メラノーマ組織における腫瘍関連抗原の遺伝子発現の検出-RT-PCRのための希少なmRNAテンプレートを濃縮するための迅速法

2 TIPS and FACTS

Key words: ガン研究、MART-1/Melan-A 抗原、poly(A)-mRNA 精製

はじめに

メラノーマ関連抗原に対する直接の免疫応答の可能性は、長く想像の中であり現在も研究中です。臨床的に有用なワクチンプロトコールを開発するという望みに おいて、多くの腫瘍関連抗原(TAA)の分析により、傷害性Tリンパ球(CTL)にターゲットを提示しうる、幾種かのHLA-クラス1制限TAAエピトー プが同定されました。異なる大きさですが、ほとんどすべてのメラノーマはRT-PCRや免疫組織化学で観察される、それら遺伝子を発現しています。

われわれは腫瘍組織から分離したmRNAのRT-PCRにより、このTAA抗原の発現を分析しました。高い感度を得ると同時に、高濃度のトータルRNA中 や組織中に存在する阻害因子(夾雑末梢血など)を避けるために、ポリ(A)-mRNAの精製にロシュ・ダイアグノスティックスのmRNAアイソレーション キット(組織用)を用いました。組織中の腫瘍の検出にこの方法が応用できるかを確認するため、高感度RT-PCRにおいてポリ(A)-mRNAのフラク ションと組み合わせて用いました。このテクニックの感度は6人の患者のメラノーマでテストされました。

結果と考察

このアッセイの感度をコントロールするために、異なる数量のメラノーマ細胞株HBLを正常粘膜組織サンプルに加えました。図1に見える通り、RT-PCRプロトコールと組み合わされた精製操作法は、0.5x106個 の正常粘膜細胞のバックグランドにおいて、5 mg大腸組織中のわずか細胞20個中の腫瘍関連抗原MART-1/Melan-Aの発現を検出するために、十分な感度でした。結果はワンステップRT- PCR(60サイクル)で得られ、それぞれのRNA調製品の品質はβ-アクチン(35サイクル)の存在により保証されました。

ここで述べた方法は多くのサンプルに対して、迅速で簡便なポリ(A)-mRNAの精製法です。また高感度RT-PCRで要求される、非常に少ない溶出量に濃縮できます。

図1A.
6人の患者の5 mgメラノーマ組織よりの、3種類のTTAのRT-PCR増幅産物。
チロシナーゼ、gp100及びMART-1/Melan-A(コントロール:β-アクチン)。

 

図1B.
異なる数量のメラノーマ細胞株(HBL)が加えられた粘膜コントロール組織でのRT-PCR。
200、20、2個の腫瘍細胞を含む0.5x106個の粘膜細胞のcDNAをPCRし、チロシナーゼ、gp100及びMART-1/Melan-Aを分析した。

 

詳報はこちらへ http://biochem.roche.com/Prod_inf/Biochemi/No1_99/B199scha.htm

製品名

製品番号

包装単位

mRNAアイソレーションキット(組織用)

1978608

100(25,10) mgサンプルから25 (100,250)回分離

赤血球溶解バッファー

1814389

100 ml

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