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インシュリン様成長因子-1(IGF-1)は、様々な種や組織での筋肉成長ホルモンの作用を仲介していると考えられています。生後の成長の間、IGF- 1はタンパク質合成を刺激し、グルコースの利用を改善します。それに加え、局所に発現したIGF-1はパラクリンおよびオートクリン的に、重要な成長調節 作用を示します。この局在的な組織特異的発現を研究するためには、IGF-1 mRNAを高い信頼性をもって定量出来る高感度な方法が求められます。RT-PCRは高感度なため、益々使用される事が多くなってきています。
RT-PCRはプロテクションアッセイやノーザンブロットより10-100倍高感度です。ターゲットの配列や組織中に存在するmRNA量、要求される精度 や定量の厳密性に応じて、どのRT-PCR技術を選択するかが決定されます。外部標準を用いたRT-PCRをエチジゥムブロマイド染色とそのデンシトメト リーによる定量が繁用されていますが、その精度は限られており、定量性も相対的なものです。低コピーの遺伝子発現を正確に定量測定するためには、数種類の 方法しかありません。現在、以下のRT-PCR法が高感度定量に最も適しています。
ここでは、LC SYBRグリーン Iを用いたインシュリン様成長因子-1のRT-PCRの開発と評価を記述します。
図1は、合成テンプレートのキャリブレーションカーブと多くの種(ウシ、ヒツジ、ブタ、霊長類)よりの、50サイクル後の特異的ライトサイクラーPCR 産物を示しています。IGF-1産物の特異性は融解曲線分析で示されました(LCソフトウェア 3.39)。産物の融解温度は種に依存的でした(表1)。非特異的産物とプライマーダイマーの融解温度は82℃以下でした(図2)。
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図1. 50サイクル後のIGF-1特異的ライトサイクラーPCR産物。 レーン1、陰性コントロール; レーン2-5、合成184 bp産物でのキャリブレーションカーブ(RNAの開始コピー数、2 x 108から2 x 105); レーン6、100 bpラダー; レーン7-14、天然IGF-1 240 bp産物(ウシ、ヒツジ、ブタ、霊長類、各2レーン) |
| 種 | 観察された融解温度 |
|---|---|
| ウシ(Bos taurus) | 90.5℃ |
| ヒツジ(Ovis aries) | 89.9℃ |
| ブタ(Sus scrofa) | 89.7℃ |
| 霊長類(Callithrix jacchus) | 88.7℃ |
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図2. 多くの種よりのIGF-1ライトサイクラー産物の融解曲線。IGF-1産物の融解温度は88.7℃(霊長類)から90.5℃(ウシ)で、プライマーダイマーは82℃以下であった。非特異的産物は増幅プログラムの第4セグメントにおいて85℃で融解し、その非特異的蛍光は除去された。 |
非特異的蛍光シグナルを除去するため、増幅プログラムの第4セグメントにおいて、非特異的PCR産物が85℃で溶解された。これはまたIGF-1産物の正確な定量を達成した。高温での定量は、コントロールの蛍光が1ユニットを維持しているのに対し、IGF-1のシグナルは 40-50ユニットに上昇した。85℃でのSYBRグリーン Iの測定は、7桁以上(RNAの開始コピー数102から109)の高い直線性(相関係数0.99)を示した(図3b)。一方、従来の72℃での測定では、 4桁(RNAの開始コピー数105から109)の直線性(相関係数0.99)しかなかった(図3a)。
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図3. 異なる温度レベルでの蛍光集積の効果。第3セグメント(a)における72℃、および第4セグメント (b)における85℃での集積の効果。陰性コントロールとRNAの開始コピー数101から109。両者のオンライン定量は、同一のキャピラリー内でライト サイクラーにより行われた。データの分析とプロッティングはSIGMA PLOTソフトウェアで行われた。 |
ライトサイクラーの感度を、16分子から1.6 x 106分子の、様々な開始量のリコンビナントIGF-1 RNAを用いて評価した。SYBRグリーン Iを用いての検出可能な最少量は16 RNA分子/キャピラリーで、満足すべき直線性(r = 0.985)は1600から1.6 x 1011 RNA分子であった。IGF-1のcDNAをテンプレートとした場合、50分子が検出でき、50から105分子/キャピラリーで高い直線性(r = 0.982)があった。
ライトサイクラーによるPCRの再現性を確認するため、低コピー数(500から500,000 cDNA分子)で、測定内アッセイは1回のランで3回測定、測定間アッセイは4種の異なるマスターミックスを用いて4日間で行われた(表3)。
| cDNAテンプレート分子数 | 測定内アッセイ変動 (n = 3) | 測定間アッセイ変動 (n = 3) |
|---|---|---|
| 500 | 13.6% | 47.1% |
| 5,000 |
16.3%
|
22.5% |
| 50,000 | 11.4% | 31.9% |
| 500,000 | 5.7% | 11.3% |
| CV = 11.8% | CV = 28.2% |
ライトサイクラーによるPCRアッセイはその感度、直線性、再現性により、発現量の少ない組織や細胞からのIGF-1 mRNAの、完全で正確な定量を可能にしました。我々はこのmRNA定量システムを、ウシ組織でのIGF-1の発現レベルを比較するために使用していますが、ヒツジ、ブタ、霊長類などの種でも使用可能です。
