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1997年にベーリンガー・マンハイム社とアイダホテクノロジー Inc.の間で、ライトサイクラーテクノロジーに関するライセンス契約が交わされました。このライトサイクラーTMは 迅速なPCRサイクルおよび、反応カイネティックスのオンライン、リアルタイム検出を達成した先進的なマシンです。この技術は最初にアイダホ テクノロジーにより開発され、増幅や核酸の検出に要する時間を5時間から20分間へと劇的に減少させました。この機器の最も重要な特長の一つは、増幅と分 析を1本の反応容器で行うため、多くの手技が簡略化出来る事です。
ライトサイクラーでのさまざまな応用例としては次のものがあります。
本年度、アイダホテクノロジーとの協力により、ベーリンガー・マンハイム社はより改良された新バージョンの機器を導入いたします。

ライトサイクラーは迅速なサーマルサイクラーと、ローデンストック社の高品質な光学系を使用した少容量フルオロメーターを組み合わせたものです。反応槽の加熱と冷却はエアを介してコントロールされ、少容量のため迅速な熱移動が可能となっています(図1)。
図1. ライトサイクラーの構成図
反応容器としてガラスキャピラリーを利用しており表面積-容量比が高いため、高効率な熱移動が達成され、30サイクルを20分以内で行う世界で最も 速い熱サイクリングが可能です。このキャピラリーは光ファイバーのように、光を先端に集めシグナルを収集する光学ユニットとしても使用されます。これによ り効率的な照射と蛍光のモニタリングが可能となります。さらにキャピラリーは5-20μlの少反応量PCRを達成します(図2)。
32サンプルを保持出来る回転式サンプルホルダーは取り外し可能で、清掃や滅菌が容易です。
図2.ライトサイクラーの反応容器、複合ガラス/プラスティック反応容器
ライトサイクラーのフルオロメーター部分は光源にメンテナンスのいらないLED(発光ダイオード)を用いており励起光はフィルターを通った後、レン ズによりキャピラリーチップに焦点が合わされます。サンプルよりの蛍光は、レンズを通った後フィルターにより分光され、それぞれのデテクター(530 nm, 640 nm, 710 nm)に導かれます。この光学ユニットは3色検出やいくつかの蛍光捕捉オプションを提供します。データ収集オプションは次の項目が行なえます。
-サイクル毎に一度モニタリング。
-連続サンプリング(サンプリング頻度はサンプル数に依存します)。
-1サンプルを完全連続追跡(メルティングカーブの捕捉や反応の至適化)。
-それぞれの行程が完了した後のメルティングカーブ分析。
ライトサイクラーはコンピュータとソフトウェアと共に供給されます。サーマルサイクラーはこのWindows NTベースのPCワークステーションを通じて操作されます。熱サイクリングの間の反応は、高精度なステッパモーターによりサンプルが光学系上に位置した 時、オンラインでモニターされます。またソフトウェアは各サイクル後の増幅結果をリアルタイムで表示します。
機器が個別のサンプルを順次光学ユニット上に20-100ミリ秒間置いた時、シグナルが少なくとも各サイクルで一回測定されます。
それぞれの熱サイクルの後、全てのサンプルの蛍光強度とサイクル数の表示が連続的に上書きされます。またオプションで、作成されたデータはテキストファイルとして保存出来、後の分析に用いる事が出来ます。
図3. SYBRグリーンIを用いてのPCR反応のモニタリング。
PCRサイクルが増えるごとに、増幅PCR産物の量が二本鎖DNA結合色素SYBRグリーンIを用いてモニターされた。蛍光シグナルは新たに合成されたdsDNAの濃度と正比例した。
以下に二種類の蛍光技術とメルティングカーブ分析の原理を紹介します。
二本鎖(ds)DNAの累積はSYBRグリーンIによって追跡する事が出来ます(図3)SYBRグリーンIはdsDNAに優先的に結合し、その結合 により蛍光強度が大きく増強されます。SYBRグリーンIが新たに合成されたdsDNAに結合する事により、蛍光強度とDNA濃度は正比例します。
シグナルはサイクル毎に1回、あるいは連続的に測定され直ちにディスプレイ上に表示されます。SYBRグリーンIの特性によりメルティングカーブも増幅中あるいは増幅後に得られ、PCR産物を検証する事が出来ます。増幅産物の融解温度(Tm)における特徴的なメルティングピークにより、正確な同定が保証されます。プライマーダイマーや小さな増幅副産物は低い温度で広いピークを取ります。
より特異性の高い検出を必要とする場合には、隣接するハイブリダイゼーションプローブにより反応中の特異的産物の状況をモニターする事が出来ます。これら のプローブは増幅プライマーの内側にあるようにデザインされ、片方の3’-末端にはドナー蛍光色素(通常はフルオレセイン)を標識、その隣接のプローブの 5’-末端にはアクセプター蛍光色素を標識します。蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)は、二つのプローブが近接して増幅物にハイブリダイズした場合のみ 起こります。

