ジゴキシゲニンシステムを用いての非甲状腺性疾患間の遺伝子発現の研究 Using the Digoxigenin System in the Study of Gene Expression during Non-thyroidal Illness

2 FEATURES and TECHNICAL TIPS

はじめに

甲状腺ホルモン(T3)は、 生体内で多くの代謝過程に影響を与えます。これは多くの場合甲状腺ホルモン応答因子と呼ばれる遺伝子の発現に、プロモーター部位で直接影響を与える事に因 ります。甲状腺ホルモンのレベルは、甲状腺それ自身の問題の結果としてだけでなく、甲状腺と直接関係の無い疾患の結果としても変化しえます。この現象は非 甲状腺性疾患(NTI)と名付けられています。我々はNTIのモデルとして、絶食ならびにポリリポサッカライド投与をモデルシステムとしました。NTIの間の、5’-デイオジナーゼやLDLレセプター(LDLr)に関連する遺伝子の発現をノーザンブロッティングで研究するために、我々はDIGシステムを使用していますが、今回はルミ・イメージャーワークステーションを用いての結果を報告します。

材料と方法

動物:

48時間絶食し水だけ与えたラットと、水と食事を与えたコントロール群。

プローブ:

DIG T7/SP6 RNAラベリングキットを用いて、ヒトLDLレセプターの1.7 kb Hind III-Bgl II断片より調製したDIG標識RNAプローブおよび市販のDIG標識アクチンプローブ。

ノーザンブロッティング:

トータルRNAはラット肝臓組織より、TriPureアイソレーション試薬を用いて調製し、ここからpoly A+ RNAをmRNAアイソレーションキットを用いて精製した。ノーザンブロッティングのために、バーティカルアガロースゲル電気泳動(VAGE)を用いた。ウェル当たり約1-2μgのpoly A+ RNAを0.7 Mフォルムアミドを含む1%アガロースゲルにアプライした。泳動後、ナイロンメンブレンにブロットしベイキングで固定した。プレハイブリとハイブリをDIG Easy Hyb中で行なった(プローブ濃度50 ng/ml)。洗浄後、抗DIG-APとCDP-Starによる発光検出を行なった。フィルムへの異なる露光時間で直線性をチェックした。またこの直線性はルミ・イメージャーでもチェックされた。


図1. A:コントロールと48時間絶食ラットの肝臓での、LDLレセプター(45秒露光)とβ-アクチン(5秒露光)のmRNAの発現。

B:ルミイメージャーによる化学発光シグナルの直接測定と、フィルム上に露光(45秒(■)と2分(▲))されたLDLr mRNA強度の関係を表したカーブ。カーブフィッティングパラメーター;45 s, y=3.04x + 7.2, R2=0.94; 2 min, y=0.05x3 - 1.60x2 + 15.70x + 0.47, R2=0.93(直線のフィット部で、R2は0.44)

結果と考察]

ラット血清中のホルモンレベルとNTIの存在は矛盾しない。我々のノーザンブロットデータからは、LDLレセプター mRNAの発現は絶食の結果、下方に調節されるという事が示された(β-アクチンの発現で補正)。更なる検討で、この減少はT3依存性である事が示された(図1A)。典型的な露光時間はトータルRNAを用いた時は5-60分間、poly A+ RNAを用いた時は5分以内であった。フィルムへの露光の問題点の一つは、正確に定量出来るブロットの範囲が小さい事で、直線性を分析するためには数多くの露光を行なわなければならない。これはコストと手間がかかる方法である。

最近導入したルミ・イメージャーでの検討では、正しく露光されたフィルム上で測定された強度と、ルミ・イメージャーで得られたデータに良好な相関性があり、露光時間もほとんど同じであった。

データ

  • β-アクチン(5秒露光):y=3.3x +10.3, R2=0.98
  • LDLr(45秒露光):y=3.04x + 7.2, R2=0.94
  • フィルムでは2分間の露光ではすでに飽和していたが、ルミ・イメージャーではβ-アクチンにおいて、5秒の露光を5分間の露光に対してプロットした時、2>者は直線関係にあった(y=10.3x + 20332, R2=0.98)。

また興味深い事に、我々はプローブとAP標識抗DIG抗体の複合体がサランラップに包まれてコールドルームに置かれた状態で極めて安定である事を見出した。3月に基質を反応させ得られた発光ユニットと、9月に再度基質を反応させ得られた発光ユニットは直線関係を示し、相関係数(R2)は0.98であった。

これらの結果より、ルミ・イメージャーによるノーザンブロットの定量は信頼性があり、露光時間を柔軟に出来るという利点が示された。さらに分析に要する時間が劇的に減少出来た。これらの優位性はノーザンブロットだけではなく他の化学発光検出応用(レポータージーンアッセイ、ゲルシフト、ウエスタンブロット)にも当てはまる。

製品名 製品番号 包装単位
mRNA Isolation Kit 1741985 1 kit
DIG RNA Labeling Kit(T7/SP6) 1175025 2 x 10回
Nylon membrane, positively charged 1417240 

1209272

1209299

1 roll 

10 sheets

20 sheets

CDP-StarTM 1685627 

1759051

1 ml 

2 x 1 ml

DIG Easy Hyb 1603558> 500 ml
TriPureTM Isolation Reagent 1667157 

1667165

50 ml 

200 ml

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