8μg/ml濃度からの添加で、15時間からすでに観察された。
カスパーゼの活性化やミトコンドリアでのAPO2.7の存在、及びホスファチジルセリンの転座を含む測定したすべてのパラメータは4μg/mlで多くの陽性細胞で増加した。
M30 CytoDEATHを用いて測定されたカスパーゼ活性は、15時間後の陽性細胞で4-5倍増加し、ベツリン酸濃度を増やしてもカスパーゼ陽性細胞が更に増える事はなかった。24時間のインキュベーション後もまだ高いカスバーゼ活性が識別できた。
APO2.7の検出は使用したベツリン酸濃度と明瞭に相関し、24時間処理後多くのAPO2.7陽性細胞が増加した。
アネキシン試験の評価は、濃度に従い陽性細胞数が相関的に増加した。この細胞のダメージは、アポトーシスの後期とネクローシスの双方に関係するが、明瞭な区別は不可能な事に注意。

ディスカッション

最初に注目すべき発見は、すべての方法が4μg/mlのベツリン酸のインキュベーションでも、ヒトケラチノサイト(HaCaT)へのアポトーシスの誘導 を検出できた事です。この濃度での、M30 CytoDEATHにより、測定されたカスパーゼ活性化は、コントロースに比較してカスパーゼ陽性細胞で明瞭な増加を示し、アネキシンVよる転座やミトコ ンドリアでのAPO2.7の発現よりも検出が可能でした。ベツリン酸の濃度を上げてもカスパーゼ活性はこれ以上十分に増加しませんが、低濃度のベツリン酸 で他の二つのアポトーシスマーカーより強く、4-5倍増加する事により、カスパーゼの活性化がアポトーシス過程で起こる最初のイベントである事を示してい ます。
アネキシンVは非常に簡便な方法ですが、後期のアポトーシスとネクローシスを区別する事が直接できず、区別するための他の検出ステップを加える必要があ ります。APO2.7は現在のところ、ミトコンドリアで特異的に起こる過程を記録するためには良い方法です。M30 CytoDEATHの明確な利点は、初期のアポトーシス過程の特徴であるカスパーゼのインターフェースを検出できる事です。それゆえこの方法は、アポトー シスの誘導に付随する問題を解決するために、特に適していると考えられます。

 

図1.ベツリン酸(4-16μg/ml)添加15時間後の、M30-陽性ヒトケラチノサイト(HaCaT)。


細胞はM30 CytoDEATHのインストラクションに従い調製し、フローサイトメトリーで測定。

 


 

図2.

ベツリン酸(4-16μg/ml)添加15時間後の、APO2.7-陽性ヒトケラチノサイト(HaCaT)。

細胞はメーカーのインストラクションに従い調製し、フローサイトメトリーで測定。

 


 

図3.ベツリン酸(4-16μg/ml)添加15時間後の、アネキシンV-陽性ヒトケラチノサイト(HaCaT)。


細胞はメーカーのインストラクションに従い調製し、フローサイトメトリーで測定。

Order INFO

製品名
製品番号
包装単位
希望価格
M30 CytoDEATH
50テスト
¥27,400
250テスト
¥73,500
アネキシン-V 染色キット
50テスト
¥33,300
アネキシン-V-FLUOS
250テスト
¥76,400
アネキシン-V-ビオチン
250テスト
¥76,400
アネキシン-V-Alexa 568
250テスト
¥80,100

 

詳細はインターネットで!!→ http://biochem.roche.com

当社のカタログに掲載する製品は、ライフサイエンス分野の研究のみを目的としています。特に明記のない限り、診断用途目的には使用できません。カスタムバイオテック製品は、特に明記のない限り工業原料用のみを目的としています。
本ウェブサイトでは、幅広い利用者を対象とした製品情報を掲載しています。お住まいの国では利用できない製品、もしくは認可を受けていない製品の詳細情報が掲載されている場合もあります。それぞれの居住国における正当な法的手続や規制、登録、慣習法を満たしていない可能性のある情報の閲覧に関しては、当社は一切の責任を負いません。

ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 〒105-0014 東京都港区芝2-6-1