図4. FRETの原理に基づく、ライトサイクラーでのPCR分析に用いられる蛍光フォーマットはハイブリダイゼーションプローブフォーマットと呼ばれる。
FRETの間、ドナー蛍光色素は外部光源により励起され直ちにアクセプター蛍光色素に吸収されます(図4)。このエネルギーの移動は、二つのプローブが近 接して増幅物にハイブリダイズした場合のみ起こります。アクセプター蛍光色素は異なる波長の光を発し、このFRETシグナルの量はハイブリダイゼーション 可能な特異的なDNA産物に正比例します。
このFRETの原理に基づく、ライトサイクラーでのPCR分析に用いられる蛍光フォーマットはハイブリダイゼーションプローブフォーマットと呼ばれます。
メルティングカーブ分析という強力な特性により、ライトサイクラーはPCR間の増幅物の検証やミュータント検出という実験に新たな局面を開きました。メルティングカーブ分析の背景を説明すると、DNAは融解温度(Tm)と呼ばれる特異的な温度で融解し、それはDNAラセン構造の半分が失われる温度と定義されています。DNA分子の融解温度は大きくその核酸組成に依存しています。それゆえTmに基づいたライトサイクラーによるメルティングカーブ分析は、PCR産物の検証において革新的な解決をもたらす技術です。
SYBRグリーンIを使用し、キャピラリー内の温度をゆっくりと上昇させ4秒毎に蛍光を測定します。SYBRグリーンIはdsDNAの融解(変性)により遊離しますので、それぞれの増幅産物の正確なTmデータを提供します。ソフトウェアはカーブの最初の負の微分数(-dF/dT)を自動的にグラフ表示します。融解温度の違う断片は、これらの派生ピークに基づき容易に判別出来ます。
メルティングカーブ分析とハイブリダイゼーションプローブフォーマットを組み合わせる事により、ライトサイクラーはミューテーション検出において偉 大な可能性を開きました。必須の条件として、プローブは研究するヌクレオチドの領域をカバーしていなければなりません。目的の配列にミューテーションが無 い場合、結果として完全にマッチしたハイブリダイゼーションが起こりますが、ミューテーションがある場合ミスマッチによるTmの低下が起こります。この低下はメルティングカーブグラフのピーク(-dF/dT)に反映されます。ゲノムDNAから開始し、20分以内に結果が得られます。

図5. ホモザイガス野生型、ヘテロザイガスミュータントおよびホモザイガスミュータントのゲノムDNAをハイブリダイゼーションプローブフォーマットを用いて、ライトサイクラーで増幅、分析した。サンプルのメルティング温度の違いは、最初の負の微分数(-dF/dT)を比較する事で容易に可視化出来た。遺伝子型に特徴的なメルティング温度により、識別が可能となった。
ライトサイクラーの優秀性は、PCRターゲットの増幅と分析における新しい選択となります。ベーリンガー・マンハイム社では機器を補完する、下記の高品質で完全なPCR製品群を提供してまいります。
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製品名 |
製品番号 |
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LightCycler |
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