RTおよび、その後のライトサイクラーによるPCRは少量のmRNA分子を簡便、高感度に検出する方法で、少量の転写産物の局在的発現において重要な知見をもたらします。
| 製品名 | 製品番号 | 包装単位 | 希望価格 |
|---|---|---|---|
| ライトサイクラー インスツルメント | 2011468 | 一式 | ご照会 |
| ライトサイクラー キャピラリー | 1909339 |
1セット
|
¥50,500 |
| LC DNAマスター SYBRグリーン I | 1キット(96回) | ¥26,5000 |
⇒詳細はインターネットで!!→ http://biochem.roche.com/lightcycler
ゲノムDNAの抽出におけるMagNA Pure LC、High Pure PCRテンプレート調製キット及びフェノール/クロロフォルム抽出法の比較-C. pneumoniae感染Hep-2細胞をサンプルとして
新しいMagNA Pure LC機器を、C. pneumoniae感染Hep-2細胞からのトータルゲノムDNAの分離において、マニュアルのHigh Pure PCRテンプレート プレパレーションキットおよび、従来のフェノール/クロロフォルム法と比較した。効率を評価するために、感染細胞の希釈系列を各プロトコールで処理し、各 DNA調製品を直接ライトサイクラーの定量PCRに用いた。前2者は、1個の感染細胞の検出を可能としたが、フェノール/クロロフォルム法では良い性能が 得られなかった。
クラミジアは運動性の無い、グラム陰性で細胞内に遍在するバクテリアです。合成培地では培養できず、その特異な成長サ イクルにより他の微生物から分類されます。一般的な呼吸器系の病因で、全世界における共同体での後天的な肺炎の10%は、C. pneumoniaeが引起こすとされています。他の呼吸器系の感染時に使用されるβ-ラクタム系の抗生物質が効かないため、C. pneumoniaeによる感染の検出と分類は臨床的に大変重要です。その検出法には、単離を含む培養法、血清学的アッセイなどがありますが、その成長の 遅さや血清学的な交叉反応性などが、検出を困難にしています。また他の方法も感度の点や熟練を要する事から、現在、PCR法が注目を集めています。
C. pneumoniae感染Hep-2細胞の希釈系列から始める際に、200μlの細胞懸濁液から各方法のプロトコールに従い、トータルゲノムDNAを調製した。
High Pure PCRテンプレート プレパレーションキットでのDNA調製では、細胞懸濁液を4000 x gで2分間遠心し、ペレットを200μlのPBSバッファーに懸濁し、リゾチーム/プロティナーゼK消化とスピンカラムによる精製を行った。MagNA Pure LCでのDNA調製では、細胞懸濁液を機器のサンプルカートリッジの各ウェルに直接移し、MagNA Pure LC DNAアイソレーションキット Iのプロトコールに従い行った。それぞれの方法で、トータルDNAは最終容量100μlで溶出され、その2μlをPCRに用いた。
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図1. 感染Hep-2細胞の希釈系列で測定した、C. pneumoniae特異的ライトサイクラーPCRアッセイの分析感度。200μlの操作容量で各濃度の感染Hep-2細胞からの増幅カーブを描かせた。テンプレートDNAはHigh Pure PCRテンプレート プレパレーションキット(●)およびMagNA Pure LC(□)で同時に調製され、相同のカーブをディスプレイに表示させた。 |
臨床検体のC. pneumoniaeを直接検出する確立された方法に基づき、MagNA Pure LCとライトサイクラーは、DNAの抽出と増幅・検出を自動で行わせるため、操作時間やクロスコンタミネーションの危険を減らし、臨床検査を簡便化する方 法を提供している。臨床検体中の感染細胞を均一に配分する方法が無いため、我々は様々なDNA抽出法の効率と再現性の比較において、人工的であるが十分実 際的な感染細胞のモデルシステムを用いた。
High Pure PCRテンプレート プレパレーションキットとMagNA Pure LCによる精製では、ライトサイクラーで1個の感染細胞が検出可能であった。典型的な実験結果を図1に示す。統計的な理由より、2.4 x 10-1感染細胞/200 μlでの結果は3回の実験の内2回が陽性となった。従来のフェノール/クロロフォルム法では、再現性も悪くまた測定限界もアッセイ当たり500-1000感染細胞であった(図2)。
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図2. 感染Hep-2細胞の希釈系列で測定した、C. pneumoniae特異的ライトサイクラーPCRアッセイの分析感度。 200μlの操作容量で各濃度の感染Hep-2細胞からの増幅カーブを描かせた。同一条件での2シリーズの実験において、テンプレートDNAはフェノール/クロロフォルム抽出の後、エタノール沈殿で調製された。 |
| 製品名 | 製品番号 | 包装単位 | 希望価格 |
|---|---|---|---|
| MagNA Pure LC インスツルメント | 2236931 | 一式 | ご照会 |
| High Pure PCRテンプレート プレパレーションキット | 1796828 |
100回
|
¥39,300 |
| MagNA Pure LC DNAアイソレーションキット I | 192回 | ¥50,000 | |
| ライトサイクラー インスツルメント | 一式 | ご照会 |
⇒詳細はインターネットで!!→ http://biochem.roche.com/magnapure
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