学術的なご相談、資料請求、機器サポートなど、お客様のさまざまなニーズに対応します。
増殖活性、ブロモデオキシウリジン(BrdU)の検出、組織固定、免疫染色
マクロウェーブ抗原回復法はパルス標識細胞内の取り込まれたBrdUを高感度に検出出来る。2種類の固定液を試験したうち、Carnoyの固定液は優れた核形態をもたらすが免疫染色強度を犠牲にしている。パルスラベル後、数時間以内に屠殺した動物を研究するためには、Carnoyの固定液は一般的なものであるが細胞内の抗原に与える影響は知られていない。我々の目的には10%の中性バッファー化フォルマリンが、核タンパク質や関連クロマチンと架橋する作用を持ち、その結果BrdUの免疫染色強度を上げるため、優れた固定液であった。それに加えフォルマリン固定とマクロウェーブ抗原回復の組み合わせが、その他の抗原の免疫染色と完全に両立する事を見出した。
ブロモデオキシウリジン(BrdU)はチミジンのアナログで、細胞周期のS期の間にDNAに取り込まれ、増殖中の細胞の標識においてトリチウム標識チミジンの替りに用いられます。取り込まれたBrdUは モノクローナル抗体により免疫学的に検出され、標識細胞はフローサイトメトリーや顕微鏡下で分析されます。トリチウム標識チミジンで標識された細胞は、数 週間から数ヶ月かかるオートラジオグラフィーで検出しなければならないのに対し、免疫学的検出は数時間以内に観察する事が出来ます。
免疫学的にBrdUを検出するためには、抗体が接近出来るようDNAを変性しなければなりませんが、繁用されるCarnoy(酢酸、アルコール、クロロフォルムの混合>)サンプルのDNAの変性はHClで行われます。フォルマリンやグルタルアルデヒドなどのより強い架橋固定液はBrdUの検出を阻害し、HClによるDNAの変性に加えペプシンでの酵素的処理を必要とします。
今回酵素的消化の替りに、フォルマリン固定パラフィン包埋組織での目的抗原の曝露にマイクロウェーブ抗原回復法を使用する事が出来、この技術は長期標識細胞のBrdU検出にも成功裏に使用する事が出来ました。
組織サンプル:ブタよりBrdU注射2時間後に取り出した卵巣(卵胞)を10%中性バッファー化フォルマリン(図2参照)とCarnoy>固定液(図1参照)で24時間浸漬固定。
BrdU免疫組織染色のための組織の調製:卵巣組織を5μm厚に切片化しスライドに接着後、脱パラフィン。10 mMクエン酸バッファー>(pH 6)中で700Wのマイクロウェーブで>5分間熱する。5分静置した後再度5分間熱する。50 mM TBS(pH 7.6)に5>分間漬けた後、免疫組織染色に用いる。
免疫学的染色操作:BrdUはマウスモノクローナル抗体とPAP法で検出、可視化。
染色の性質については注目すべき差があった。ヘマトキシリンでの染色においてCarnoy固定卵巣からの切片は明瞭な核構造を持ち、伸展された真正クロマチンの薄い染色と、凝集ヘテロクロマチンの暗く染まった小斑点が判別出来た(図1A参照)。卵胞の顆粒膜細胞と卵胞膜細胞の両方で、多くの糸状構造を見る事が出来た。バッファー化フォルマリンでは、核構造はヘマトキシリンで均一で濃い青色に染色され伸展及び凝集クロマチン構造は区別出来なかった(図2A)。また糸状構造の局在も確かめられなかった。
マイクロウェーブ抗原回復の使用で、BrdUは容易に成長卵胞の顆粒膜細胞と卵胞膜細胞の両層のS期細胞中で検出された。ヘマトキシリン染色で見られたように、免疫染色でも2つの固定液で大きな差があった。Carnoy固定組織はBrdUは検出可能だが、染色パターンは試験した抗体量においてヘマトキシリンと同様であった。すなわち標識した核は1μg/mlの抗体量で、ぼやけた褐色の染色像であった(図1B>参照)。それに対しフォルマリン固定組織でのBrdUの免疫染色では、標識した核は1μg/mlの抗体量で大変強く濃い褐色の染色像が得られた(図2B)。
この研究は、ブタの発情周期における黄体期間での卵胞のBrdU標識の可能性を評価するために行なわれた。この目標のため、我々は適切な形態の保持と強い染色像を持つ最適な固定法と、我々の他の免疫組織染色操作(フォルマリン固定パラフィン包埋切片を使用)でも両立出来る高感度で、ルーチンな抗原回復法を決定しなければならなかった。
Canoy固定液は核形態は優れているが免疫染色強度は犠牲になり、また対象の細胞抗原への効果も未知である。フォルマリン固定は核タンパク質や関連のクロマチンを架橋するため、免疫染色強度が強い。
BrdUの検出に関して架橋型の固定液を用いた場合、DNAの変性には従来酸処理と酵素消化が行なわれたが、この方法では他の興味ある抗原が破壊され、他の免疫染色との多重分析が困難である。この事より、マイクロウェーブ抗原回復法がもっとも有用であった。

図2. 中性バッファー化フォルマリン固定、4μg/mlのマウスIgG(A)あるいは1μg/mlの抗BrdU(B)で処理した卵巣よりの小卵胞。両切片ともヘマトキシリンでカウンター染色。図1のCarnoy固定で明瞭に見られた顆粒核構造が不在で、細胞核がヘマトキシリンで均一な青色に染色されている事に注意。糸状構造は明瞭には判別出来ない。(B)中で褐色に染まっているのは、2時間のin vivo標識期間の間にBrdUが取り込まれた顆粒膜細胞(G)と卵胞膜細胞(T)の層で、マイクロウェーブ抗原回復の後抗BrdUで検出された。これらの核がCarnoy固定サンプル(図1B参照)より、強く染色されている事に注意。
| 製品名 | 製品番号 | 包装単位 |
|---|---|---|
| BrdUラベリング & デテクションキットI | <1296736 | 100テスト |
| BrdUラベリング> & デテクションキットII | 1299964 | 100 |
| BrdUラベリング & デテクションキットIII | 1444611 | 100テスト |
| Anti-BrdU-AP, F(ab)2フラグメント | 1758748 | 15 U(1 ml) |
当社のカタログに掲載する製品は、ライフサイエンス分野の研究のみを目的としています。特に明記のない限り、診断用途目的には使用できません。カスタムバイオテック製品は、特に明記のない限り工業原料用のみを目的としています。
本ウェブサイトでは、幅広い利用者を対象とした製品情報を掲載しています。お住まいの国では利用できない製品、もしくは認可を受けていない製品の詳細情報が掲載されている場合もあります。それぞれの居住国における正当な法的手続や規制、登録、慣習法を満たしていない可能性のある情報の閲覧に関しては、当社は一切の責任を負いません。
〒105-0014 東京都港区芝2-6-1