ゼブラフィッシュ発育中のサイトケラチン8(K8) mRNAの検出 -RT-PCRとホールマウント in situ ハイブリダイゼーションによる研究

Tips & Facts

Keywords: サイトケラチン、ゼブラフィッシュ(Danio rerio)、上皮マーカー、in situハイブリダイゼーション、RT-PCR

上皮細胞の細胞骨格ネットワークにおいて、サイトケラチンは中間フィラメントの主要な構造タンパク質です。30以上のサイトケラチンが同定されていますが、ケラチン8(K8)は発育中に発現する最初の中間フィラメントです。我々は最近透明な胚を持ち、直接in situハイブリダイゼーションで遺伝子発現を観察できる、ゼブラフィッシュでサイトケラチン8をクローンしました。この特徴を利用し、胚及び成魚のzf-K8 mRNAの発現を、DIG RNAラベリングキットを用いて、ホールマウントや胚及び成魚のパラフィンや凍結切片のin situハイブリダイゼーションで、分析しました。mRNAの分析はまた、TitanTMRT-PCRシステムを使用して、胚と成魚の組織よりのトータルRNAのRT-PCRで行いました。

ハイブリダイズしたPCR産物の図1で見られる通り、zf-K8の転写産物は胚、成魚の皮膚、小腸で予想通りの580 bpバンドとして現れました。増幅を増やした時(20サイクル)、卵巣と脳でzf-K8 mRNAの発現が示され、皮膚、小腸、成魚の脳で高分子(850 bp)のフォームが現れました。

図1. RT-PCR産物のハイブリダイゼーションによるzf-K8発現の検出。zf-K8へのホモロガスオリゴプローブがハイブリダイズしたRT-PCR断片のオートラジオグラフ。

上部パネル:PCR増幅10サイクル(x10)。下部パネル:PCR増幅20サイクル(x20)。

レーン(左から右):1-卵巣、2-長楕円/球形ステージ胚(4 hpf)、孵化胚( 52 hpf)、4-5-6-成魚由来の皮膚、小腸、脳。

zf-K8の場所的な発現パターンは、発育2 hpfから3日の胚のホールマウントin situハイブリダイゼーションにより実験されました。これにより、深度の違いはあれ発育胚の表面全体が常に染色され(図2)、ほとんどの表面細胞層が常にzf-K8を発現している事(図3,4)から、zf-K8遺伝子が胎生上皮のマーカーである事が分かりました。

図2. 野生型ゼブラフィッシュ胚でのzf-K8の時空間的発現。ホールマウント胚はDIG標識zf-K8アンチセンスRNAとハイブリダイズした。

A. 分割期(64細胞/2 hpf)。B. 球形/ドーム型期(約 4 hpf)。 C. 原腸胚期: 60% 被包期(6 hpf)。D. 90% 被包期(9 hpf)。E. 咽頭期: prim-15ステージ(30 hpf)、上部にin situ ハイブリダイゼーションの陰性コントロール(センスRNAプローブでハイブリダイズ)が見える。F. high-pec期(42 hpf)、胚前部の横面図。
スケール: A-D 200μm; E 250μm; F 150μm
略語: A = 頭部、 D = 背面、 m = 胚盤葉縁、 V = 腹面

図3. zf-K8プローブで染色したゼブラフィッシュ胚のパラフィン切片(20μm)。ホールマウントを切片化の前に、DIG標識zf-K8アンチセンスRNAプローブとハイブリダイズした。染色は染色バッファーのアルカリ強度により、褐色か青色に着色した。A.90% 被包期(9 hpf)。 B. 90% 被包期の詳しい観察。 C.咽頭期: prim-15ステージ(30 hpf) の眼と中脳部のトランスバース切片。 D. 30 hpf胚の軸索部分のトランスバース切片。

スケール:A 150μm; B 15μm; C 60μm; D 75μm

略語:dc = DEL細胞、 ec = EVL細胞、 e = 眼、 i = 内部染色細胞層、 m = 体性筋、 s = 軸索、 p = 包皮、 y = 卵黄

製品名 製品番号 包装単位 希望価格
DIG RNAラベリングキット 1175025 2 x 10回反応 \57,900
Titan ワンチューブRT-PCRシステム 1888382 1855476 25回反応

100回反応

\21,000

\65,100

FuGENE 6トランスフェクション試薬によるラット海馬ニューロンのトランスフェクション

分 離培養された初代ニューロンは、分化、生存、過程的成長、シナプス生成などの神経現象を研究する際の有用なモデルです。ただ細胞が分裂の後で、培養条件に 敏感なため、培養ニューロンへの遺伝子導入には、まだまだ問題があります。リン酸カルシウム法やリポソーム方などの従来の方法は、毒性がありニューロンに 害があります。その上細胞毒性のため、効率も大変に低くなります。今回、FuGENE 6トランスフェクション試薬が初代ニューロンのトランスフェクションに最適であるという事が分かりました。この試薬の初代海馬ニューロンのトランスフェク ション効率は、他の細胞に比べ低い(1-2 % vs. 継代神経腫細胞株で約50%)ものですが、単一のニューロン研究には十分です。またこの実験条件下では、FuGENE 6は海馬ニューロンに対して毒性を現しませんでした。

トランスフェクションのプロトコール

  1. 滅菌エッペンドルフチューブ内に97μlの無血清培地(添加剤としてGlutamax Iのみを含むDMEM)と3μlのFuGENE 6トランスフェクション試薬を加え、5分間インキュベートする。常に氷上に静置。
  2. 別の滅菌エッペンドルフチューブに3μgのDNAを加える。ここに100μlの希釈したFuGENE 6トランスフェクション試薬を1滴ずつ加え、タッピングで混合する。
  3. 室温で15分間インキュベートする。このDNAミックスを1適ずつ細胞に加える。渦を巻くように混合する。
  4. 10% CO2環境の湿式インキュベーターに、37℃で3時間静置する。
  5. 3時間後、DMEM培地を除去し、Neurobasalメディウムと入換える。
  6. 希望の時間まで培養する。

トランスフェクト細胞の検出法

希望の時間培養したのち、ニューロンをPBS、pH 7.3で洗浄する。ニューロンを室温で20分間、4%のパラホルムアルデヒドで固定する。カバースリップをSlowFadeマウンティングメディウムでマウントした後、蛍光顕微鏡で観察した。

結果

我々は、FuGENE 6トランスフェクション試薬によるラット海馬ニューロンのトランスフェクションに成功しました。図1Aは、8日間 in vitro培養(DIV)したE 17ラット海馬ニューロンを、MAP5抗体(赤)で染色したものです。核はDAPI(青)で染色されています。図1Bは、FuGENE 6トランスフェクション試薬でのトランスフェクトでGFP(緑)を発現している8日間培養の、単一の海馬ニューロンを示しています。



図1. FuGENE 6トランスフェクション試薬による、初代ラット海馬ニューロンのトランスフェクション。1A:MAP5抗体(赤)で染色した、8日間 in vitro培養(DIV)したE 17ラット海馬ニューロン。核はDAPI(青)で染色されている。1B.FuGENE 6トランスフェクション試薬でのトランスフェクトでGFP(緑)を発現している8日間培養の、単一の海馬ニューロン。

製品名 製品番号 包装単位 希望価格
FuGENE 6トランスフェクション試薬 1815091 1814443 1815075 0.4 ml

1 ml

5 x 1 ml

\27,000

\57,000

\228,000

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