植物ゲノムのサザンブロットでの導入遺伝子のNon-RI検出-DIGシステム化学発光技術を用いる方法

2 TIPS and FACTS

Key Words:サザンブロット、導入遺伝子の検出、植物ゲノム、シングルジーンの感度

<はじめに

形質導入植物のゲノム中のシングルコピー導入遺伝子の検出に必要とされる感度においては、32P-標識プローブが一般的に用いられてきました。ここでは、我々はDIG PCR標識プローブを用いたサザンブロットによって、オオムギ、コメ、Nicotiana benthamianaのシングルコピー導入遺伝子を高感度に検出する、DIGシステムのアプリケーションを報告します。ここではオオムギ[4.9 x 109 bpゲノム]中の除草剤耐性遺伝子bar、コメ[4.2 x 108 bpゲノム]中のハイグロマイシン耐性遺伝子(hph)、N. benthamiana中のウイルス殻タンパク質遺伝子で行われました。高い感度に加え、DIGシステムはRIを使用しない、プローブの調製が容易で保存期間も長く、プローブの再使用も可能という優位性があります。

結果と考察

オオムギDNA 10μg中のシングルコピーbar遺伝子相当量のDNAが検出されました。bar遺伝子のコーディング配列(549 bp)とその上流にタバコモザイクウイルスのシグマエンハンサーエレメント(131 bp)を含む、プラスミドpPATOのBam HI切断断片(680 bp)がDIG標識barプローブによるサザンブロットで検出されました。100コピーと10コピーは大変強く検出され(図1、レーン2,3)、1コピー は15分後にX-線フィルムで識別可能で、30分の露光後では明瞭に判別できました。60分後ではシングルコピーのバンドはより強くなりましたが、バック グランドも増加しました。プローブ濃度(33 ng/ml)はCDP-Star化学発光基質を用いる際に推奨される濃度、10-20 ng/mlより高いものでした。オオムギゲノム当たりのシングルコピーに相当する量の検出は、バックグランドを減少させるため10 ng/mlのプローブ濃度で達成できます(R. Simpson、私信)。レーン2と3でpUC118ベクターとノパリンシンターゼ3末端を含む4-kbの断片が検出されているのは、bar遺伝子プローブを作成する際にベクターの配列が増幅されたものと考えられます。これはより特異的なプローブを用いることにより回避できます。

図1.10μgオオムギDNAの存在下でのbar遺伝子の検出。露光時間30分。

レーン1: 10μgオオムギDNA
レーン2:100コピーbar遺伝子
レーン3:10コピーbar遺伝子
レーン4:オオムギ遺伝子当たり1コピーbar遺伝子
レーンM: 50 ng DIG標識DNA分子量マーカー III

図1はオオムギゲノム当たりシングルコピーのbar遺伝子が標準的な再構築において、DIG標識barプローブで検出できることを示している。これによりDIG標識barプローブは、bar遺伝子で形質転換された植物のスクリーニングにルーチンで使用できることがわかった。オオムギのゲノムは植物ゲノムとしては大きいものの一つであり、DIG標識プローブは植物中の導入遺伝子の研究に有用でしょう。

DIGシステムはまた、他の植物中のシングルコピー配列の検出に成功しています。アガロースゲルのレーン当たり5-10μgのコメゲノムDNAがロードさ れ、シングルコピー配列はDIG標識および化学発光検出で検出されました(図2)。またプローブを含んだハイブリダイゼーション溶液は、感度を失うこと無 く5回まで再使用できました。同様にトランスジェニックNicotiana benthamianaからの10μg DNA中の、PStV-CP遺伝子のシングルおよびマルチコピー配列が簡単に、再現性よく検出できました(図3、レーン2-8)。

 

図2.hphの同化を示すトランスジェニックコメより分離されたDNAのサザンブロット分析。

10μgのBam HIあるいはEco RV切断、コメゲノムDNAはDIG標識hphプローブとハイブリダイズされた。
陰性コントロール(レーン1)は未形質転換植物より分離されたDNAのBam HI切断物を含む。Bam HIによるプラスミドpGL2 DNAの切断により、hph遺伝子の1.1 kb断片が遊離する。
10 pg(レーン2)と40 pg(レーン3)の切断されたプラスミドpGL2 DNAはコメゲノム当たり1コピーと4コピーに相当する。
レーン4: DIG標識分子量マーカー III
レーン5,6および7,8: それぞれBam HIとEco RVで切断された、植物株1と2からのDNA
レーン9-12: Eco RVで切断された植物株3-6からのDNA。

 

図3. PStV CP遺伝子の同化を示すトランスジェニックN. benthamianaより分離されたDNAのサザンブロット分析。

10μgのNco I切断N. benthamiana DNAが0.8%アガロースゲルで分離され、DIG標識PStV-CPプローブとハイブリダイズされた。
レーン1: Nco Iで切断された70 pgのコントロールプラスミド
レーン2-8: 7種の異なる株よりのDNA
レーン9: 未形質転換株よりのDNA。フィルムは20分の露光後現像された。4.9 kbの遺伝子構築物(レーン1)のサイズを矢印で示す。

詳報はこちらへ http://biochem.roche.com/Prod_inf/Biochemi/No1_99/B199diet.htm

製品名

製品番号

包装単位

CDP-Star

1685627

1759051

1 ml

2x1 ml

DIG Easy Hyb

1603558

500 ml

Taq DNA Polymerase, 5 units/μl

1596594

1435094

10x250 units

20x250 units

Taq DNA Polymerase, 1 unit/μl

1647679

1647687

250 units

4x250 units

Nylon Membrane, positively charged

1209299

1209272

1417240

20枚(10x15 cm)

10枚(20x30 cm)

1ロール(0.3x3 m)

Bam HI

220612

1000 units

Eco

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